表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

57/116

第五十五話「その特訓が出来るまで、特訓だ!」


白竜王来訪から一ヶ月が経った。

最近は毎日近場で狩りは止めて、数日掛けてレイゲンタットの裾野で狩りをして、数日お休みというサイクル。〈緋色の槍〉と合同の時もある。

あそこまでは移動の手間が掛かるし、短期集中ってやつだね。ドレイクさんは見掛けていないから、本当にレアケースだったのかも。


休みの時はスキルの特訓だ。


「‥‥‥もう無理ぃ~」

「カトレアさん、努力と根性ですわ!そんな事では、勝利の栄光は掴めませんわよ!」


シャルちゃんは、《発勁》の師匠が使っていたという歩法スキルを練習してる。見よう見まねだそうだけど、使えれば立ち回りが変わりそうだね。

ちゃんと教えてくれる人がいるといいんだけど、人も増えれば、そういう道場みたいな物も出来ると思うけど、今は仕方ないか。

私も欲しいのでお付き合いしてるのだが、成果は出ていない。この100m走のスタートダッシュの練習みたいなので合ってるのかなぁ。


あ、それと無事シャルちゃんも鉄ランクに上がりました。(これもあって、近場は行ってない)最後は、またアーマーラットさんが大惨事になってました。今度は撲殺なので更に絵面が酷かったです。合掌。


夏も本番を向かえた季節になり、町は更に賑やかくなった。

ダンジョン開放まであと二ヶ月、お店や宿、それに伴いそこで働く従業員の住宅が増え、男爵家でやっていた業務は新しく役所が建てられ、ギルドも商業ギルドが増築という形で分かれたり、変化が著しい。

もう田畑の中にぽつんと一軒家という町ではなく、自信をもって町と言えるだろう。

まあ、前世で言えばまだまだで、精々、地方都市のベットタウンの中心部くらいだけどね。


私の方は、自重はせずにリグリース君に頼んで、《火魔法》を教えて貰い、攻撃手段を増やした。

土だと堅い相手だとあまり効果がないしねぇ。


それから《空間魔法》。

漫画やアニメを参考に、色々試してみたが、どれも成果はなく、これ転移っていうものが無いんじゃないかとも思ったのだが、収納袋という魔法道具があるなら、転移陣みたいのが作れるんじゃね?

そう気付いたのが正解だった。


最初に、空間情報の取得を行います。その場所の座標を特定~みたいに考えると、何か感覚的に解ります。うん、科学とか良く分からないので説明はパス。

そしたら、そこに目標となるマーカーみたいなものを設置するイメージで魔力を込めます。

そうすると転移ポイントが残るので、そこに向かって飛ぶイメージ。

これがこの世界での転移魔法らしい。つまり「行ったことがある」だけじゃなく、各地にポータルを設置しないといけないのね。


そして、検証してみたけど、町から岩食い蜥蜴の岩場まではなんとか辿り着くが、魔力は空になって倒れました。この距離でこれでは実用性ないよなー。

全損の魔力回復に数時間掛かるので、歩いた方が消耗がない分マシな感じ。


また設置に時間が掛かるので、戦闘中に相手の背後に転移!‥‥ってのは難しすぎる。並列思考とか思考速度が上がって時間が止まったように感じるスキルとかあるのかー?


とりあえず魔力増えたら使えるかもしてないので、遠出したらポータル設置はしておく事にする。


魔力って大体、限界まで毎日使ってると増えるみたいなパターンが多いけど、この世界だとどうなんだろう?うーん、まともに使えるまでが遠いです。



そんなこんなで、貯金も貯まってきたので、そろそろ王都に行こうと思う。防具作って貰わないといけないし、あの三人もボチボチ仕上がって来ているだろうから、一緒に戻ってくると良さそうだしね。


「それでしばらく王都まで行こうかと」

「この町にも職人は増えたが、有名所はやっぱり王都だよなぁ」


今日は、〈緋色の槍〉と新しく出来たグリム系列のカフェレストラン〈空と大地の恵み亭〉でティータイムです。すっかり仲良くなった彼らには王都行きを報告しておくついでに、良いお店があれば聞いておこうと思ったのだ。


「それでお薦めの店とかないかなーと」

「俺は服飾系はわからんが‥‥‥リグ、どこか良さそうな店知らないか?」


私は白玉クリームあんみつ。桃やキウイフルーツ、バニラアイスにあんこと黒蜜と生クリームのハーモニーな感じで、美味。はにゃーんな感じです。

〈緋色の槍〉の面々はかき氷。ダスティさんは王道氷イチゴ、ウィンディさんが練乳ミルク、エドガーさんは抹茶金時、リグリース君がシロクマ───って、白熊あるんだ!?

シャルちゃんはマンゴープリン。相変わらずにプリン好きだね。


「ボクは行ったこと無いんですが、女性冒険者に人気のある服飾師の方のお店なら‥‥」

「もしかして〈ラピュセル〉か?」

「ウィンディさん、ご存じです?」


ダスティさんの問に、スプーンをくわえて考えていたリグリース君が答えると、ウィンディさんが知っている様子。


「お前が「女性向け」?」

「ウッサイ、アタイだって興味くらいあるさ。それに、その服飾師は元冒険者でね、知合いなんだよ」

「それで冒険者向けの服飾師なんですね。そういう方のお店なら物も良さそうです」


エドガーさんの抹茶金時もおいしそうだなー。個人的には更に練乳ミルクもミックスしたい。


「ただ、その服飾師が‥‥‥あ、いや腕は評判が良いぜ。魔力付与は得意だったし。店は北区の通り沿いだから分かると思う。アタイの名前出せば悪いようにはしないと思うぜ」

「助かります。正直当てがなかったので」

「うん‥‥まあ驚くかもしれないが、行ってみると良いさ」


なんだか微妙そうな顔をするウィンディさん。


服飾師、元冒険者、女性向け、ね。

あー、なんとなく解ったかなー。


お読み下さりありがとうございますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ