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天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~  作者: 天地新生
アイルス・インベル編
20/109

第19話 コーリス村

 鬼たちから逃げ切った俺は、無事にナラクの橋を渡り切ることができた。



 橋から離れて霧が晴れると、見渡す限りの平原と地平線の彼方まで続く一本の道が見えた。



 この道のある方角にずっと進み続ければ王都ネスピアまでたどり着けるが、途中に村があるので立ち寄ることにしている。



 俺は顔に被っていた仮面をしまい、駆け足で進み始めた。



 鬼たちがまだ追ってくるかもしれないので、一応先を急ぐことにする。



 どうやらカガン島と行き来する人はあまりいないようで、誰とも出会うことはなかった。



 しばらく進んだところで、鬼たちが来る気配はないので、昼飯を食べることにした。



 ハクアにもらったおにぎりを食べながら、カガン島でハクアから学んだことを振り返った。



 カガン島にどうして米があるのかハクアに聞いたことがあるが、大陸と行き来している妖怪もいて、そいつからもらうことがあるらしい。



 ハクアは食べ物を食べなくても生きていけるらしいから、食料なんて無くてもと思ったが、たまには楽しみとして食べたりするらしい。



 おにぎりを食べ終えた俺は、また道なりに歩き出した。



 カガン島を行き来する人など滅多にいないからか、人と出会うことなく目的地の村にたどり着いた。



 入口の看板には、コーリス村と書いてある。



 俺は、門をくぐり、コーリス村へ入った。



 まずは賑やかな音がする方へ向かった。



 広場になっているようで、道には店が立ち並ぶ。



 俺が店を一つずつ見て回っていると、一際大きな男に出くわした。



 何やら店の店主と話をしており、背中には大きな“和”の文字が書かれた赤い羽織を着ている。



 話に聞いていた和合隊の人員のようだ。



 俺は、話しかけてみることにした。



「こんにちは、和合隊の人ですか?」



「おうよ、見ての通りだ。どうした、坊主」



「俺はアマノ・シンという者なんですが、王都に行ってテンミョウ・シュウという人物に会いたいんです」



「テンミョウ・シュウなら知ってるぜ。ただ、会うのは難しいな。王都に行くならオレが一緒に行ってやってもいいぞ。その方が会える確率は上がるからな」



「本当ですか?」



「ああ。ただ、少し待ってもらうことになる。オレは今、任務でここに来ているんだ」



「分かりました、ではその任務が終わるまで待つことにします」



「おうよ。坊主は戦えそうな見た目をしているな。何なら俺の任務を手伝ってくれてもいいぜ。そうすれば和合隊に」



 男が何か言いかけたその時、近くの店で大きな声がした。



「泥棒だ!捕まえてくれ!」



 その店の店主らしい人が声を上げている。



 俺が目の前の男に視線を戻すと、もうそこにはいなかった。



 辺りを見回すと、さっきの大柄の男が、フードを被った一人の子どもを捕まえていた。



「ガッハッハ、運が悪かったな、坊主」

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