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第0話 運命が変わる日

 異世界。



 そこには無限の可能性が秘められており、誰しもが一度は夢見て憧れる世界。



 しかし、人間とは欲深き生き物である。



 本来の自分の世界から離れた他の世界で自分にのみ与えられた優位性を生かし、調和を軽んじた自分勝手な野望を達成することを望む者があとを絶たない。



 仮にその結果として異世界に平和が訪れたとしても、それはあまりにも表面的で一時的なものに過ぎない。



 だが、これは何も異世界に渡る者だけの問題ではない。




 それがどれほど進んだ文明であるか、人類がどんな能力を使っているのか等によってそれぞれの世界に違いはあれど、人類が辿る歴史は酷似する。



 文明が栄え、社会を形成し、資源を漁り、環境を破壊する。



 そして最終的に、人類は争い、奪い合い、、騙し合い、憎しみ合う。



 これが人類の、文明の終着点だとしたならば、必ずいつかは自滅という最期を迎えるであろう。




「そうは思わないか?」



 夢の中のような空間で語っていた神秘的な存在は、その空間にいるただ一人の人間に問いかけた。



 大いなる意思によって交わされたこの長いやり取りの末に、二人は協力関係を築くのであった。




 それと同時に、様々な場所で世界は大きく動き始めるのであった。



 とてつもなく重い運命を抱えて……。







-シン視点-



 俺の名前はアマノ・シン。



 世界の精霊との契約により、能力を得て異世界に渡ることになった。



 俺は、大きく分けて3つの能力を授かることとなった。



 一つ目は異世界に渡る能力。



 ただしこれは、厳密にいうと能力というより勝手に発動する権利のようなもので、自分でどうこうすることはできない。



 次に、身体能力向上と五感の強化。



 これは自分の身体に過剰な負担がかからない程度の身体能力と五感の強化で、どれほどのものかはこれから試していく必要がある。



 最後に、魂の記憶。



 かつて異世界に生きた先人たちの魂の経験が俺の体に刻まれるらしい。



 それにより、俺が身体の動きに合わせれば、主に戦闘で窮地を救ってくれるらしい。



 これも段々と明らかになってくるだろう。



 これらの能力のおかげで、俺は確実に優位な環境下で生きていくことになるが、大きな代償が一つあった。



 それは、今までの世界にいた記憶を失うこと。



 記憶を失うのは異世界での行動に影響を及ぼさないためであり、言葉や概念などはそのまま引き継ぐ。



 世界を渡るのであればそれくらいは当然かとも思うが、何かのきっかけで記憶が戻ることもあるのではないかとも思ったりもした。



 ともあれ、世界の精霊との契約により、俺は“アイルス”という世界に渡ることになるのであった。



 まずは異世界に慣れることと、できるだけ情報を集めながら経験を積んでほしいとのこと。



 タイミングが来れば、必然的に“何か”が起こるらしい。



 そして、世界の命運をその肩に背負っているということを忘れないでほしいとのことだった。

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