第1話-いじめ再開-
入学式が終わり、クラス移動も終わりこれから自己紹介が始まる。
「おはよう皆!先生の名前は宮本御子って名前だよ!気軽に宮本先生って呼んでくれると嬉しいな!もちろん性別は女性で今年27歳!よろしくね!」
大きな声で周りに聞こえるようハキハキと喋ったのは宮本御子、真琴のクラス担任だ。真琴は思った、この人がいる前ならイジメはしてこないだろうと・・・・。
「先生はね、イジメが大嫌いなの!だからこのクラスではイジメが無いってことを先生は信じるからね?もし約束破ったら・・・知らないからね?」
先生のイジメゼロ宣言は真琴にとって神様に出会ったような気分だった。先生がイジメゼロ宣言してくれれば、そして約束を破ったらそれ相応の対処をしてくれる、と言ってくれているのだから今後この三人からはイジメが来ないだろうと真琴は思っていた・・・。
そして一ヶ月が経ち、真琴は元気にクラスの子と話していた。そう、この一ヶ月の間、あの三人からのイジメは無かった。しかし、真琴の楽しい学校生活はこの一ヶ月で終わるのであった・・・。
翌日の朝
「パパ、ママ、行ってきます!」
「「いってらっしゃーい」」
真琴は元気に家を出て、学校へ向かった。この一ヶ月イジメが無かった事に嬉しくて嬉しくてたまらないのだろう。しかし、登校中真琴に立ちふさがる三人がいた。高瀬、佐藤、津田の真琴をイジメていた三人だ。第一声を出したのは真琴だ。
「な・・・なに?三人共・・・」
高瀬は真琴の胸倉を掴んでドス声で言った。
「この一ヶ月間お前を見たんだけどよ・・・あんま調子こくなよ・・・?オラァ!」
最近、幼稚園に上がって小学生1年とは思えないパンチが飛んできて真琴は殴られ飛んだ。
「最近、ボクシングジムに言ってよ~ジャブやボディブローのやり方教えてもらったんだよ。だから俺のサンドバックになれや長谷川ァ!」
真琴は顔に何発もジャブを食らい、何度も手で防いだ。しかし下から突き上げてくるボディブローなども出して真琴は蹲った。
「うわぁ痛そう。」
「今度、那月が通ってるジム教えてよ!俺も行って長谷川を殴りてぇわ!」
そんな言葉が聞こえた真琴は絶望した。
『まただ・・・また、悪夢のような学校生活が来るんだ・・・・』
しかしここで救いが来た。
「ちょっとあんた達!なに弱い者イジメしてるの!」
「あぁ!?なんだよ、このババア!」
「ババアは失礼ね!まだ私は小学生6年よ!ピチピチよ!それよりやめなさいあんた達!ねぇ君大丈夫?」
「は・・・はい大丈夫です」
「ッケ後で覚悟しとけよ長谷川。いくぞお前ら」
「「お、おう」」
真琴は天使が舞い降りたと思った。これ以上殴られ続けていたら僕は死んでいたと思っていた。そこに小学6年の先輩お姉さんに助けられてなんとかここは凌いだのだった。
「君、名前は?私は高崎真琴!宜しくね!」
「ぼ、僕は長谷川真琴です。宜しくお願いします。」
「長谷川真琴君ね?私と同じじゃん!真琴!可愛いからマコ君って呼ぶね!私の事はマコ姉って呼んでね!」
「は、はい。マコ姉?」
高崎の心に鋭いピンクの矢が突き刺さった。弟ができたような気分だった。
「いいねぇいいねぇ!ってそれより大丈夫?学校行く?」
こんな姿を学校で見せられたら、きっと学校で面倒事が起きるだろうと考えた真琴は今日は休む事を決意した。
「今日は帰ります・・・行きたくなくなったので・・・」
「そっか・・・もし何かあったらこのマコ姉様に任せなさい!いつでも君を助けるからね!じゃあね!」
「はい・・・・有難うございます。いってらっしゃいマコ姉」
高崎と真琴は別れて、真琴は家に戻るのだった。
「ただいま・・・」
「おかえり・・・ってどうしたの!?学校は!?そのドロドロになった姿どうしたの!?」
「ちょっとフラっとして転んだんだ・・・今日は気分良くないから休みたい・・・」
「ん~・・・わかったわ!部屋着に着替えてゆっくり寝てなさい。」
母親の優しさに真琴は泣きそうになり。すぐに自分の部屋へと行きドアを閉めすすり泣いたのだった。