第三十二話「王都を離れる前に」
えー、この度メデタク称号がパワーアップしました。進化するんだ、称号って。
久しぶりにステータス確認してみるか。
◼カトレア・クロフォード(10さい)
クロフォード男爵令嬢
◼スキル
《空間収納》《生活魔法》《剣魔法》《土魔法》
◼称号
《喪女姫》
‥‥‥まあ、ここはいいとして。
◼称号《喪女姫》
異性と接する事無く、孤高に生きた女性に贈られる上位称号。生前の生き様を継承できるが、恋愛フラグにデメリットがある。カップルに囲まれても挫けるな。お一人様で遊園地もきっと悪くないよ?
称号スキル:《一人でできるもん+》
‥‥‥カップルて。まさか、シシリー、ユース、アーク、シャルちゃんのカップリングで私だけハブって意味かー!?いやいや、シシリーはあるかもだけど、シャルちゃん裏切ってないよね?
◼《一人でできるもん+》
魂の継承により、『一人機動要塞』を再現。
《全周囲防御》《竜魔法》《空間魔法》(New!)
‥‥‥あ、《空間魔法》増えてる。
それから二日間は、ギルドで依頼を受けてポイントと資金稼ぎに奔走した。
路銀も必要だし、クロフォードはあまり現金は当てに出来ないだろうし。あと、やはりPTとしての連携みたいなものを築きたかったしね。
南の森にいる危険度2の牙狼、三角鹿辺りから始り、この間の蟹などを狩って、資金と食材をゲットです。ちなみに〈小鬼の迷宮〉は奥まで行かないと五人では微妙なので行っていない。
「うわー、金貨がお財布に入ってるなんて初めてかもしれない‥‥」
シシリーも苦労してそうだなぁ。
この間に改めて自己紹介でもないけど、彼等の事も詳しくなったと思う。
シシリーは、王都の南にある漁師町カレルナ出身。漁師の娘だけど、実家は兄が三人居て安泰なので冒険者を目指したらしい。弓は町の数少なく猟師さんから教わったそうだ。明るく元気が取り柄の十六歳。
ユースは王都下町出身。両親は商会勤めで、日本で言えばサラリーマンのごく普通の家庭って感じ。珍しい《収納》スキル持ちなので引く手数多だろうけど、冒険者を選んだようだ。根は真面目なタイプかな。十五歳。
アークは王都の法衣子爵の四男。学院にも通っていたが、家を継ぐ事も無いしと、在学中に冒険者に。学院にも顔を出しながら休日に依頼を受けたりしていたが、この春卒業。貴族の紳士っぽいけど、少年の顔を時折見せてくれる。私達の中では最年長の十八歳。
三人は、アークが休日冒険者な事もあり、常にPTを組んでいた訳ではないが、同じギルドの駆け出し同士で、ゴブリン討伐などではPTを組んだりしていた関係らしい。
盾役の私、近接アタッカーのシャルちゃん、遠距離物理のシシリー、魔法職でユース、回復役のアークと、バランスの良いPTになれそうだ。
「今日もお疲れ様ー。さーて、今日はどうしようかなー。昨日は天ぷらだったし、朝とお昼はパンだったし‥‥‥」
「カトレアさん、ご飯の時が一番良い顔ですわね」
なにおー。美味しい物が食べられるのが幸せの一つだってシャルちゃんだって分かってるでしょうが。
「まあ金銭的に余裕が出来て、選ぶ余地が出来ましたしね。有り難いです」
「だなー。味と量で〈ロザリア〉一択だったし。いや、あそこの飯旨いけどな」
夕ご飯は、お肉ー、という事で本日はステーキ&ハンバーグのお店。ノルディンに本店がある店で勿論ノルディン産のお肉がメイン。
私はデミグラスソースたっぷりのチーズインハンバーグとライスで。パンだったからお米がたべたかったしね。
牛と豚の合挽きで、割れば溢れる肉汁ととろけるチーズ!
「カトレアさん、ダンジョンが出来るのは四ヶ月程先でしたよね」
「うん、そう言う啓示だったよ」
「その間に、私達は出来る事を増やそうかと思うの。強さでは二人に追い付けないけど、PTとして活躍出来る力をつけたいんだ」
まだ少しレアな切り口を鉄板で、じゅわっと焼いて、チーズとデミグラスソースを絡めて、パクり。うまー。
モグモグとハンバーグを口にしつつ、シシリーの希望を聞く。
シシリーは弓と《生活魔法》が使えるくらいなので、乱戦になったり、狭い通路での戦闘は難しく悩んでいるようだったが、何かやりたい事が出来たのかな。
「まだ時間はあるから、どうしようかとは思ってたんだよね」
とりあえず私は一度クロフォードに戻らないといけないし、向こうでは狩りに勤しむくらいしか出来なさそうだったので、また王都に出張するかーとは思っていた。今回はダンジョン講習以外は、良さそうなのが無かったしね。
勿論、ついでに食材調達とかも含める。
「シャルちゃんは、どうする?」
「わたくしは、とりあえずクロフォードまでお付き合いしますわ。ランクを上げるだけなら、あちらでも出来ますし」
先日の打ち上げで、ロックイーターのお肉が気に入って「絶対狩ってみせますわ」とか言ってたしなー。
シャルちゃんは、実力的には鉄ランクに届くので、あっちで狩りでもいいのかも。
遠出すればタイラントボアみたいな強い魔物もいるし、相手には困らないだろう。
「なんかPT結成して早々に別行動になって申し訳ないんだけど」
「肝心のダンジョンがまだだしね。その前に準備出来る事をしておくのは当然だよ」
とりあえずあと二日はあるから、資金稼ぎをガッツリしますかねー。
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