表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

だれかのにっき:8月14日

作者: パルコ

とにかく夏の匂いをかき集めた、そんな作品です。

別の新作に時間がかかったのと、しばらく浮上できないので簡単になってしまいました。

青い一枚天井を見てた。

どこかで羽音が聞こえた。


縁側に吊るされた透明のどんぐりが、

仏間に佇む、深緑(しんりょく)の渦が、

ふと、風を乗せて来た気がした。


隣から、洗いたての匂いがする。

どしん、と重い音が聞こえた。

そして、からから笑う声が聞こえた。


青い一枚天井を見てた。

どこかで鳴き声が聞こえた。


ゆらゆらと世界が揺れて、

橙の世界に溺れて、

張り切り過ぎた光を、

気のすむまで睨んだ。


青い一枚天井を見てた。

後ろでがやがやと声が聞こえた。

騒ぐ画面の大人たちを睨んだ。

そして、ソースが焼けた匂いがした。


隣から洗いたての匂いがする。

座布団が小さく見えた。

どしどしと重い足音で歩いている。

そして、にこにことぼくの頭をなでた。


青い一枚天井を見てた。

ほんとはひとりのはずだった。


青い一枚天井を見てた。

ぼくはひとりじゃなかった。

ありがとうございました!










*細かすぎてどうでもいい設定*

 両親がどうしても大事な用事があって出かけてしまい、ひとり取り残された小学六年生の男の子と、心配して大学のある地域から電車で3時間かけて駆けつけてきた体重100kgのいとこの兄ちゃん

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 言葉の選択がすばらしい [気になる点] 特にありません [一言] 68歳のじいさんです。やっと今年小説ができた超初心者です。読んでいただけたら嬉しいです。青瓢箪さんと交流中です。
[良い点] 風鈴の音が聞こえてきそうな、い草の匂いがしてきそうな、そんな雰囲気を感じて心地よかったです。 [一言] 企画より拝読させて頂きました。 これは思わずプロに朗読して貰いたくなる作品ですね~
[良い点] 拝読しました。 五感をフル回転。自分が主人公になったつもりで感じました。それから、不思議な感覚に。 すると、*細かすぎてどうでもいい設定*にて、腑に落ち、とても良い気分に。。。 とても綺…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ