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第70話 新大陸を前に

 ルビル島で騒いでいる集団の人数は十数人くらいだった。



 ハクアが近づいて話しかける。



 ハクアは耳と尻尾を隠し、服もランデリアの普通の服を着ているため、見た目から妖怪とは分かりにくいだろう。



「お兄さん方、この近くの大陸から来たのか?わしらは向こう側の大陸から来たのじゃが」



「なんだてめえら?この島は新しくアンダールートのナワバリになったんだ。ここらへんで自由に行き来されるのは困るんだよ」



「いや、お主の言っておる意味がよく分からんが、わしらは向こう側の大陸から来たのじゃ。こっちにある大陸に船で訪れても問題はないかの?」



「そんなことは知らねえよ。しかし向こうの大陸から来たのか。お嬢ちゃんもいい体をしてんねえ。こりゃまだエリアを広げる価値がありそうだ」



 ぞろぞろと騒いでいた集団がこちらに近づいてきた。



「おいおい、可愛い小娘が二人もいるぜ。こいつらも連れてった方がいいんじゃねーのか?」



 何やら健全な雰囲気では無さそうな感じがしてきた。



「お主、今こいつら“も”と言ったな。すでに何者かを拘束しておるのか?」



「ああ、得体の知れねえ生き物を捕まえてなあ。あそこの檻に入ってんだ。こういうのは高く売れるんだ。もちろん、あんたみたいな小娘もなあ。ギャッハッハ」



 シュウがハクアの前に出て集団の注目を浴びるように発言する。



「お前、得体の知れない生き物だと。まさかそれは妖怪ではないのか」



「なんだ、お前。お前みたいな男には用はねえよ」



「妖怪を拘束しているというのは聞き捨てならんな。ハクア、悪いがこいつらを見逃すことはできんぞ」



「構わん。大陸に無事上陸できればこやつらと関わることも無かろう」



「兄ちゃんよー。女の子を二人も連れてオレたちとやり合おうっていうのか?」



「こいつらは俺一人で片付ける。お前たちは手を出さなくていい」



「おいおい、聞いたかよみんな。兄ちゃんが一人でやるってよ。さては兄ちゃんオレたちの戦い方を知らないな。後悔しても遅いぜえ」



 シュウは突っかかってきた男の腹を殴り、顔を殴って吹っ飛ばした。



「こいつ、マジでやる気だ。みんな一斉にこいつを狙え!」



 男たちは銃を取り出し、一斉にシュウを狙って撃ち始める。



 シュウは銃を初めて見たのか、一瞬驚いた顔を見せたが素早いフットワークで銃弾を避け続ける。



 避けきれそうになかった銃弾は刀を抜いて弾き、妖力を使って一気に男たちに距離を詰めた。



 一人ずつを刀を使って切っていき、切られた男には氷が発現していく。



 シュウはそのまま男たちを次々と切っていったが、一人の男が別の行動をとっていた。



「待ちな!それ以上動くとこの女の頭が吹っ飛ぶぜ!」



 男はハクアを捕まえて銃を突き付けていた。



 シュウは無視して男たちを切り続けた。



「おい、聞いてんのか!本当に撃っちまうぞ!」



「どうやらシュウはわしを守ってはくれないらしい。悲しいことにな」



「は?何を言ってんだ。お前たち仲間じゃないのか」



 その瞬間、男の頭と腕は燃え上がり、ハクアは男の腕を殴って銃を落とし、男から離れた。

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