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第102話 魔王に立ち向かって

-シン視点-



「彼女はネフィール・ミア。この大陸よりさらに南にあるミシャルタ大陸からやってきたそうです」



 ミアはシュウたちに控えめにお辞儀をした。



「そして、彼女はあそこにいる大きな生物、飛竜と行動を共にするそうです。つまりその飛竜も私たちの味方ということです」



 その後シュウとハクアはそれぞれ自己紹介をし、シュウが状況を説明し始めた。



「魔族を一体倒したが、他にも魔族が一体と人間が一人いる。ゼスタは魔王に戦いを挑もうとしていたが、壁の向こう側ではどうなっているか分からんな」



「まずはこの壁を突破して、魔王を倒すことを最優先にしましょう。アキラさんもどこかにいるはずですから」



「この壁なら、レッカーが壊せると思う。私の飛竜の」



 飛竜には名前があるらしい。



 初めて会う俺たちに囲まれて、状況を理解するだけでも苦労するだろうに、ミアは俺たちに協力する気だ。



 魔王の強さは分からないが、ミアも一緒に戦ってくれるというのは俺たちとしては助かるだろう。



「分かりました。では、レッカーに壁を破壊してもらった後私たちもついていきましょう。魔族と人間は私とハクアさんでなんとかするのでシンさんとシュウさんは魔王をお願いします」



 俺たちはアカリの作戦を承諾し、ミアはレッカーの元に向かった。



 その後ミアは俺たちの方を向き、合図をする。



 そして、レッカーが壁に向かって助走をつけて突っ込んでいった。



 レッカーは壁に勢いよくぶつかり、そのまま貫いて壁に大きな穴をつくった。



 俺たちもその穴を通り、壁の向こう側へと進む。



 壁の向こうで最初に目に飛び込んできたのは、ゼスタだった。



 ゼスタは倒れており、胸を地面から大きな棘が貫通し、血だらけになっていた。



 他にいるのは、魔王と思われる黒い鎧を纏った魔族と、見たことのある顔ぶれだった。



 人間の腰ほどの背丈の魔族、イノムントと、俺が和合隊本部前で戦った黒い炎使いだ。



 やはり、このイノムントとこの男は関わっていたのか。



 さらにこいつらの目的が魔王復活であったことも分かった。



 俺たちに気づいた魔王は、イノムントに対して何かを言い始めた。



「能力のことは分かった。今の我には魔力がない。補給するための手段はあるか?」



「はい、ご用意しております。今ここに出しますので少々お待ちください」



 そう言ってイノムントが杖を振るうと、いくつかの石像が空間より突如として出現した。



 その中には、かつて俺がガルクと戦ったウェミナに似たものもあった。



 魔王はその石像に手を振れると、触れた箇所からひびが入り始め、やがては石像が崩れていった。



「これで魔法も使えるな。戦いにはまだ慣れていないが、どれほどのものか試すとしよう」



「魔王様ならきっとこいつらを仕留めてくれると信じていますよ。ですがくれぐれも、油断はしないでくださいね」



 俺たちは予定通り二手に分かれ、アカリとハクアは魔王以外の方に向かった。



 俺とシュウは、魔王の方に向かっていく。



 ミアもレッカーと一緒にこちらについてきた。

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