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天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~  作者: 天地新生
アイルス・インベル編
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第21話 大雑把な釣り

 池の近くにはロープがグルグルと巻かれた装置があった。



「それじゃあタギシ、このロープを腰に巻くぞ」



「え、どういこうことですか?」



「池にいるサメの親玉を退治するためだ。何、ちょいとそいつの口の中に入ってこの杭を打ち込んでくれりゃそれでいい」



 ガルクは別のロープに繋がった杭を見せる。



「そんなの無茶ですよ!ガルクさんがそれをすばいいじゃないですか」



「オレもそうしたいのは山々なんだが、生憎泳ぎは苦手でな」



 俺も協力したいところだが、俺の使う技は水中では役に立ちそうもないし、河童の方が泳ぎは得意だろう。



「確かに、コギシが悪さを働いてしまったのはワタシの責任です。ここは覚悟を決めます」



 タギシがそういうと、俺の方に歩いてきた。



「シンさん、もしワタシに何かがあったら、そのときはタギシのことをよろしくお願いします」



「大丈夫だ、妖怪はそう簡単には死なねえんだ」



 会話を聞いていたらしいガルクが遠くから言ってきた。



 少しタギシが可哀そうに思えてきたので、俺もできることをしたい。



「タギシさん、もし無理そうなら、敵を水面までおびき寄せてくれるだけでもいいですよ。そこからなら俺がなんとかできるかもしれないので」



 タギシは軽く頷くと、池に入る準備に取り掛かった。



 池の傍まで行くと、水面からもサメが見える。



 頭に赤くて丸い石のようなものが付いている。



 これはおそらく、魔物だろう。



 となれば、これから討伐しようとしているのは、ボス系統の魔物ということだろう。



 インベルでも魔物を討伐することになるとは。



「もしものときはロープを強く引いてくれ、それが合図だ」



「分かりました。それじゃあ、行ってきます」



 タギシの準備が終わったようだ。



 タギシが勢いよく池に飛び込むと、すぐに水中へとその姿は消えていった。



 やはり妖怪なだけあって、覚悟が決まればやるときはやるのだろう。



「シンよ、敵の親玉の体からはサメが大量に出てくるという情報があるんだ。だからそのときは、小さいのを頼むぜ」



「任せてください」



 ボス系統はガルクが狩るつもりなのだろう、お手並み拝見といこうか。



 その時、ロープが強く引っ張られた。



 俺たちはロープを巻き上げる。



 すると、しばらくしてタギシが見えてきた。



 後ろからは、大きな口を開けた丸っぽい魔物が鋭い歯を光らせて追ってきている。



 杭は刺すことができなかったようだ。

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