表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜花爛漫  作者: ふりまじん
隠し味
8/14

決めた

「これに決めたわ。」

私は、直感的に選び、依頼カードをとると、受付に向かう。

「まってよ…大丈夫なの?」

ユリエは、心配そうに私を見るが、私には、自信があった。

私も、同じ経験をしたことがあるのだから。


「大丈夫。この小説…私、見たことあるし、この作者のエッセー好きだったの。行ってくる。」

私は、ユリエにそう言って、受付をすます。


閲覧はオープンとクローズが選べる。

勿論、オープンを選んだ。

良い答えには、ギャラリーが花を投げてくれるから、結構、良い稼ぎになる。


そして、私は、北国の雪山の見える別荘の桜の下にいた。



それは、依頼のあった小説の舞台でもあった。

私を待っていたのは、一人の上品な老女。


彼女もまた、期間限定アバターに変身している。


「こんにちは。商業ギルドからきました。」


全く、探偵にしたなら、探偵事務所にすればよかったのに…


商業ギルドなんて、使いなれないワードに私は混乱した。


「あなたが…ミチコさん、ね。はじめまして。わたくしは、そうですね…トリペッタと名乗りましょうか。」

白髪な女性のアバターは…確かに、西洋人でも通用する…少女漫画風味だった。

「はじめまして。ご依頼の件ですが…、」

「冷やし中華の隠し味。あなたはどう、お考えになったのかしら……。」と、ここで、トリペッタは、首をふった。


「ごめんなさい。ミチコさん…7年待ったの。

その答えは、物語を思い出しながら、おうかがいしたいわ。」

トリペッタは、嬉しそうにそう言った。

と、同時に、私のところにホットワインの贈り物が届く。

それは、花、50本分のアイテムだ。

彼女の説明を聞くご祝儀のようだ。

「え…ホットワイン…良いんですか?本当に?」

私は、嬉しくなる。


『ファイナル』のイベントで貰えるアイテムは、期間中に使いきらないと消えてしまう。が、その分、イベント限定のアイテムは充実している。


日頃なら、決して手に入れられない、有名な絵師の挿し絵をサイト内ではあるが、作品に添加もできるのだ。


ホットワイン一杯では、そこまでは行かないものの、そこそこのアイテムと交換できる。


「ええ、私が話し終わるまで…、暖まってくださいね。」

トリペッタは、そう言って笑った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ