表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/116

第四十九話「奴の戦闘力は5.000.000だ!」


「やはり、危険度5は手強いですわね」

「それについては、ごめん、私も甘く考えてた」


お昼ご飯を食べて、しばらく休憩の間、シャルちゃんと先程の戦いを振り返る。


魔物を見付けて私が突撃し、シャルちゃんは隙を伺って攻撃してもらえば、この辺りは大丈夫だろうと思ってた。

不意討ちも考えなくはなかったが、魔法で気を引けば良いだろうくらいでいたが、多少の攻撃じゃ見向きもされないとは思わなかったよ。

シャルちゃんの方が美味しそうだったとか?もしや胸部装甲の差とか言わないよね?


「それは、わたくしも一緒ですわね。危険度4でも労せずに倒せるから5でも問題は無いと調子に乗っていたと思いますわ」


魔物の危険度は一応十段階に区分されている。

一応というのは、同じ区分でも強さとしては差があるからだ。特に上になる程その傾向があり、5+や5-といった表記がされるものもいる。

これは推測だけど、十段階に区分した時に、その基準になる魔物を設定して、おおよその強さなどで分けたせいだと思う。「危険度1はホーンラビットくらい」って感じで。


危険度についてはたまに出てたと思うけど、話のついでに、一般に認識されている危険度の目安を。


1はちょっとした害獣程度。普通の人でも対処できる動物レベル。ネズミとか兎とか。

2は素人には危険な相手だが、それなりに技術があれば対処できるレベル。狼とかがここかな。

3は日本で言えば猛獣クラスか。熊とかライオンとか、まあ普通人間が対処出来ない感じ。

4はその上に特殊な能力を持っている感じだろうか。アーマークラブはその固さ故にこのレベル。

5になると、基本的に別の物。タイラントボアは大型車みたいなもので、人間がトンデモステータスをしていないこの世界で「人間並み」の力では対処出来ない強さになる。

6は、5に比べて更に上になるが、3~4の違いに近く、魔法的な能力を有するとかが加わる。

そして7だが、5が大型車で6が戦車なら、7は駆逐艦レベルといった所。ツインランサードレイクの突進は目測だが時速100㎞は越えるだろう。

8は戦艦クラス?いやもう、そんなの対処とか言うレベルではないんだが、ここに純竜が入ってくる。おそらく《竜魔法》はそれを模した変化なので7のドレイクにも通用してると思う。

9は、いやもう例える物に困るんだけど。ここに分類される神話級の魔物は、一体で文字通り世界が滅ぶレベル。レイゲンタットの主の《混沌の監視者》はこのレベル。まぢヤバイのがご近所さんです。

最後に10。うん、9が神話で世界滅ぼすような存在なら、10はまさに神レベル?例の三大神造ダンジョンに封印されてるのが、このレベルだと言われているが、名前から察するにありそーかもー。《深海神殿(ルルイエ)》とか《地霊殿(シバルバー)》てあれでしょ?


7から一気に難易度が上がるけど、この辺りは「普通にこんなの無理だろ」というラインなんだと思う。

4までは、前世でも昔の人は頑張って狩っていたレベルだと思うが、5になると格段に強くなるって事だね。


で、今回はこのレベル。シャルちゃんは十分通用するくらい強いと思う。問題は、それが生かすための戦術だろう。


「《挑発》スキルも生えたし、さっきみたいにタゲ取り出来るようになったから、楽になったと思うけど」

「‥‥生えたって。カトレアさんばかりズルいですわー」


まあそこは転生チートなので。

ってか、私は称号のお陰なだけで、素のステータスとか強さはシャルちゃんの方が凄いと思うよ?


「まあまあ。そろそろ魔力も回復したし、午後も頑張るよー!」

「そうですわね。わたくしも色々試してみたいですし」


器を浄化して収納して、気合いを入れる。

装備の為に頑張るぞー!



それから、タイラントボアを一頭、ジャイアントスネークを二匹仕留めた。

猪は二度目なので、シャルちゃんも慣れてきていたが、ジャイアントスネークは、実はヘビが苦手だったらしく、ちょっと引きぎみの様子。


「あの、うねうねした感じが好きになれませんもの」

「あー、私も触手系はちょっと‥‥‥」


テレビの野生動物番組とかで、ヘビが交尾とか冬眠でうじゃうじゃ集まってるとか見るんだけど、あれはなー‥‥‥。生理的に受け付けない。


そんな話をしている時だった。


────ドオォォン


大きな爆発音。そして丘の向こうに煙が立ち上る。

微かだが剣戟の音がした。

私とシャルちゃんは顔を見合わせ。


「同業者かな?」

「それにしては派手ですわね」


基本的に、稼ぎの大半は獲物の素材だ。死体が消えるダンジョンなら遠慮する事はないが、毛皮やお肉をとるのに《火魔法》なんかで丸焼きにしたりするとと価値が落ちる為、出来るだけ傷を付けないようにするのがベストだ。

あんなに派手にやってる理由は。


「なんか大物でも降りてきたか、複数に襲われている‥‥?」

「その可能性はありますわ。様子を見にいった方がいいですわね」


頷き、走り出す。丘を上るとその先で戦っている冒険者のPTが見えた。

槍と盾を持った重戦士風の男性、両手剣の剣士風の女性、後衛の魔法使いと神官は男性。

四人は、ダイアーウルフ四匹に囲まれている。

ここの狼は危険度5。しかも群で行動するので、私達は手を出していない。


「あれはちょっとマズイですわね‥‥」

「ダイアーウルフだよ。一匹なら強さは猪が上だけど、数が、ね。素早いから、気を付けて」


私達は一気に丘を下り、その戦場に駆け付けた。


「クロフォードの鉄ランクです、加勢します!」

「こんな所で鉄だと!しかも子供かよ‥‥‥下がれ、危険だぞ!」


槍のお兄さんが、私達を見て怒鳴るが、構わずに狼に《挑発》!


「さあ、お仕置きの時間だよ、ベイビー!」

お読み下さりありがとうございますm(_ _)m


サブタイはいつもテキトーなので本編とあまり関係無い場合が多いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ