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第100話 妖怪の力

-シュウ視点-



 俺はハクアと共に魔族と一人の人間の男と戦っていた。



 敵の人間とハクアが後ろから遠距離攻撃を仕掛ける間、俺と魔族が近距離で戦っている。



 俺は魔族の持つ槍の攻撃を刀で受けながら、男の魔法による攻撃を避けていた。



 俺は槍よりも届く距離の短い刀を持っているため、敵に攻撃するのは難しい。



 妖力を使って踏み込めばこちらから仕掛けることもできるが、敵の遠距離攻撃も考えると無理に動いて隙を作らない方がいい。



 俺はそう考えていたが、それには他にも理由があった。



 敵は、ハクアの使う火の能力を知らない。



 ハクアは口から火を出して空中に漂わせている。



 その火の数は段々と増えていき、俺と魔族とを完全に囲んだ。



 ローブの男が俺に無数の手を飛ばしてくる。



 俺がその攻撃を横に飛んで避けるが、無数の手は俺を追尾してきた。



 俺は仕方なく刀でその攻撃を切る。



 すると、その隙を狙って魔族が勢いよく槍で突いてきた。



 俺は咄嗟に刀で受け、攻撃を弾く。



 その瞬間にハクアの出していた火が一斉に敵に向かって飛んでいった。



 魔族は攻撃を仕掛けた瞬間で火を避けることができず、体中に火が点いた。



 そもそもこの数なら避けることは至難の業だろうが。



 魔族は熱さに耐えながら立っている。



 俺は容赦なく妖力を足に込めて一気に距離を詰めた。



 敵は慌てて左手で俺を掴もうとする。



 敵の左腕はハクアの攻撃で燃え上がっているため、その火を俺に移そうとしているのだろう。



 しかし俺は敵との接触部分の肩に妖力を込めてガードし、敵の腕は無視して斬りかかった。



 敵の胸を俺の刀が切り、敵は俺の肩を掴んだ後に突き飛ばす。



 俺の狙い通りに敵に攻撃を当てることができたため、敵に氷が発生する。



 その一方で俺の肩には何の傷もなく、燃え上がることもなかった。



 ハクアの火は、狙った対象以外を燃え上がらせることはない。



 妖術としての火の独特な特徴と言えるだろう。



 魔族は全身が燃え上がりながら一部が氷漬けとなって動きにくそうにしている。



 俺は止めを刺すべくまた妖力を足に込めて一気に距離を詰め、斬りかかった。



 敵は槍を振り回してきたが俺は攻撃を下に避け、そこから一気に刀を上に伸ばして首を斬った。



 敵の首が燃え上がりながら飛んでいく。



 俺がもう一人の敵である男の方を見ると、その男はすでに他の魔族と合流していた。



 そして、その魔族と男の周辺を、棺桶から出てきた黒い煙が包み込んだ。

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