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7話 『広大な土地に降り立った破壊天使ちゃんは爆死寸前』

突如、目の前が瞬時に地中だと気づいたのには、数秒も掛からなかった。


その時として起きた出来事は、面白みも無いかと思うだろう。

だが、その答えとなるのも事実なのだ。


私こと、遊美奈は…頭から地面へとめり込んで死んだ。


「……。」


へ?何事?かと、思う。


事実、死んではいないのも分かるのだ。


何故なら。



―――下半身が動ける。



不思議な事件は、これで終わる。




いやいや、終わらないですよ?これから始まるのに終わってどうするんですか!!

まだ、遊美奈の人生は終わってないので安心してください。


「…小娘よ、地面でカード選び…しないで貰いたい。」


時は遡らなくても分かるだろうか。

遊美奈は、今、触手のうねうねした度し難いピンク色のスライムみたいなのに攻撃を受けた。

本体がどうなっているのか見ようとする遊美奈は、なんとか地面から這い上がった。


「…卑猥モンスター?」


言い方にもほどがあると思うのだが、仕方がないのだ。

背後から突然に姿を現した(軟体捕食獣)バグスライムイーター。


「…あの、せめて…イーターの亜種なんで、そっちで呼称してくんない?」


人語を喋るイーターでさえも、戸惑ってしまっている。

冷静にお互いの状況を確認し合おうと考えて数分間、無言タイムが続いた。


「とりあえず…話、する?」


「……ふむ、良いだろう。」


最初に口を開いたのは、遊美奈だった。

顔の泥を近くの水溜まり場で洗い落として少しだけどスッキリした。

そのおかげか考える時間と脳内にある伝承記検索をして探ってみた。


「…イーター。別名、喰うモノ。

人体に影響はないが繊維を溶解させ何年もかけて消化させてしまう奇怪獣。」


亜種だとその度し難いピンク色をしたイーターは、肯定するように頷く。

だが、本人曰く。


「私は、繊維は溶かせる…だが、肉体は捕食できない。」


遊美奈は、その話を聞いて少し焦りと悪寒が走った。

そう、“肉体が捕食出来ない”の言葉に引っ掛かったのだ。


「…まさか…分泌液?」


「…なぜ、分かった?」


一刻も早くここから逃げ出さなければ危ないと遊美奈の身体中から警鐘音が鳴り続ける。

このイーターの亜種モンスターは、触手を簡単に操ることが出来る様にうねうねしだす。

そして、遊美奈が逃げ出すと同時にその触手は、遊美奈の身体に絡みついた。


「…や、やめて…啜らないで!!」


R指定待ったなしの展開が今、起きてしまっている。

触手の動きが異様にも手慣れている感が半端なかった。

足の靴、靴下、スカート…下着にまで一瞬で溶解していく。


「…お、お願い…ぱ、パンツだけは…や、やめて。」


「……分泌液、くれたら…やめる。」


さっきから、このスライムイーターの言っていることとやっていることが可笑しい。

繊維を分解するのは、遊美奈も見ていて分かっている。

だが、どうにも肌に触れている部分から吸われているような感覚が違和感を覚える。


「…でも…啜らないで、そこ…び、敏感だから!!」


「……??」


スライムイーターは、遊美奈の言っていることがまるっきり理解できていない。


“啜っている”


スライムイーターも何かしらの違和感を感じているのか、触手を解かせてあげた。

解放をさせたと同時に、スライムイーターもはっきりとその違和感にやっと気づいた。


触手で遊美奈がいとも簡単に逃げられなかった理由。



触手に別のスライムが存在していたのだ。



しかも、新種スライムなのか遊美奈から離れたスライムイーターの中から出てきたのだ。

遊美奈に引っ付いたまま離れないそのスライムは、未だにその遊美奈の肌から啜っている。

嫌がっている遊美奈の姿を見ているスライムイーターは、そのスライムに攻撃を仕掛けた。


「…このスライム、人肉を捕食するやつか。嫌がっているではないか、やめるんだ。」


「…や、いやぁ…たしゅ…け…―――がぼっ!!」


そのスライムは、遊美奈の身体を一瞬で覆いつくしてスライムの体内に取り込まれた。

服の繊維だけでなく柔肌の肉体でさえもところどころから血が噴出していく。

このままでは、さすがにスライムイーターでさえも助けることにした。


「…私の中に隠れていたのか。私には啜る機能発達が存在しないのに。」


スライムイーターの触手の一本だけ遊美奈の足に絡まっているままの状態だった。

唯一、スライムから脱出させる方法はその触手を引っ張り出すことはできる。

だが、そのスライムを退治するまでの攻撃するタイミングが無いという事。


「私の攻撃では、こいつに大打撃を与える火力も魔法もない。どうする?」


スライムイーターは、必死にもがき苦しむ真っ裸まであと少しの遊美奈の姿を見る。

このままでは、遊美奈のあられもない姿になるのは、絵的にもノベル的にも危ない。

そう考えたスライムイーターは、あることを思いついた。


「遊美奈と言ったな。今から、助け出してあげよう。」


そう言うと、スライムイーターは、遊美奈とスライムを一緒に近くの洞窟へ向かった。

反響し合うような音が洞窟内の広さを物語っているかのように卑猥な音が響いている。


ぎゅちゅぐちゅ、びちゃびしゃ、ぎゅぽぢゅぽ


激しく消化させようと必死になって溶解して、消化させているスライム。

血が抜かれているような感覚に襲われている遊美奈の反応も段々と弱くなる。

遊美奈の意識が少しずつ痛みから若干だが、何らかの気持ち良さが快感へと変えられている。


「…がぶぶっ…ぶぁぅんっ!!」(…んんっ…はぅんっ!!)


スライムイーターは、遊美奈の意識の限界が近いと判断したのか早急にあることを始めた。

遊美奈の足を掴んでいる触手の力を緩めたその瞬間だった。

遊美奈を覆っているスライムがこれとばかりにチャンスだと思ったのか、触手を追い出そうとする。


「…間抜けな、スライムめ!!」


スライムイーターは、全ての触手を鋭利な刃物へと変化させた。

形状でさえも変化させることが出来たスライムイーターは、そのスライムに切りつけた。

遊美奈の身体をギリギリにまで切りつけたその刃物と変化させた触手。

周囲に飛び散るスライムの破片。


「…此処は、洞窟。スライムは、再生機能があるだろう。だが、遅いぞ!!」


再度、遊美奈の腰を触手で絡み掴んで洞窟の奥の方にぽいっと投げ込んだ。

これがどういう意味か―――。


ぐがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ


刹那、洞窟の奥の方からスライムが一目散へと洞窟の出口の方に向かって逃げ出した。

そう、海辺にあるその洞窟の奥の方に居るモンスター。


「…スライムイーターよ…真っ裸寸前の少女を、なぜ、我のところに放り出した?」


其処から出てきたのは、スライムイーターにとっては古くからの旧友。


(古地龍)グランドドラゴン


スライムイーターは、グランドドラゴンに理由を話すことにした。


「グランド。先ほどのスライムがその少女に纏わりついてな。助けたかったのだ。」


「ふむ、旧友よ。助けたいのは分かったが…やり方と言うのがあるだろう。」


スライムイーターとグランドの話し方からするに、人語を喋っているように思える。

遊美奈は、意識が遠のく中でグランドとスライムイーターの会話のやりとりを聞いた。

それが、遊美奈の見た最後の記憶だった。



――――あれから、数時間後。



遊美奈が、目覚めた。

其処は、カードや荷物が置いてあった場所。


「…あれは…夢?」


周囲を見渡そうとするも、夢で見たのが現実だったのかどうかは定かではない。

だが、これだけは分かっていた。


「…悪い夢…ノスフェラトゥス、まだかな?」


遊美奈は、まだわかっていなかった。

最悪な夢だと思っているだろうが、現実だったことを。


「…あ、そうだった…カード、王都に着いたら…色々と必要になるから。」


遊美奈の太ももの付け根から、白く濁った色が付着していることにも。

遊美奈のカードホルダーの中に、スライムイーターとグランドドラゴンが追加していることも。


“気づいていないのだから”


(イーターよ…この小娘に我らの力を貸そうではないか。)


(元より、そのつもりだよ。旧友。)


カードが意志を持つことなどありえない。

いつの間にか、溶かされた服の切れ端が何もなかったかのように風に飛ばされる。


そして、遊美奈自身…水着の姿だと気づいていないことに気づいたのは、数分後の事だった。

今回の投稿が空いたのには、二つほど理由があります。一つは、学業においてテストがあったのもあります。こまめに小説を書いてたのもありますが勉強とテストがあるので大変な時期に突入していたのもあります。そして、二つ目ですが、家庭的な問題がありました。三姉妹の次女である二番目の姉と私は、引っ越すことになりました。引っ越し先は、教え出来ませんが引っ越し作業と学業のことでこの投稿期間が空いた理由はこれで全てとなります。途中でR指定な展開も取り入れたのですが、次女たってのリクエストだったので参考程度に一番上の姉から同人誌と言うのを読ませて貰い勉強になった次第です。触手プレ…げふんごふん。あぁ、言ったのは初めて読んでみて最初はドキドキしましたがある程度の文章表現の練習だと思ってそういうラノベも書いてみようかなと思いました。これからも、どんな展開があるのか、お楽しみにしてくれると嬉しいです。

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