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第十一話:妖怪は何故人を食う?

誤った矜持を得たから。

以上。


……と言いたいが、実はちょっと違う。


2つある。


1つ目は、脳の構造の話だ。

私たちは人を叩いて「懲らしめてやった」と感じる事で報酬系の刺激を得て快楽を覚える。

つまり、それは虐めや攻撃は人間の構造。とも言える。

神が作った欠陥と切り捨てる事もできるが、進化の過程で無駄飯ぐらいを排斥するのは人に限らず全ての生物が保持する本能だ。

人間社会でSNSなどでどんどん過激になるのも、「いいね」と賛同の声に比例し報酬と攻撃性が増していくのもその『構造の話』となる。



2つ目が核となる。

"友達の作り方がわからない"んだ。



自分を良く見せたいというのは生物の基本だ。

別の小説でも書いたが、

孔雀は綺麗な羽を広げ、蜘蛛は昆虫の餌をプレゼントし、ウグイスは歌う。


お金を持っているから。

一流企業だから。

良い女連れているから。


SNSで流れる要素の誇示が力と錯覚してしまっている現代、

虎の威がなければ何もできない思考力の現代人。




ところで、関西は面白い風習がある。

全てのステータスを凌駕する「おもろい」というのが存在する。


そして、そこに"性差"が存在する。



女はこの「おもろい」に対して男よりも明確に劣る。


理由は簡単で自虐ネタを使う事ができない。


「誰がツルピカやねん」

「誰が肉饅頭やねん」



こういう自分の欠陥を笑いへと昇華できるのは男のみ。

綺麗でありたいと願う女の本能に抗えず、

自己の欠陥を謳う(うたう)事はできない。

(もちろんその本能に抗う必要は一切ないが)



また、加害者側に立つ事もできない。


「ハゲにハゲゆーて何が悪いんじゃクソハゲ!」


心ない事を言うと、自分が悪くなる。

共感、あるいは共鳴の比重が強い女は、その輪からはみ出る事が本能的にできない。



この性差は遺伝子の話だ。

しかしこうなると「おもろい」という最強ステータスにおいて最有力カード2枚が封じられる事になる。


もちろん相槌や愛嬌で和に入る事は可能だが、

主軸である「おもろい」の称号は遠ざかる。



そしてやめればいいのに、

稚拙な人間は最も難易度の高い「弄り(いじり)」に手を出す。



もしそれを初対面の相手にやるなら、

内向的かつそういった場を作ると……あとはまあ、上記でも触れたし割愛していいだろう。



何が言いたいかと言うと、『悪い人じゃないんだよ!』という事だ。

綺麗毎に聞こえるが、ある意味それはもっとも辛辣な事だ。


即ち、"技術不足の下手くそ"なのだ。



関西からすれば最悪の称号である『おもんないヤツ』と言うわけだ。


せっかくなのでもうちょっと言おうか。


おもんないヤツだから成功体験にしがみつき、

おもんない自分を肯定してくれる場を絶賛するんだ。


まあ『おもんないヤツ』なんで他の『おもろいヤツ』に食われ、

その事がおもんないので他の獲物を探す悲しき妖怪、というオチかな。




なーーーんかなーーーー。

可哀想だな本当に。


不思議なのはそういうのに限って承認欲求や見栄、自己肯定感が欠けていて……って、成功体験が乏しいからそりゃそうか。

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