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天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~  作者: 天地新生
アイルス・インベル編
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第45話 無意識に生まれる隙

 俺とアキラは四回戦目が終わってから和合隊本部へと帰っていた。



「さっきの試合の二連続の蹴りは凄かったよ。シンくん、いつの間にあんなの練習してたの?」



「あれは咄嗟に出ただけだよ。いろんな戦い方をしてきた成果が出たのかもしれないな」



「あんな戦い方ができるなら優勝も狙えるかもしれないね。でも、次の対戦相手はおそらく今までのようにはいかないよ」



「どういう相手なんだ?」



「おそらく次に勝ち上がってくる相手は、今まで一撃で試合を決めているハクキュー選手だよ。気を付けてね」



「間違いなく妖力を使ってきそうだな。妖怪かもしれないし」



 しかし、今まで一撃で試合を終わらせていることを考えると、かなりの実力者だろう。



 今までで一番困難な試合になりそうだ。



 とはいえ、一撃を狙ってくるならカウンターを入れるチャンスが生まれるはずだ。



 俺の今までの練習の成果が試されるかもしれない。



 何にせよ、これで次の試合は準決勝戦だ。



 行方不明となったデインのことを考えると、何が起きてもおかしくはないのだが。



 前回三人組に狙われたようにまた誰かにつけられているかとも思ったが、今回は誰もついてきていないようだ。



 俺たちは無事に和合隊本部に帰ることができた。




 そして、一日が経ち、次の試合、準決勝の日がやってきた。



「やっぱり対戦相手はハクキュー選手だよ、気を付けて」



「ああ、今回も勝ってくる」



 対戦相手は少し背が高く、仮面を被っていた。



 対戦時間が長引けば、仮面が外れて素顔くらいは見ることができるかもしれない。



「それでは準決勝戦、アマノ・シン選手対ハクキュー選手、始め!」



 相手は、微動だにせずこちらを見てくる。



 何をしてくるかは全く予想がつかない雰囲気だ。



 俺は構えるだけ構え、相手が動くのを待つ。



 試合会場が静寂に包まれた。



 俺と対戦相手のハクキューがいる空間だけが凍りづいたかのように感じられた。



 俺は決して、油断してなどいなかった。



 アキラに話を聞いていたため、相手の出方のみに注意を向けていた。



 妖怪である可能性も考え、霊視も怠ってはいなかった。



 相手が妖力を込めた場合でも霊視で把握できる。



 その場合はガードする時に妖力を込めればいいだけだ。



 最初の一撃を防ぎさえすればカウンターが狙える、分かりやすい状況だ。



 しかし、ほんの一瞬、俺が瞬きをした瞬間。



 何かが起こったようで、俺が次に目を開けると目の前に拳があった。

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