慈雨

作者：ぎぎ

しとしと、しとしと

春の雨

やさしく、やさしく

降る雨に

ささくれだった

あなたの心に降りそそげ

しとしと、しとしと

温(ぬく)い雨

ただただ、ただただ

あなたの涙を隠したまえ

しとしと、しとしと

傘もささずに、立ち尽くす

あなたのそばにいたいのに

とおくとおくからしか見ていられない

いっしょに泣くことすら出来なくて

ただただ、寄り添うことも出来なくて

いつかあなたのこころに

春を咲かせたくて

あなたに慈雨があることを

祈ることしか出来ない私に呪いあれ

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―　新着の感想　―

[良い点] ちょっと切ない詩かと思えば、最後の『呪いあれ』にドキリとしました。誰かの平穏を願っていても、何もできない自分を恨んでしまうって辛いですね。

2022/01/01 08:16 三羽高明

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