表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~  作者: 天地新生
アイルス・インベル編
9/109

第8話 イノムント

 見かけに惑わされたが、どうやらこのインプは敵らしい。



 俺は剣を握りしめ、敵に向かって切りかかる。



「やれやれ、血の気が盛んですねえ!カオスウェーブ!」



 イノムントは隠し持っていた自分の背丈ほどの杖を取り出し、魔法を詠唱した。



 空中で身動きがとれなかった俺は、黒い衝撃派を剣で受けて後ろに飛ばされた。



「ハンズバインド!」



 イノムントから紫色の大きな手がこちらに向かって飛んでくる。



 俺は横に避けたが、その紫色の手は追尾してきた。



 俺は、無視してイノムントの方へ走った。



「カオスウェーブ!」



 イノムントが最初と同じ魔法を詠唱した。



 俺は今度は体制を低くして攻撃をかわしながら敵に近づき、横に飛びながら剣を振り下ろした。



 俺は剣に込めた魔力を炎に変え、火炎斬を放つ。



 剣を振り下ろす途中で、バリアのようなものに当たったが、そのまま破ることに成功した。



 俺の剣が、敵の首を切り裂いた。



 敵の頭部は飛んでいき、胴体部分は前に倒れた。



「シンさん、お怪我はありませんか!?」



 アカリが声を出しながら駆け寄ってきた。



「まさか魔族まで倒してしまうなんて!さすがです」



「魔法を詠唱して使ってくるから、戦いやすかったよ。敵の前に発生したバリアは何なのか分かる?」



「あれはおそらく魔力障壁です。武器に込めるのとはまた違う魔力の使い方ですね。シンさんの火炎斬の威力には耐えきれなかったようですが」



 魔力の使い方にはいろいろあるようだ。



 俺たちがゆっくりと会話をしていると、突然足元に大穴が開いた。



「シンさん、危ない!!」



 アカリがこちらに飛びついてきて、二人とも大穴に飲み込まれていく。



「シンくん!!アカリ!!」



 キースの声が遠くに聞こえると同時に穴は閉じた。







 その頃、シンたちの戦いの現場では、イノムントの頭部が転がり続けていた。



「これはアンビリバボー!ワタクシの魔力障壁をいとも容易く叩き割ってしまうとは!」



 イノムントの頭部がしゃべると、首より下の部分から、胴体が生え始めた。



 目まぐるしい速度で胴体は成長し、どこからか取り出したローブを羽織る。



「これは、なかなかの有力候補ですねえ、また様子を見に来るとしますか!」



 イノムントは、シンたちが大穴に飲み込まれたことを、この時点ではまだ知らないのであった……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ