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第四十六話「防御力向上計画。」


お昼休みを終えてから、もう三匹程追加でトカゲを狩って、私達は町に戻った。

合計十二匹。討伐報酬は一匹銀貨二十枚なので、金貨二枚と銀貨四十枚。

最近ようやく、ちゃんと相場通りに報酬や素材の買い取りが始まってます。


ギルドの前には商業ギルド直営店とグリム領のお店(アンテナショップ)、それから冒険者向けに宿が二軒建ちました。

豪雨災害時の仮設宿舎が完成して、職人さん達がそこに泊まり込み建設ラッシュが始まってるのよね。

田園風景が広がる農村から、一気に町らしくなっていく様は、某町長になって町を運営するシミュレーションゲームのようです。


──────怪獣とか襲って来ないよね?


お陰で金銭のやり取りが増え、王都行きの馬車便が増えた為にギルドでも普通に買い取りが出来るようになった訳だね。

物々交換の暮らしも悪くはなかったと思うだけに、町の発展は少し寂しくもあります。


「じゃ、ジャンおじさん解体お願いします」

「おう、任しときな」


トカゲの討伐証明部位は牙なので、お肉は丸々残ります。いつものように解体をお願いしてから、受付に戻りエリンさんに相談です。


「エリンさーん‥‥‥は、対応中か」


町の発展と共に冒険者も増えてきました。

人が増えて、討伐依頼も食材確保とかが多くなり、建設現場や運送系のお仕事の手伝いの依頼なんかも増えた為、王都の争奪戦から、こちらに移ってきた銅ランクから、レイゲンタット近くまで行ってタイラントボアを狩るような銀ランクまで、ダンジョン待ちの人がやって来ました。

でもギルドの人は、増えてなくて皆忙しそうです。


「おや‥‥カトレアさん、しばらく振りです」

「あ、オスカーさん。こんにちは」


声を掛けられ、振り向くとオスカーさんの姿。

オスカーさんはまた馬車の運行に戻っていて、この一月のうちにも何度か往復している。最近はお客さんも増えて順調なようだ。


「護衛依頼の件で来たんですが‥‥‥エリンさんは忙しそうですね」

「カトレアさん、あれオスカーさんに聞いてみてはいかがです?」

「あ、そうだね。‥‥オスカーさん、ちょっとお尋ねしたいんですが」


シャルちゃんに言われて、オスカーさんなら詳しいかもと尋ねてみる。


「防具で布製とかの物を扱ってるお店で、魔法付与をしてくれるって聞いたんですが、そういうの詳しくないので教えて欲しいんですが‥‥」

「ああ、服飾師の中でも、防具関係を扱ってる方がいらっしゃいますね。カトレアさんの装備ですか?」

「はい。私はアレのがあるので、あまり重い装備は着たくないんですよね」


私の《竜魔法》を見たことがあるオスカーさんは、「ああ、成る程」と首肯く。


服飾師も色々で貴族向けのオーダーメイド専門という人もいるけど、戦闘用の特殊な防具を作っている方が王都にいるらしい。

後衛の人や身軽さを武器にする一部の人(私とシャルちゃんもこれかな?)、貴族の護衛なんかで見た目はフォーマルなスーツだけど防刃加工されてるとか。

戦闘メイド服とか、あやしい水着とか、強化バニースーツとかもあるんだろうか。


魔法付与自体は金属鎧でも掛けるのだが、布製ではお値段の割には効果が薄い為、それほど需要がないようだけど。


「なるほどー。やっぱりお値段はいいんだろうなぁ‥‥‥オスカーさん、ありがとうございます」

「いえいえ。あ、エリンさん手が空いたようですよ、何か用事があったんでは?」

「私は、防具の事を聞こうと思ってたので大丈夫です」

「では、これで。王都へ行くつもりでしたら、またよろしくお願いしますね」


ご飯の件かな?オスカーさんは、微笑んでエリンさんに声をかけに行きました。


「オーダーメイドは高そうだよね。私は貯金を頑張るかー」

「わたくしも、出来れば作って頂きたいですわね。重い鎧は動きが鈍りますし」


うん、シャルちゃんもドレスアーマーって奴に、胸当とガントレットだしね。

分からないスキルの強化や取得よりも、確実に防御力アップが当面の目標で良さそうかな?


「って事は、美味しい獲物を狩りに行かないといけないって事だね」

「カトレアさんが「美味しい」と言うと、買い取り金額よりも、味の方に聞こえますわ」

「勿論、両方だよ!」



まあ、今日の所は夕御飯。


「ただいまー、です」

「ただいま戻りましたわ」

「お帰りなさいませ。今日も疲れたでしょう、お夕食の準備は出来ていますから、着替えてらっしゃい」


今ではすっかりシャルちゃんも我が家に馴染んできた感じ。部屋に戻って、普段着に着替えて、早速、ご飯だー。この匂いは‥‥‥カレーですね!


本日のメニューは‥‥彩りも綺麗な、茄子とズッキーニと人参の夏野菜カレー、じゃが芋と玉葱の冷たいビシソワーズ、トマトと玉葱のマリネ。

はう、夏メニューだぁ。


「ンー、カレーって季節の料理だよね。とっても美味しいです!」

「はいはい、たくさん作ったから、いっぱい食べてくださいな」

お読み下さりありがとうございますm(_ _)m

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