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天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~  作者: 天地新生
アイルス・インベル編
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第24話 魔族の死体

-シン視点-



 俺がウェミナの尻尾を切ると、ウェミナは顔をこちらに向け、雷を放ってきた。



 俺が雷を左に避けると、今度は嚙みついてきた。



 それと同時に、尻尾が再生し、ガルクのいる方へ尻尾から雷が発射される。



 鋭い歯を持ち、俺とガルクを同時に見るこの広すぎる視界、爬虫類のようにも思えてきた。



 尻尾が再生されたのを見ると今度は頭を狙うしかないな、と思っていると、ガルクが意外な行動に出た。



 持っていた大剣を横に構え、大剣をこちらに投げてきた。



 敵は当然その行動を目視しているため、左に飛んで攻撃をかわす。



 そこで、大剣からガルクが何度も放っている斬撃技が放たれた。



 空中にいた敵に見事に命中し、胴体が切れる。



 さらにガルクはその間に距離を詰め、大剣を回収していた。



 そして、敵の首を斬り、とどめを刺したのだった。



「なかなかいい奇襲だったぞ、シン」



「ガルクさんも見事な戦いぶりでした。大剣が手から離れた状態でもあの技が使えるとは思いませんでした」



「ああ、断空波って言うんだ。剣投げ断空波は一度見られるとあまり意味がないがな。しかし、魔族の割には弱かったな」



 魔族というとイノムントを思い出すが、強さとしてあまり変わらないように思える。



「魔族と戦ったことがあったんですね」



「一度だけな。その時は逃げられてしまったが、今回はちゃんと片付けとこうと思ってな」



「どういうことですか?」



「まあ、見りゃあ分かる」



 そう言うとガルクは少し離れたところで火を起こした。



 その後、ガルクの指示の通り敵の死体を運び、火で焼いた。



「魔族の死体は焼かないといけないんですか?」



「こいつの再生能力を見ただろう。前回の敵は、驚きの再生能力で逃げて行っちまったんだ。魔族相手のときは念には念を入れないとな」



「そうですね」



 イノムントのときは確か火炎斬で焼き切ったが、どうだったのだろう。



 しかしあれはアイルスでの出来事、もう出くわすことはないかもしれない。



 俺たちは敵の頭と尻尾のある胴体部分を運び、それぞれ焼いた。



 敵の死体を焼き終わった頃に、タギシが出てきた。



「お二人とも、よくぞご無事で。そして、よくぞ敵を倒してくれました」



「ああ、礼には及ばん。これで食糧の問題が解決するといいんだがな。シン、オレたちは村に戻って宿に行こう。今日は一泊して、明日王都に向かうぞ」



「そうですね。ではタギシさん、またいつか会いましょう」



「シンさん、ガルクさん、ありがとうございました。お元気で!」



 俺たちは池を後にして、村へと戻った。

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