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3話 『異世界を変えた迷惑姉妹の妹の名は水上結』

あれから、午前6時30分


ヒュスドスの大きな体躯の背中に遊美奈を載せてある場所まで飛行を続けている。

どれほど、高くまで飛んでも空の上まで届かない。

本来なら、雲より上にある上空の空間が何も見えないのだ。

不思議と感じているのだが、どうにも腑に落ちない遊美奈。


「…あのカード…"クイック・ストップ"…発動パターン…理解不能。」


複雑なアルゴリズムなのか、発動の条件が無いと起動の仕方が分からない様子だった。

ショルダーポーチのファスナーのところに"懐中時計"があったので時間が表示しているのが見える。

崖に居た時の時間から2時間、色々と考える時間を持てた。


「…ヒュスドス…別名…グリフォンの亜種…飛行魔獣……生態が分からないけど…多分、合ってるはず。」


ヒュゥゥゥゥゥゥルォルォルォルォ


鳴き声からでも、鳶の仲間かと思うが見た目が鳶と言うよりウミネコに近い。

小魚やその体格より小さい食べ物を水の中から取って食べているのを近くで見たのだ。

遊美奈の身体とヒュスドスの体格もまた、遊美奈の3人分の体長だから食べられそうになるのも分かる。


「…お前の食べ物…魚…私…人肉…食べたら、めっ!!…分かった?」


ヒュ?


首をかしげる大きな鳥さんは、人の話している言葉は理解できるはずがない。

それは割切っているのだが、ヒュスドスの鋭い爪と(くちばし)は、ある意味で凶器なのだ。

人の身体に風穴があいても可笑しくない。

なので、食物連鎖の最弱生態である魚を主食にしているのだろうかと判断してみたのだ。


「…魚…栄養がある…頭、良くなる…お魚、たくさん…食べて。」


そうやって言い聞かせるかのように、川の魚の方に指を差して教えたのだ。

ヒュスドスは、こっちの意図に気づいたのか頷いて川の魚に目掛けて突っ込んで嘴で捕まえ食べた。

その一連の行動が素早かったせいか、遊美奈は驚いてしまった。


「……うん…お腹いっぱいなったら……そら、飛んで…くれる?」


ジェスチャーでヒュスドスにやって欲しいことを頼んでみることにした。

遊美奈は、この世界のあらゆる広大な土地を見てみたかったのだ。

ヒュスドスは、遊美奈に一礼をし敬意を払うかのように腰を下ろすかのように背中を向けた。

遊美奈は、恐る恐るになりながらもヒュスドスの背に乗って空高くまで飛び上がってくれた。


「ふぁっ!?」


いきなりの飛び上がりにさらに吃驚して、必死になってしがみついた。

身体全体が宙に浮く感覚をその時まで感じ続けたのだ。

怖くなるのが無理と言うのもあるが、恐怖心がひしひしと増大していくのも同時だった。

だがそれ以上にある感覚が襲った。


「……広すぎ…じゃない?」


眼下に見える光景は、海を隔てた広大な大陸。

ところどころには、楕円形な壁が立っておりその中に建物やお城が見える。

更にファンタジー感を見る風景である、"浮いている島"や"羽の生えた女性"があるのだ。


「世界観…っパないです。」


ヒュュュュュュュュュ


ヒュスドスがある方向へ向けて鳴き声を放つ。

どうやら、何かに呼ばれているかのようにそっちの方へ飛び立つ。


「ちょ…え?…何処に…向かうの?」


そして、現在の6時30分頃である。

其処には、森林が生い茂っているかのように樹木の肌が見える場所には、滝たいなものが流れている。

表現と云うにも、比喩があるようにそのままの意味なのだ。

樹液なのか、水なのかが分からない液体らしきものにヒュスドスの仲間が水浴びをしているのだ。


「…仲間の場所…帰りたかった…のかな?」


遊美奈は、理解するのに数秒かかったがその樹木の頂上付近に4枚の羽の生えた女性が手を振っていた。

その人が、ヒュスドスのご主人様なのかなと考えるのもつかの間速度を上げて着地をする。

その行動がまるで、“早く撫でて欲しい”や“褒めて欲しい”の行動なのではと考察する。


「お帰りなさい。ヒュース。お出迎え、ご苦労様。さぁ、あちらで休んできなさい。」


澄んだ声をしているその女性は、まるで天使みたいな女神様みたいな感じがあった。

大人な女性感を漂わせているその人が、遊美奈の方に笑顔で振り向いて自己紹介を始める。


「私は、ウェルスカー。神獣の使い神であり、貴女をこの世界に送り込んだ女神です。宜しくね。」


なんと、遊美奈をこの世界に送り込んで来た張本人が目の前に居た。

4枚の羽を巧みに動かして羽の一本をむしり取って見せて、その羽を遊美奈の手に渡した。


「ごめんなさいね。貴女の従姉妹さんから頼まれて呼んだの。異世界神を任せれている私だからね。」


そう言うと、むしり取った羽が光り出して遊美奈を覆い包むかのようにある場所に向かわせた。

眩しすぎる閃光に思わず目を閉じてしまった遊美奈は、ゆっくりと目を開けると其処に居たのは。

水上結が居たのだった。


「あ、遊美奈ちゃん。元気してた?」


結の第一声で、少し戸惑ってしまった遊美奈。

なぜか、不思議と懐かしい雰囲気に思わず涙が出てしまったのだが、ある事にふと気づいた。

いつもなら、もうひと声が掛かるのだが、其処には誰もいなかった。


「…舞…お姉ちゃん…?」


「……あ、あの…実は、ね?」


結は、遊美奈に声をかけずらくなってしまった。

結の姉が何かあったことを知らない遊美奈は、キョロキョロと見渡すがまだ目が慣れてなかった。

閃光の影響で空間的な視覚に多大な負荷がかかってしまったせいか、くらんでいるのだ。

少しずつ、視力が戻って来てある光景に驚きを隠せずに思わず口を閉ざしてしまった。


「……ふぁっ!?」


そう、目の前に“羽の生えた女性達”と“大聖堂らしき大きなお城みたいな建物”が見えているのだ。

これ以上に無い不可思議現象に驚く事ばかりの連続が重なっていよいよ、遊美奈のキャパが超えた。

気絶したのだった。


「…この異世界…どうなって…いる…の?」


遊美奈の知らない異世界に迷い込んでしまったこの突然異変。

更には、結の重々しい口から知らされた衝撃的な現実を突きつけられた遊美奈。

この世界は、何か変わってしまっているように思える遊美奈は、6時50分を持って深い眠りについた。

気絶から目覚めた遊美奈は、結からある程度の事態の深刻さを聞いたのだが頭を抱えることに。

そして、女神さまたちとの成り行きもまた話を聞く事になったのだった。

どうも、アリス娘々と言います。今回は、キャラクターの設定は、異世界ゲームと連動をしているのでお話を引き継ぎをしています。どれも読みごたえのある作品として書いてありますので是非楽しんでください。それとですが、個人的な話を今後の後書きで書いて行こうかなと思っています。進捗状態もまた、この後書きで掲載をしていきたいので宜しくお願いします。この作品の他にもラノベを書いておりますが、まだまだボツ作品としての状況でございます。もちろん、TwitterやSNSで色々と試行錯誤をしながらある作品を二次創作として練習を兼ねているのもありますのでそちらも良かったら見てくれたら嬉しく思います。それでは、これからも私のラノベ執筆活動を見てくれたら嬉しく思います。これにて、失礼をします。では。

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