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天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~  作者: 天地新生
アイルス・インベル編
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第46話 魂の記憶と渡り合える者

 相手の拳が突然目の前に現れたかのように感じ、俺は頭が真っ白になっていた。



 しかしそれが、幸いすることとなる。



 それに加えて俺が万全の態勢で呼吸を整えていたからだ。



 余計な思考が入らなかったために俺の体は勝手に魂の記憶を発動させ、膝を曲げて態勢を後ろに倒した。



 そのまま俺は両手を床につき、足を蹴り上げるようにして相手を攻撃した。



 相手は俺の急な変化による攻撃に対応し、驚いたことに俺の左足を掴んできた。



 俺は一度右手を床から離し、体の重心を傾かせて体を捻り、足を掴んでいる相手の腕を振りほどいた。



 俺はそのまま体が倒れてしまい、相手はその瞬間を狙って殴ってくる。



 俺はぎりぎり無理やり後ろに飛んで距離をとった。



 相手の攻撃が床に突き刺さり、床には穴が開いた。



 相手は妖力を使っているが、もはやそんな話ではない。



 魂の記憶を使ってぎりぎりの攻防は今までで初めてだった。



 俺は冷静に呼吸を整える。



 魂の記憶を使い続けるには相当な集中力を要する。



 さらに問題なのは、体は半ば勝手に動いても、妖力を込めるのは完全な自分の意思だということだ。



 単に攻撃と防御時に妖力を込めればいいというだけの話ではない。



 どこに妖力を込めたかは相手にも霊視によって見られるために、そのタイミングと駆け引きが重要となってくる。



 それを一度間違えるだけで致命的だということはさっきの床の破壊から察することができる。



 俺はできるだけ柔軟に動けるように、リラックスした態勢で構えた。



 魂の記憶の邪魔をしないようにするという意味もある。



 対してハクキューは、今度は構えてゆっくりと近づいてくる。



 あのものすごいスピードで攻撃を仕掛けるのはやめたのだろうかと思った矢先悪い予感が当たった。



 俺が瞬きをした瞬間に、今度は相手の姿が消えた。



 俺が相手の姿を探そうとする頃に、俺の足に強い衝撃が走る。



 俺の体は前に倒れ、下にはハクキューが拳を構えている姿が見えた。



 俺の体は咄嗟に両手で相手の攻撃を受ける態勢に入る。



 相手の拳には妖力が込められていたため、俺も両手に妖力を込めてガードした。



 それでも、俺の体は宙に浮いた。



 ハクキューは宙に浮いている俺に向かって飛んできて攻撃を仕掛けてくる。



 相手の連撃が繰り出され、俺はその対応に追われる。



 左右一撃ずつに妖力が込められ、さらに足からの攻撃も加わる。



 俺も妖力で受けるがその切り替えはシビアで、少しずつダメージを受けてしまう。



 俺とハクキューは同時に床に着地した。



 最初の姿を消した直後の蹴りから始まり、ダメージはかなり蓄積していた。

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