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第二十五話「ダンジョン探索講習会一日目」


「まず、ダンジョンとは何か。その正体は未だ推測の域を出ておらんが、ダンジョンの定義は決まっておる。そこのお前、ダンジョンとはどういう物を指すか、言ってみよ」

「え‥‥魔物がいる迷宮?」


そして講義が始まった。早口で喋るアドルファス教授が前の席の少年を指すが、その答えに首を振る。


「隣の君は答えられるかね?」

「〈迷宮種(ダンジョンシード)〉が存在するかどうかです」


隣の少女が答え、首肯く教授。


「そうだ。〈迷宮種〉と呼ばれる物がダンジョンであり、如何に広大な洞窟であって魔物が住み着いていようとも、〈迷宮種〉がなければダンジョンではないのだ」


まー、この辺りは基本だね。以前書いた気がするけど、〈迷宮種〉が生み出し管理するのがダンジョン。


ギルドのお姉さんが、後のボードに「ダンジョンのひみつ☆ミ ①ダンジョンには〈迷宮種〉がある」と、書いている。

教授があれなので、簡単にまとめてくれるらしい。


「〈迷宮種〉については後程説明する。では、大まかなダンジョンの区別を‥‥そこの小さいの答えてみろ」


今度は私が指されました。小さい言うなー。


「自然発生型、人工、神造ダンジョンの三つです」

「ほう、少しは勉強している者もいるようじゃの‥‥だが、現在発見されている中で最も規模の小さいダンジョンは、知っているかね?」

「グランガリア帝国の《最も狭き迷宮(リトルガーデン)》。三部屋しか存在せず発見後百年経つ現在も成長してないダンジョンですね」


キランと教授の目が光る。


「次だ、古い文献の記録から探索系魔法によって発見されたものの、未だ未到達のダンジョンは?」

「《深海神殿(ルルイエ)》ね」

「パルパニア連合体にある、夏至と冬至にしか入り口が開かない‥‥」

「《光の国(ティル・ナ・ソルチャ)》」


隣で「おおー」と拍手をしてくれるシャルちゃん。

何か違う戦いになってきたなー。


「くっ、では、最新の報告はどうかな?この国に新なダンジョンが生まれる兆しがある。それはどこだ?」


この質問にシャルちゃんと顔を見合わせて。私は、答えた。


「クロフォード領よ」

「正解だ。なかなか面白い、娘、名前を聞こう」


当然。そのダンジョンを攻略するためにここに来ているのだから。


「カトレア・クロフォードです。よろしくお願いします」

「‥‥‥成る程。気に入った、今日はしっかり学んでいきたまえ。講義を再開する───」


講義は主にダンジョンがどういう物なのか、その成り立ちや傾向、危険性が中心。私にとっては復習な感じだったけど、シャルちゃんは触発されたのか、熱心に聞き入っていた。


お昼になって、二時間の休憩。

シャルちゃんご所望で、北区にある〈仔猫のしっぽ亭〉に。ログハウスみたいな造りの可愛いカフェで、ランチタイム。

ランチメニューはいくつかあったけど、ツナとじゃが芋を使ったパンケーキのセットをチョイス。

生クリームとかジャムとかメープルの甘いパンケーキは好きだけど、しょっぱい系も美味しいよね。

デザートは勿論、焼きプリン。しっかりしたプリンで、つるんとした舌触り。香ばしく焼けたカラメルソースは、ほろ苦ほろ甘で、ちょっと大人向けで美味しかった。


午後はアドルファス教授に替わって、現役銀ランクの冒険者のお兄さんが講師で、実際の探索にに必要な知識や道具の使い方がメイン。

灯りは複数用意するとか、マッピングの重要性、簡単な罠の解説、休憩の取り方などや、ダンジョン内でのマナーなど多岐に渡り、メモを取る受講者側は大変だった。

明日はこれらを実践で学ぶ訳だ。



「疲れましたわー。為にはなりましたけど、説明にあった道具を揃えると、荷物が大変ですわね」

「長い間潜るには必要だしね。そういう場合は、〈冒険補助員(ポーター)〉を雇ったりするんだけど」


補助員は、謂わば荷物持ちで、必要な時に雇うのが普通だ。よく酷い扱いを受ける作品もあるが、ダンジョンに入る為、この世界では資格が必要でギルドでちゃんと保護されている。

拠点を作って探索するので料理が出来たり、《生活魔法》持ちだったりする人も多い。


「ま、私は収納スキルあるから大丈夫だけど」

「やっぱりそれズルいですわ」


日も傾きかけた頃、ようやく終了。

明日も同様の時間に集合して、王都外れにあるダンジョンに向かう。

美味しい物を食べて、明日に備えなければ!


途中、夕市に寄って明日必要な道具をちょっと見るが、夜営用で色々持ってるからなー。ふと思い付いて、屋台で簡単に食べれそうな串焼きとか、惣菜パンとかみたいのを購入。ストックとして《空間収納》に。調理してられない場合はあるからね。


それから、ここはガッツリ系でお肉だよねと意見が一致、昨日見掛けた豚カツ店へ。お薦めの「ノルディン産豚肩ロースカツ定食」を頼む。


「サクサクでジューシー!柔らかくて美味しいですわ!」

「藻塩もいいけど、胡麻ソースの酸味がフルーティーで好み」


よし、明日も頑張れそうだ!

お読み下さりありがとうございますm(_ _)m


こういう娘なので、どうも食事シーンが増えます。そういうものだと思ってください。

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