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天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~  作者: 天地新生
アイルス・インベル編
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第29話 妖力使いの人形

 十番隊隊長のジェスタが話を続ける。



「コーリス村では和合隊に協力してくれて感謝するよ。通常、入隊するためには試験があるのだが今回は特別に君の実力を見せてもらって、そこから判断しようと思ってね」



「分かりました、何をすればいいんですか?」



「我々和合隊が訓練に使うからくり人形があるんだ。それと戦ってもらう。場所を移そうか」



 今までいろんな敵と戦ってきたが、人形と戦うというのは初めてだ。



 しかし、本当にそんなことで俺の実力が分かるのだろうか。



 俺は少し疑問を抱えたまま、二人についていった。



 俺たちは、同じ建物内の訓練場まで移動し、中に入った。



 訓練場の中には、さっき聞いたからくり人形と思われる物が数体置いてある。



 ジェスタがそのうちの一体を持って部屋の中央に行ったので俺も移動した。



「このからくり人形には特殊な仕掛けがしてあってね。まあ、人形だと思って油断しないことだよ。準備はいいかい?」



 俺は腰から剣を抜き、構えた。



「いつでも大丈夫です」



「それじゃあ、起動するよ」



 ジェスタが右手を人形の胸のあたりにかざす。



 霊視を使うまでもなく分かるが、ジェスタは人形に妖力を込めたのだろう。



 からくり人形も、俺の背丈程の大きさに変化して立ち上がり、木剣を構える。



「いつでもいいよ。心の準備ができたら、からくり人形に斬りかかってごらん」



 ジェスタがからくり人形から離れて言った。



 俺は、試しにからくり人形の首元を狙って斬りかかった。



 すると、からくり人形が素早く反応して木剣で受けてきた。



 俺は安直に考え、木剣ごと切ろうと妖力を込めてもう一度斬りかかる。



 しかし、俺が妖力を込めたにも関わらず、木剣で型通りに受けられてしまった。



 ただの木剣だと思っていたが、手応えで妖力が込められていることが分かった。



 戦っているのは人形だが、自分の背丈ほどの敵と戦うのは久々だ。



 俺は、キースとの練習を思い出して、剣術を試してみることにした。



 俺が右から斬りかかると、人形も剣で受けようとする。



 そこで剣が当たる寸前で剣を後ろに傾けて切り返し、左側から切り込んだ。



 しかし、からくり人形はあたかも左から切られるのが分かっていたかのように剣を傾けて受けてきた。



 そこからも俺は、いくつかのパターンで切り込んだが、すべて防がれてしまった。



 キースの剣術が、全く通じない。



 剣術に関しては、まだまだ自分が浅かったことを知る。



 ただ、気になるのは人形の反応速度だ。



 俺が考えて動く頃には、先が読まれているようだった。 

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