【ENDING】
あれから数億年の時が経った。
とは言っても、それを認識しているのは俺だけだろう。
俺の最後のチートスキル『ニューゲーム』―――それは、寿命以外で死んだときに、異世界に召喚された日からすべてをやり直せるスキルだった。
しかも、ただやり直せるだけじゃない。
これまでのやり直しで稼いだすべての経験値を、いつでも自分に適用できる状態で引き継いでやり直せるのだ。
まさに、強くて『ニューゲーム』とでも言うべきチートスキルだった。
そして、俺はとうとう異世界に召喚された日に『魔王』を瞬殺することに成功した。
異世界召喚の初日に『魔王』からこの国以外の言葉がわからなってしまう呪いをかけられてしまうため、この日に殺すしかなかったのだ。
『魔王』を倒した以上、俺にはもう使命やらなにやらそういったものは残ってないはずだ。
だったら、旅にでも出ようかってときに他の国の言葉がわからないのは厄介すぎるからな。
しかし、日本にいた頃の取り柄だったクソゲーのやり込み周回が異世界でも役に立つとは思わなかったぜ。
『魔王』に気取られないように毎回同じ行動をして死ぬのは、クソゲーのやり込み周回で培った忍耐力がなければ無理なほどきつかった。
だが、そのおかげで俺はいまやレベル10万の最強勇者だ。
俺は、王女の左手から指輪を外して『魔王』の隷属魔法を解除する。
隷属魔法から解き放たれた王女は、歓喜の涙を流して何度も何度も感謝の言葉を口にしてきた。
よほど嬉しかったのだろう。
だが、俺はそんな言葉を貰うために王女を助けたわけじゃなかった。
やり直したせいで王女は覚えていないが、俺たちは何度も肌を重ねあった仲なのだ。
情のようなものが湧いていて当然だ。
それになにより、王女は超絶俺好みのロリ美少女なのだ。
取り戻したいと思うのは当然だろう?
実のところ、『魔王』を瞬殺するのはもっと低レベルでも可能だったのだ。
それなのに、何億年もかけてレベルを10万まで上げたのは、『魔王』の隷属魔法を『ラーニング』するためだった。
俺は新しい隷属魔法をかけた指輪を王女の指にすっと戻した。
「お前は俺の所有物だ。『魔王』だろうと、俺のモノを奪う奴は絶対に許さねえ。お前はこれから俺がどんなに所有物のオンナを増やしても嫉妬しないし、俺のことが大好きで俺の言葉はどんな言葉でも絶対に聞いてしまうんだ。いいな?」
新しい隷属魔法の効果で、王女は俺のことが大好きで大好きでたまらないって感じの最高の笑顔を返してくれる。
……せっかく隷属魔法を覚えるチャンスがあるってのに、それを無視するのはバカがやることだよな?
さぁて、次は侍女のアンナを『魔王』の支配から解き放って、俺の所有物に加えてやるとするか。
そしたら、次は世界中のロリ美少女探しだ!
俺の楽しい異世界ハーレム生活は始まったばかりだ!
この作品のテーマは『王女を奪われた勇者の復讐劇』または『王女を寝取られた勇者の復讐劇』だったつもりです。
上手く描けていたでしょうか?
読者の皆様に楽しく読んでいただけたようであれば、嬉しいです。