⭕ 怪物狩り
──*──*──*── 翌日
──*──*──*── フィールド
マオキノが用意してくれた朝食を終えたら、性別反転をしたシュンシュンと一緒に自宅を出た。
《 露店街 》に向かって、前日に予約していた食材を各露店に寄って購入し終える。
≪ ゼシュカノ村 ≫の正門からフィールドへ出て、依頼書に描かれている怪物を狩り始めた。
マオ
「 えぇと──、狩りを始める前に依頼書の控えに書かれている注意事項を読むんだったな。
先ずはノブラットの注意事項から読もう 」
惷麗
「 注意事項を読むなんて、漫画でもゲームでも無かったぞ 」
マオ
「 シュンシュン~~。
漫画やゲームと混同するなよ。
何々──、ノブラットを狩る為の注意事項は──── 」
オレは依頼書の控えに書かれている注意事項をシュンシュンにも分かる様に声を出して読んだ。
惷麗
「 何だよ、これはぁ!
罠を仕掛けて無傷の状態で捕獲しろって!
剥いだ皮は素材として回収だと?
解体した肉は丁寧に下処理をして、殺菌作用と防腐作用の有るケルムの葉で包装する──か。
面倒だなぁ~~。
折角、召喚術士として腕を振るえると思ったのにな! 」
マオ
「 じゃあ、ノブラットを捕虜する為の罠を作って仕掛けよう! 」
惷麗
「 マジかよ…… 」
マオ
「 ノブラットは森の中で生息してるから、罠は森の中に作るんだ 」
惷麗
「 ……………………地味だな…… 」
マオ
「 駆け出しの冒険者が受けれる依頼なんて地味なもんだよ。
えぇと──、序でにサーペビスの注意事項も読んでおこう 」
オレは依頼書の控えに書かれている注意事項をシュンシュンにも分かる様に声を出して読んだ。
惷麗
「 何だよ、サーペビスも罠を仕掛けるのかよ。
無傷の状態で生け捕りにしないといけないのか?
2本の牙は抜いて素材として回収か。
サーペビスは解体しないんだな 」
マオ
「 サーペビスは無傷,元気,活きが良いほ程、報酬額も上がるみたいだな。
良い状態で生け捕りに出来る罠も作ろう 」
惷麗
「 罠作りから始めるのかよ…… 」
マオ
「 罠の材料は森の中で調達するぞ。
罠を作って仕掛けるのも冒険者の醍醐味だよ。
自分なりに工夫を重ねて罠を作るのも楽しいし、良い経験になるんだ 」
惷麗
「 …………………………はぁ~~~~。
…………何か……想像してた冒険者の活動から程遠いな…… 」
マオ
「 シュンシュン、やる気を出せよ。
ほら、森の中へ入るぞ 」
惷麗
「 何が悲しくて罠作りしないといけないんだ…… 」
シュンシュンは両肩を大きく落としてガッカリしている。
罠作りって確かに地味ではあるけど、作れると大いに冒険の役に立つんだよな。
シュンシュンにはオレが知ってる限りの罠の作り方を伝授したいもんだ。
──*──*──*── 森の中
完全にやる気を失って、低迷気味なシュンシュンを促して森の中へ入ったオレは、シュンシュンに説明をしながら罠を作る為に必要な材料を集める。
こういう初心者の行う作業って、かなり久し振りだよな。
セロが居てくれるから罠を作る必要が無いから!
マーフィやラオインダに教えてもらいながら試行錯誤して作ってた頃が懐かしいかな(////)
器用じゃないから初めは中々上手く作れなくて、泣きべそを掻きながら作ってたっけな。
マオ
「 罠の材料は、このくらい集まれば十分かな。
シュンシュン、罠の作り方を教えるから、一緒に作るぞ 」
惷麗
「 分かった分かった……。
作れば良いんだろ?
作ってやるよ…… 」
マオ
「 ノブラットが捕れたら、皮の剥ぎ方と解体の仕方も教えるからな! 」
惷麗
「 分かった分かった……。
やれば良いんだろ、やれば…… 」
シュンシュンは “ 仕方無い ” って諦めた態度で、オレと向かい合う状態で座る。
先ずはノブラットを捕獲する為に使う罠の作り方を教える事にした。
惷麗
「 ──はぁ~~~~!!
やっと終わったぁ~~~~!!
もぅ~~嫌だっ!!
もう、罠なんか作りたくないっ!! 」
マオ
「 何言ってるんだよ、シュンシュン!
ノブラットの罠、30個中3個しか作ってないだろぉ~~。
次はサーペビスを生け捕りにする罠を作るんだから、シャキッとしろ! 」
惷麗
「 チマチマと罠なんか作ってられるかよぉ!!
僕はストレスに蝕まれて過労で寝込みそうだ! 」
マオ
「 3個しか作ってないのに大袈裟だな。
ほらっ、シュンシュン。
次の罠を作るのに必要な材料だよ。
作り方を教えるから、手分けして作るぞ 」
う~~ん、シュンシュンに対して一寸スパルタかな?
今日は作った罠を森の中に仕掛けたら終わりだな。
日が暮れる前に何とかテントを張り終えたいもんだ。
マオ
「 ──よし、サーペビスを生け捕りにする罠も20個作れたな。
お疲れ、シュンシュン。
2つしか作ってくれなかったけどな~~ 」
惷麗
「 マオの作る速度が早過ぎるんだよ!
幾ら手慣れてるからって── 」
マオ
「 死んだ魚の目みたいな目をして、ノロノロと作っていたくせして良く言うな~~。
後片付けをしたら、作った罠を森の中に仕掛けるからな。
罠の仕掛けが済んだら、森から出てテントを張るぞ。
その後は夕飯を作るからな 」
惷麗
「 …………………………………………了解………… 」
シュンシュンは既に1日目でギブアップしそうな状態だ。
今夜はシュンシュンに、元気の出る御馳走でも作ってやるかな。
◎ 訂正しました。
≪ ゼシュカノ村 ≫の正門 ─→ ≪ ゼシュカノ村 ≫の正門




