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天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~  作者: 天地新生
アイルス・インベル編
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第37話 行方不明者を辿って

 二番隊での妖力の訓練が始まって二週間が経過した。



 束打ちと薪割りの日と、二番隊隊舎内での木刀の模擬戦闘の日が交互にあった。



 二番隊に選ばれるだけあって、刀の腕は確かな人が多かった。



 刀は剣での戦闘と違いがあり、一撃に込められる比重が重い。



 今までの戦い方とは異なるために、木刀での模擬戦闘では苦労している。



 それでも、妖火刀での戦闘では必須になる戦い方であるために、俺もかなり熱心に臨んでいる。



 そんな中、今日も朝から三番隊隊舎に行くと、何やらいつもとは違う雰囲気だった。



 受付のレルフと共に俺を出迎えてくれたのはガルクだった。



「よう、シン!二番隊ではうまくやってるみたいじゃねえか」



「はい、おかげさまでいい訓練を受けることができています」



「そんなお前にちょうどいい任務があるんだ。そろそろ訓練ばかりで飽きてきてたんじゃねえか?」



「そんなことはないですけど、任務のことならアキラから少し聞いていますよ」



 アキラから近々任務で頼むことがあるかもしれないと聞いていた。



「そうか、そりゃあ話が速いな。ならすぐに会議室に移動しよう」



 俺たちは、和合隊本部内にある会議室に移動した。



 会議室には、アキラともう一人、金髪に眼鏡をかけた人物が待機していた。



「待たせたな。こいつがアマノ・シンだ」



「アマノ・シンです。今回はよろしくお願いします」



「四番隊隊長のアーゼルク・レザントだ、よろしく。アキラとは仲良くしているみたいだね」



「そのことだが、アキラ。今回シンを任務に抜擢したのには理由があるんだよな?」



「はい。今回僕がシンくんを推薦したのには三つ理由があります。いずれも現在行方不明となっている隊員、デインと共通するものです」



「そうだな。デインと同じ道をシンに辿らせ、おとり捜査をしてもらうということだな」



「ええ、シンくんとデイン隊員に共通していることは、和合隊に入って日が浅いこと、妖力を学び始めていること、それに三番隊に所属していることの三つです」



「ああ、じゃあそろそろシンに今回の任務の説明をしてやってくれ」



「はい。今回シンくんには、王都の地下街にある闘技場の大会に出場してもらいます。公には言われていませんが、妖怪と人間を含む混合大会です」



「王都っていろいろあるんだな。地下街があることすら知らなかったよ」



「そうなんだ。それで、行方不明となっているデイン隊員もこの大会に以前出ていたんだ。そしてトーナメントをある程度勝ち進んでいたところで行方不明となった」



「そのデインって人も和合隊の隊員だし、ある程度トーナメントを勝ち進んでいたことからしても実力者だよな」



「そう、だからこそ和合隊に入ったばかりでも妖力について学んでいたんだ。和合隊には期待されていたというわけでね」



「その実力者が行方不明となっているんだ。シンくん、何か裏があると思った方がいい。無論トーナメントを勝ち進むことは大事だが、常に気を引き締めておきたまえ」



「分かりました。何か掴めたらガルク隊長に報告すればいいんですよね」



「基本はシンくんかアキラが俺かガルク隊長に情報を伝えてくれれば問題ないよ」



「急ぎの場合はアキラに連絡してくれ。大会出場日は常にアキラが同伴することになるから、そっちで合図を決めておけよ」



「それじゃあ僕とシンくんはこれから大会出場の受付に行ってきます。試合は来週からになると思います」

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