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天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~  作者: 天地新生
アイルス・インベル編
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第48話 実力者の正体

-アキラ視点-



 ハクキューの蹴りがシンの顎に入り、シンは倒れてしまった。



 カウントが始まるが、シンは動く様子はない。



 どうやら意識を失ってしまっているらしい。



 カウントが終わり、シンは試合に敗北してしまった。



 ハクキューとシンとの間に繰り広げられた、凄まじい攻防。



 いよいよ一つの可能性が高くなってきた。



 僕とアカリを妖怪から助けた、とてつもなく強かった男。



 あの攻撃の速さと妖力の使いこなし方は、一番隊隊長のシラミヤ・ゼンではないだろうか。



 僕は闘技場の通路内へと帰るハクキューを追いかけた。



「ハクキュー選手!いえ、あなたはゼン隊長ではないですか?」



 その男は立ち止まって振り返らず返事をしてきた。



「まだ目的を達成していない。話すのは本部に帰ってからだ、アキラ」



「これは失礼しました。では、今後もお気を付けて」



 ゼンはそのまま振り返らずに歩き始めた。



 まさかゼンが闘技大会に出場しているとは思わなかった。



 幸い、シンと当たったのはシンがベスト4に進出してからであったために、任務は完了したが。



 僕は、シンがいるであろう医務室に向かった。




-シン視点-



 目を覚ますと俺は、ベッドの上で横になっていた。



 近くには看護師と話をしているアキラがいた。



 アキラがこちらに気づいて近寄ってきた。



「目が覚めたみたいだね、シンくん」



「俺は負けてしまったみたいだな」



「あまり気を落とす必要はないよ」



 アキラは続けて俺の耳元で小さな声で囁いてきた。



「ハクキュー選手はどうも一番隊のゼン隊長みたいなんだ」



「そうなのか、道理で強いはずだな。そういえば大会は今どうなってる?」



「これから決勝戦が始まる頃だね。ハクキュー選手の相手はジーネストっていう選手だよ」



 大会は今日で一気に準決勝から決勝までやる予定だった。



「こうしちゃいられないな、観に行かないと」



「無理をしてはダメですよ、シン選手」



 立とうとする俺に看護師が駆け寄って来るが、何といってもハクキューの戦いぶりを見ないわけにはいかない。



 俺は看護師に挨拶をし、アキラと共に観客席へと足を運んだ。

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