まとめと感想
「飲み屋の姉ちゃんにリスペクトせなあかん」
この言葉から何が読み取れるのか?
1.「飲み屋の姉ちゃん」という主語の広さから、一箇所に留まれない事が推察できる。
即ち、同じ場所にいるとボロが出る人間性と深層心理で自覚もあるのだ。
相手喜ぶために本当に自分を削って、
具体的には「金」と「時間」と「労力」を惜しまず、見返りも求めない善意ならば、主語はもっと限定的になる。
それこそアイドルの推し活や、野球のファンなどが挙げられるだろう。
2.「リスペクトせなあかん」は良い事言った私を褒めろとの圧。
前にも書いた、ネットのリベラルが嫌われる理由がコレだ。
「弱者を救おう」と言って、それを糾弾する者は明確な悪だ。
現実世界でそれを指摘する者はまずいない。
しかし、ネットで明確に叩かれる理由として、偽善者との接点がないからだ。
加えて余裕がない。
強者は弱者を救う責務がある、というのは一定の理解を得られるだろうが、弱者は弱者を救えない。
賛辞が欲しい強者の戯言だと透けて見える。
3.「せなあかん」
『しなければならない』とmustを使う場合、
これは成功体験を得た人間がする断定の言葉なる。
このワードだけで是非や賛否はわからないが、相手側に相当な自信があるのが伺える。
よって、絶対にこれを否定してはいけない。
ここに触れると関係が壊れてしまう。
4.文章全体。
反論を許さない。
このワード自体が椅子取りゲームだ。
反論しようものなら、相手を「ひどいヤツ」と攻撃する材料を与える事になり、触れる事は構造上できない。
リスクを取る覚悟がない、もとい反撃される想定を一切していない。
例えばこの主語が別のだったらどうだろうか?
「日本人は絶対に読売巨人軍を応援せなあかん」
こう言われたら全く別。
リスク取って喧嘩する気満々だろう。
名古屋人は味噌カツを投げ、広島人はお好み焼きを投げつける。
関西では囚人服が縦縞に変わり、とある東京人は酒の代わりにヤクルトを飲みだす。(横浜は知らん)
■要約
Q.次の言葉を言った人間の底はどう推察する?
「飲み屋の姉ちゃんにリスペクトせなあかん」
A.都合が悪くなったら逃げる傲慢な強者が自信満々で良い事言っているので褒めてあげると喜びます。
□感想
攻撃されたショックはずっと心に残り、
妖怪君と縁が切れた事も悲しい。
(まあ最後はこっちから切ったが)
ただ、今回文章にしてとてもよかった。
スポーツの世界では常識だが、自分のフォームを動画で撮ったりする。
ビジネスマンもプレゼン資料などを見比べ、デザインやワードの研鑽を重ね向上する。
しかし日常において我々が自分を客観視する機会はあまりにも少ない。
今回、そういう意味で文面化する事により、
自分をより理解する事が出来た。
ボクは『怒り』の定義をきちんと持つ。
怒りとは、期待を下回った時に生まれる感情だ。
ボクはブチギレて妖怪君を詰めまくったが、
――ではどこに怒りがあったのか。
その細部が文面化する事で見えてきた。
・人を貶めるウソをついて攻撃してきた。
・あんなに良くして上げたボクを裏切った。
・ボクよりも初対面の相手に生贄として差し出した。
・攻撃した後、自分は反撃を喰らわないように逃げる卑怯者の性根
・ボクは『名前が大事』と知っていながら踏みつけられた
上記のどれか。
あるいは複合か、全てか。
そう思っていたが、実はそうじゃないと書いていて気付かされた。
『名前が大事』とは書いたが、
妖怪君や一生会わないであろう初対面のバーテンダーにどう思われようが、ボクは興味はない。
興味はない、と言いながら、では何故ボクはあんなに憤ったんだ?
自問自答を繰り返した。
深層心理では周囲の目を気にしている?
→うーん、しっくり来ない。でも、怒るという事はそういう事か?
嘘ついてまで貶める攻撃をしてきたから。
→まあそれはそう。それはそうで、苛つくが、妖怪君が卑怯者というのは以前から知っていた。
ボクよりも初対面のバーテンダーを優先させた
→これは……大きい。これが確信に近い。
文を連ねるうちに、その正体がわかった。
『妖怪君が頭が悪い事』
何故ならコレは妖怪君にとって非常に悪い展開だ。
ボクといういつでも愚痴を聞いてもらえる装置を失った。
それだけでなく「お前は卑怯者だ」と関係値のある者に流布され正体がバレる可能性がある。
これは絶対避けたいはずだ。(まあ残念ながらみんな気付いているんだが)
ふーーーーむ、なるほど。
(まあ残念ながらみんな気付いているんだが)
↑これを書いた時にまた理解した。
そうか、妖怪君は頭が悪かったんだ。
それなのにボクは、年下の子供を諭すように接する事をせず、
同じ目線であるかのように話してしまった大きなミスを犯していた。
なるほどなーーーー。なるほど。
そうなるとボクがただのアホで、未熟だな。
うーーん、よかった。
文章にして。大変勉強になった。
もっともっともっと、色々考えて勉強しないと。
未熟だなーと思う自嘲する一方、新しい学びと改善が示せた事が嬉しい。
妖怪君が頭が悪いと『個体を限定的』に指す言い方も少し違うか。
世の中の多くの人間は幼稚である。
IQやEQが低い、と端的に切り捨てる話ではない。
書く、という自分を俯瞰して見るトレーニングを重ねている者と
そうでない者の差が明確に出ているだけだ。
(※EQ:Emotional Intelligence Quotient(こころの知能指数))
これだけ書き続け、これだけ向き合い続けた自分が
まだまだまだまだ成長できるのかと思うと、嬉しくなる。
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あるあるの共感で支持を得るのも嬉しいですが、
人を感動させる作品を作ったり見たりするのが一番好きです。
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