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天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~  作者: 天地新生
アイルス・インベル編
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第4話 剣の腕試し

 アイルスでは十年前、ファンディオ皇国がキュレル王国という大国と合併したことにより、ファンディオ皇国の一国支配という状況になっている。



 小国は多く存在しており、国同士の争いはほとんどないが、キースの話の通り魔物の出現が常習化しており、魔物との戦いは激化の一途を辿っている。



 帝都アルディムを除けば戦える人員はどこも不足しており、戦力の補充が国の急務となっている。



 クレイブ村近辺でもダークウルフが蹂躙しており、グロス卿も手を焼いていたらしい。



 そんな中、ボス系統の魔物を倒した俺は貴重な人材だというわけだ。



 そして、グロス卿との契約を交わした翌朝――。




「やあ、おはようシンくん」



 グロス邸の中庭に出ると、キースが話しかけてきた。



「おはようございます、キース殿」



「キースで構わないよ、お互い村を守る立場同士じゃないか」



 キースはやけににっこりとして話しかけてきた。



「じゃあ、おはようキース。右手に持っているのは剣だよな?練習しているのか?」



「父上に言われてね、君に剣の扱い方を教えてあげようと思うんだ。ほら、これを使って」



 キースは右手に持っていた剣を俺に渡して剣をもう一つ取り出した。



「実際には切れないように作ってあるから遠慮はいらないよ、さあ、行くよ」



 俺が剣を構えるとキースの剣は俺の剣筋を避けて首に剣を当ててきた。



「実戦ならもう切られてるよ。ほら、もう一度」



 油断していたとはいえ、キースはなかなか剣の腕は立つようだ。



 俺は少し自分に与えられた力を試してみることにした。



 冷静に剣を構え、体の自然な動きに身を委ねる。



 俺が考えるのをやめたとき、体が勝手に動いた。



 俺の剣はキースの剣と当たる寸前に軌道を変え、逆側からキースの剣ごと動かして剣先はキースの喉を目指して貫いた。



「ゴホッ」



 キースは咳き込んで倒れた。



「いきなり本気を出しすぎだよ。ゴホッしかし油断していたとはいえ僕に一撃を食らわせるとはなかなかやるじゃないか」



「ごめん、無我夢中でキースの喉を狙っちゃってさ。でもまぐれだよ、キースの剣術を教えてほしい」



「それは構わないさ。君には素質がありそうだからね、教え甲斐がありそうだ」



 どうやら魂の記憶を使うとコントロールが難しいらしく、容赦ない攻撃をしてしまうようだ。



 しかし、咄嗟に集中してその状態に入るにはまだ難しいらしく、持続力もない。



 そのため、魂の記憶に頼ることなく戦えるよう、キースと念入りに練習することとした。



 キースは剣術の英才教育を受けてきたようで、俺がその動きを覚えるまでは時間がかかりそうだ。



 魔物を相手に戦うときは、魔力を剣に込めて戦うのが基本なようで、そこはすぐに真似をすることができた。



 それからは魔物が出現しない日には剣術の練習をキースとすることになった。



 いつか役立つということを信じて……。

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