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第ニ十三話「カトレア、蟹を食う。」


「さあて、私もやっとくかー。この時期の蟹は旬だと思うけど」

「お手並み拝見ですわね‥‥って武器は‥‥」


シャルちゃんは観戦のようだけど、私の狩りは見ていても参考にならないと思うけど。

装備もなしで、蟹に近付く私に戸惑っているが。


────ガンっ、ゴスっ。


蟹の攻撃!ミス!ダメージは受けない!

カトレアの攻撃!アーマークラブBに9683のダメージ!

アーマークラブBを倒した!


うん、そんな感じです。


「なんですの、それはーーーーー!」



お昼になる頃、狩りは終了。私が七匹、シャルちゃんが二匹の計九匹の蟹を倒した。

戻って夕市にも行きたいし、これくらいで充分か。


「‥‥‥何か疲れましたわ‥‥‥‥」

「案外体力無いね、シャルちゃん」

「貴方のせいですわよっ!なんですの、あれは」


倒した蟹を、ポイポイ《空間収納》にしまっていると、シャルちゃんが疲れたように言う。


まあ、チートな感じのスキルですが、何か?


「そこは気にしたら負けって奴です。そんな事より、お昼ですよ。蟹、食べてみたくありませんか?」

「あ、アレを食べるんですの?」

「蟹なら適当に割れば良さそうだしー」


蟹と言えば。蒸し蟹、焼き蟹、蟹鍋にー。お刺身で食べても大丈夫かなぁ、これ。分からないのは止めておくのが無難か。お腹壊しても困るし。


とりあえず一匹出して、竜の爪でテキトーに分解!

大きすぎるのと、甲羅が厚いから、そのまま焼いてもダメそうだし、中身を二人で取り出した。


《土魔法》で2つ竃を作って、火を起こす。薪とかも補充しとかないとー。

一つは鍋に水を張って、昆布を投入、出汁をとって。その間に、もう一つの方はフライパンを出して、綺麗な蟹の身を焼いていく。


「殻がないと、今一情緒がないですわね」

「わかるわー」


あの無言でほじって食べるのが、私は今蟹を食べているって感じがするんだ。


出汁が取れた所で、前回の残りのご飯と蟹を投入、塩と醤油で味付けし、ネギを刻んで入れたら、しばらく煮る。

その間に、焼けた蟹を頂こう。


ちょろっと、ポン酢を付けて、パクり。


「ん。これはこれで美味しいわ」

「んん~~~」


やや癖はあるものの、濃厚な味わい。アーマークラブ結構いけますな。

鍋も煮立ってきたので、蓋を開け、溶き卵を流し入れれば、完成!簡単、蟹雑炊!


「蟹の味が濃いから、結構食べごたえがあるなー」

「卵もふんわりで、身体に染みますわー」


流石にこの大きさは食べきれないので残りの身とかは収納。蟹味噌とかもあるし、後日の楽しみに。


この後、味をしめた私達は、食材確保で更に五匹を狩ってから、帰路についた。



ギルドで依頼の報酬を貰う。八匹だけ提供して、一匹辺り、金貨一枚。

加えて、私達は丸ごと運んできたので、こちらも買い取ってもらい、一匹金貨二枚になった。アーマークラブは美味しいので人気があるらしい。

合計金貨二十四枚。一人十二枚なので、六十万円。


まあ、普通は丸ごと運んで来るの大変なので、ここまでの金額にはならないけど。


「こ‥‥こんなに貰って良いのかしら」

「しばらくの貯蓄になるでしょ。頑張って鉄ランクになれば、楽になるからね」


今回の依頼の最低限三匹を部位だけ持ち帰れれば、金貨三枚。シャルちゃんならソロでもいけるだろう。



「さあ、懐も暖かくなったし夕市行くよー!」

「おー、ですわー!」


王都の市は、西区の港に近い広場で開かれている。

流石は王都だけあって、その種類は豊富。魔法関係の技術が遅れている国なので、そういった品々は少ないが、各地から集まった食材が主な目的。


「お米は戻ってから、お肉はノルディンで良いとして、やっぱり野菜とお魚よね」


まずは、お魚。クロフォードでは川魚くらいしかないので、色々ストックしておかないと。

今の旬らしいアジ、サーモン、イサキ何かを中心に買い込む。コロッケとかフライを作るのに、魚フライがないのは寂しかったしねー。


それから、昆布やワカメの海藻類、鰹節、干物も色々あるし、あと貝類、あ、塩辛とかも売ってるー。


野菜もよく使うキャベツ、人参、玉葱、ネギ、ジャガイモも補充っと。夏野菜も出て来てる。茄子にトマトに胡瓜にレタス、ああ、果物もデザート作ったりしたい。

それからー、漬物とかも欲しいな。沢庵、キムチ、しば漬けにー、特に梅干し!おにぎり作るのにこれ無かったからねぇ。


それから、お豆腐は色々種類欲しいし、こんにゃく、白滝。あと麺類ね。蕎麦うどんやパスタ。

おっと調味料も忘れずに。


とにかく買いまくりました。今日稼いだ金貨が半分以上消えたけど、悔いはない。鮮度そのままの《空間収納》最高ですなー♪


そんな私を呆れたように見ていたシャルちゃんだが、こちらは屋台の料理に夢中だ。


あー、海鮮串とか美味しそう。醤油の焦げた薫りはヤバいね!

あ、買った食材で作ってくれたりもするのね。


そろそろ夕飯時だし、今日はここで買い食いになりそうです。


お読み下さりありがとうございますm(_ _)m

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