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第三十四話「ピザはイタリアよりもアメリカ派。」


今更ながら、この世界の季節とか暦の話をしよう。


一年は、十二の月に分かれていて一月は三十日。一年の終わりの、〈神無しの五日〉を足して365日となる。

まあ、地球換算が楽で良いよね。


〈神無しの五日〉ってのは神話から来ていて、よくありそうな神々が世界から去り魔王が支配した五日間の事で、元旦に当たる〈復活の日〉に神々が帰って来てくれましたとか言う話だそうだ。


今日から六ノ月。アーシェン王国は、日本の四季が割りとそのまま当てはまり、来月いっぱいまで雨の季節を迎える。

気象学とか詳しく無いし、そもそも剣と魔法の世界(ファンタジー)では、その地域の魔力の流れだったりの影響が強いぽいので、その地域はそんな気候、と深く考えてはいけない。お約束です。


天気は、王都を出て二日間は持ってくれが、ノルディンを前にして、とうとう雨が降りだした。


「あー、降ってきやがったな」

「どうせなら町までもってもらいたかったですね」


御者台にいたガットさんが呟き、オスカーさんも溜息を吐いた。

一応、御者台も屋根はついているけど、周りはがら空き。雨風が凌げるような物ではない。大雨とは言わないものの、大変そうだ。


ノルディンに着いたのは、それから二時間程してからの夕暮れだった。雨具が要らない程度に雨は落ち着いてきた。雲の隙間から光が差す、長閑な牧場の景色は綺麗です。

宿は前回と同じ〈子羊の微睡み亭〉。とりあえず部屋をとって──オスカーさんとガットさんは着替えてから、夕ご飯を取りに出る。


「王都にいると、こういった景色が懐かしくなりますわね‥‥‥少し臭いますけど」


何処からか聞こえる牛の鳴き声に、シャルちゃんは、少し顔をしかめ、すんすんと鼻を押さえる。

そこはスルーしないと牧場は楽しめないよ。


「今日は何処に連れて行って貰えるのかね?」

「前回ご希望もあったんで、ピザ専門店に」


ダグラスさんの問に、オスカーさんは私を見ながら答える。そう言えば、ファンデュを食べた時に言った気がするね。


お店はオープンキッチン。

おお、職人さんが生地を回してます。これ生で見たことなかったので、ちょっと感動。


生地も種類は、ナポリ風のサクサクふわふわな物と、ローマ風のカリカリな薄い生地の物、アメリカ風の分厚いもちもち食感の物と三種選べ、トッピングを選ぶ、日本のピザチェーンのお店みたいなスタイル。

前世ではピザと言えばピ○ーラ派だったので、なんか安心感がー。


種類は豊富で迷いましたが、ここは大食漢のガットさん、ミハエルさんが居ますし、いっぱい頼んでシェアする方向になった。


まずはマルゲリータ!白いモッツァレラチーズと緑のフレッシュバジル、赤いトマトのイタリア色が美しい、ザ・定番。

それからペスカトーレ。イカやエビ、ホタテにオリーブをトッピングのシーフードピザ。

ツナとコーン、ベーコンのバンビーノ。


「焼きたてピザのとろけるチーズがーー」


王都でも市場で出来合いの生地を買って作ったけど、やっぱりお店のピザは別物だよね。

そして、チーズたっぷり高カロリーの罪深さ。

アツアツでトロトロは罪の味ね。至福な味に思わず目を細めてしまいます。


「「おう、これも旨いな!」」


マッチョお二人はモリモリと。まだまだ全然足りませんって感じなので、追加を注文。


チキンとサラミ、唐辛子がスパイシーなディアボラに、茄子とパプリカにパルミジャーノが美味しいオルトラーナ。

うん、クドクなるのでこの辺で。私なんかは流石に一切れずつでもいっぱいで途中棄権したけど、何枚頼んだんだろう?


美味しいピザをいっぱい食べてお腹いっぱい、今日はおやすみでーす。



‥‥と、思いました?


なかなか一人になる機会がなくて、検証が出来てない《空間魔法》の練習をしたいので、夜中にこっそり抜け出しています。

しばらくスルーしてたけど、忘れてた訳じゃないよ?


《空間魔法》、絶対レアスキルだよね。これは見られると良くないだろうと思います。

《全周囲防御》は仕方ない。私の身体能力で攻撃を全部避けるとか無理だしね。まあ、すごい防御スキルくらいに思われてればいいだろう。

《竜魔法》も完全竜化とかに手を出さなければ、そこまでは‥‥‥まあ、危険度8とかの魔物をザクザクしてたらマズイけど。


おそらく収納系のバックとかの製作にも関わってくると思われ、現在その技術が失われているって事は、そういう遺失スキルなんじゃないかなーと思ったりするので出来る限りは秘匿の方向でいこう。


さて、《空間魔法》と言えば、転移魔法ですよ!

前世のMMORPG、エルグラでは防御と魔法特化で近接していた訳だけど、要だったのが、転移魔法だ。スピード特化に付いていくには短距離転移を駆使していたので、今世でもそれが出来るかも?

称号が進化すれば再現度が上がるっぽいね。‥‥デメリット増えるのは勘弁してほしいけど。


長距離転移も出来れば、クロフォード~王都間も、なんて夢が広がるね!


「んむむむむ」


はい、使ったら転移先の町の一覧が表示されるなんて事はないみたい。だよねー。

この世界のスキルは、どういう風にイメージするかなんだけど、軽くあそこに、ぽんって移動ーみたいなイメージではダメそうだった。

これはSFみたいに転移先の座標をイメージしたりするのかな?空間を認識する?某Zな戦士みたいに気を感じる?私の体を再構成する感じ?


うーん、良く解らない。


これは使いこなすのに時間が掛かりそうです。


お読み下さりありがとうございますm(_ _)m

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