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天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~  作者: 天地新生
アイルス・インベル編
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第63話 王都の裏で起きたこと

 俺が放った妖炎斬を避けるために敵は一度距離をとった。



 その着地する瞬間に、空から雷が何本も降ってきた。



 雷は地面を少しえぐり、男を囲うようにして消えずに発生し続けている。



「シンさん、私の馬に乗ってください!説明している暇はないので急いでください!」



 声のする方を見ると、アカリとアキラがそれぞれ馬に乗っており、何やら焦っている様子だった。



 俺は自分の左腕をさっきと同じように妖火刀で切って処置を施し、アカリの後ろに乗った。



 アカリとアキラはすぐさま馬を発進させる。



「一体どうなってるんだ?助かったんだけど」



「今はまだ説明する余裕がありません。とにかく一刻も早くネスピアを離れましょう」



 俺たちは大急ぎで王都を駆け抜け、検問所に差し掛かる。 



 しかし検問所はさっきの揺れの対応に追われているようで、門は開いており、監視している人はいなかった。



 俺たちはそのまま検問所も抜けることができた。



 俺たちは暗い夜道をずっと道なりに馬を走らせ続けた。



 そして、最終的に俺たちはコーリス村にたどり着いた。



「ここまで来ればひとまず安心でしょう。今日はコーリス村に泊まりましょう」



 俺たちは宿に泊まり、ようやく落ち着いたのでそこで話をすることができた。



「よく分からないけど二人ともありがとう。それで、一体何が起きたんだ?」



「僕が順を追って説明するよ。まず僕は窓からシンくんの修行の様子を見ていたんだ」



「じゃああのローブに仮面の男も見たのか?」



「そうなんだ、それで僕も駆けつけようと思ってね。でもあの揺れがあったんだ。それで足止めされているうちに、一人の隊員が本部に報告をしにきたんだ」



「ならその後のことは見てないんだな」



「いや、その報告が、どうも最近の妖怪の連続殺人事件の犯人がシンくんではないかというものでね。なんでも、使う技と殺人の手口が一致するらしい」



「それは知っての通り、あの仮面の男の仕業だろ」



「僕もそう思ったんだ。けれどもどうやらその報告を寄越したのは和合隊でも特殊な権限を持つ人でね」



「俺も話してみたけど、俺の言い分を聞くつもりはないようだったよ」



「うん、その人はおそらく和合隊の(ゼロ)番隊の隊長だよ。通常の和合隊とは常に別で動いていて、緊急時のみ特殊な権限を発動させて活動するんだ」



「妖怪の連続殺人事件がその緊急時だったのか?」



「いや、確かにそれも調査されていたんだけど、つい先日、十番隊のジェスタ隊長も同じ手口で殺されたんだ」



「それはその零番隊の隊長も言っていたな。俺は知らなかったよ」



「隊長が死んだとなると隊員もパニックに陥る可能性があるから真相が解明されるまで隊員には知らせないというつもりだったらしいんだ」



「じゃあ俺は、その隊長殺しの犯人にされてしまったわけだな」



「そういうこと。だから今はできるだけ遠くに逃げないといけない」



「行き先のことなんですが、一度カガン島に行きませんか?シンさんが会ったという妖怪なら助けてくれるかもしれませんし」



「僕もそれがいいと思う。ひとまず今晩は寝て、明日朝早くにここを出よう」



 俺は気分が晴れないまま眠ることになった。

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