──*──*──*── 自宅
≪ ゼシュカノ ≫で第1の拠点となる自宅に到着する。
購入した敷地内ないには中庭と裏庭が在って、中庭には花壇が作られていて花フラワーや薬草ハーブが植えられている。
多分だけど、裏庭には野菜ベジタブルや果か樹じゅが植えられている気がする。
自宅の外がい観かんは、≪ レドアンカ都みやこ ≫に在るマーフィと暮らしていた実家と同じ作りで、違いと言えば屋根の色いろと広さだろうか。
懐なつかしい気持ちになる。
マオ
「 立派な新築の家だな~~。
オレが暮らしてた実家の外がい観かんと同じにしてくれてるんだ…… 」
惷麗
「 マオが暮らしてた実家って1階建だてなのか? 」
マオ
「 そうだよ。
平民が暮らす民家は1階建だてが一般的かな。
代わりに敷地が広くなってるんだ。
2階建だてや3階建だては富裕層の平民や貴族が暮らす屋敷ぐらいだよ 」
惷麗
「 へぇ~~。
中庭が凄い事になってるな。
ガーデニングが職人技わざじゃないかよ 」
マオ
「 裏庭では畑を作って家庭内菜園してると思うよ。
キノコンは農作業が好すきだからな~~。
我わが家やに入はいろう 」
惷麗
「 そうだな 」
オレとシュンシュンは門を開あけて敷地内ないへ入はいる。
手の込んだ立派な中庭を見ながらドアを開あけて自宅の中へ入はいった。
──*──*──*── 玄関
マオキノ
「 マオ様、お帰りなさいませエリ。
………………………………不ま味ずそうな霄しょう囹れいちゃまも序ついでに、エリ 」
惷麗
「 何なんで僕の時ときだけ嫌いやそうな顔をするんだ! 」
マオキノ
「 …………………………ペッ!
不ま味ずそうだからに決まってるエリ!
本ほん当とうなら外そとの犬小ご屋やで寝泊まりしてほしいエリ! 」
惷麗
「 こっこのキノコ野郎!!
黙って聞いてればっ── 」
マオ
「 相変わらずキノコンは性別反転したシュンシュンが嫌きらいなんだな。
シュンシュン、自宅の中だけでも男に戻ったらどうかな? 」
惷麗
「 ……………………そうだな…… 」
マオ
「 マオキノ、先まずはシュンシュンを部屋に案内してやってくれよ 」
マオキノ
「 はいですエリ。
………………着いて来くるエリ。
不本意極きわまるけど案内してやるエリ。
感謝するエリ! 」
惷麗
「 一いち々いち勘に障さわる言い方するなよ 」
シュンシュンがマオキノに案内された場所は、マーフィが使っていた部屋がある方向みたいだ。
もしかしたらオレの部屋は実家と同じ彼処あそこかも知れない。
実家でセロに貸していた部屋が、セロの寝室になるのかも知れないな。
部屋の間ま取どりは実家とほ・ぼ・同じみたいだ。
違いと言えば広さと綺麗に片付けられている事くらいかも知れない。
懐なつかしさを感じながら家の中を物ぶっ色しょくして回る。
何なにから何なに迄本ほん当とうに懐なつかしいな。
マオキノ
「 マオ様、マオ様の御部屋へ御案内致しますエリ 」
マオ
「 有あり難がとな、マオキノ。
オレの実家をモデルにして建ててくれたんだな 」
マオキノ
「 セロ様から設計図を頂きましたエリ。
マオ様に喜んで頂けて嬉しいですエリ。
必要の無い箇所は此方こちらで変更させて頂きましたエリ 」
マオ
「 そうみたいだな。
マオキノの部屋はち・や・ん・と・有るのか?
“ 作ってない ” なんて事、無いだろ? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
ちゃんと作らさせて頂きましたエリ 」
マオ
「 それなら良いいんだ 」
マオキノ
「 浴室バスルームは温泉に変更させて頂きましたエリ。
温泉で疲れを癒いやしてくださいませエリ。
ボクは厨房で今夜の料理を御用意させて頂きますエリ 」
マオ
「 台所キッチンに厨房を作ったのか?
本格的だな 」
マオキノ
「 台所キッチンはボクの城しろですエリ♥ 」
マオ
「 マオキノ、食事が終わったらで良いいんだけど、今日きょう買って来きた食材,調味料,香辛料の仕分けや整理を手伝ってくれないかな? 」
マオキノ
「 畏かしこまりましたエリ。
喜んで手伝わせて頂きますエリ 」
マオ
「 助かるよ、マオキノ。
有あり難がとな 」
オレはポーチの中へ入いれていた荷物を居間リビングに出してから自分の部屋に向かった。
──*──*──*── 居間
性別反転の術じゅつを解といて、男の姿に戻ったシュンシュンと一緒に温泉へ入はいって入浴を終えたら、マオキノが丹精込めて作ってくれた美お味いしい料理に舌した鼓つづみを打ちながら、楽しい夕食ディナーを済ませた。
シュンシュンが男の姿に戻ったから、マオキノも御ご機き嫌げんだ。
やっぱり美お味いしい御馳走が目の前に居いるとマオキノの態度も変わるんだな。
どんだけ性別反転したシュンシュンが嫌きらいなんだか。
シュンシュンにも魔法マジックの鞄バッグを持って来きてもらったら、マオ本キノ体とマオキノ分身体達に手伝ってもらって、購入した道具アイテム,食材,調味料,香辛料なんかを出して、手分けして仕分けや整頓に取り掛かる。
マオキノ分身体達は和気藹わい々わいとしていて楽しそうに作業を進めてくれている。
道具アイテム類るい担当,食材類るい担当,調味料類るい担当,香辛料類るい担当,薬草ハーブ類るい担当,香草類るい担当,山さん菜さい類るい担当…等など々などに分かれて仕分け,整頓をしてくれている。
手馴れたものでテキパキと手て早ばやいのに丁寧でもある。
食材や調味料の種類を見て、レシピを書いてくれているマオキノ分身体も居いる。
調味料類るいに関しては、使い易い様ように小こ分わけにしてくれている。
マオキノ:本体
「 レシピの料理を作れる様ように必要な食材類るい,調味料類るいを1つの袋に入いれときますエリ 」
マオ
「 有あり難がとな、マオ本キノ体。
料理別に分けてくれてると助かるよ 」
マオキノ:本体
「 マオ様、セロ様から体力ヒール回復薬ポーション,疲労キュアル回復薬ポーション,状態異常アンチド回復薬ポーションを預かっていますエリ。
99個ずつ入いれさせて頂きますエリ 」
マオ
「 ………………有あり難がとな。
何なにを使って作ってるのか気になる回復薬ポーションばっかだけどな~~ 」
マオキノ:本体
「 原材料に関してはボクも存じませんエリ。
一応、人間に使っても “ 大丈夫 ” との事ですエリ 」
マオ
「 大丈夫ねぇ……。
どのくらいの “ 大丈夫 ” なんだ? 」
マオキノ:本体
「 “ 死なない程てい度ど ” だと思いますエリ。
大量に飲ませると回復薬ポーションへの依存度が上がり、ラリっちゃうそうですエリ 」
マオ
「 ラリっちゃう……だとぉ?! 」
春舂霄囹
「 鯔とどのつまり、人間には薬やく物ぶつ並みにヤバい液体って事かよ? 」
マオキノ:本体
「 そうとも言えますエリ。
中身の回復薬ポーションを飲み干すと試験管は自然に〈 テ原質フの源みなもと 〉へ変換されるとの事ですエリ 」
マオ
「 親指サイズの試験管か。
意外と小さいな。
えぇと──緑色が体力ヒール回復薬ポーション,黄色が疲労キュアル回復薬ポーション,紫色が状態異常アンチド回復薬ポーションだな 」
効果が怖いし、絶対に使いたくないな~~。
良よぉし、怪我を負おって困ってる冒険者達へ積極的に売って、小こ遣づかいを稼ごう!!
効果の程ほどは──、別にいっか!
春舂霄囹
「 回復薬ポーションなんて益ます々ます異世界ファンタジー世界みたいだな!
なぁ、回復薬ポーションにランクとかは無いのかよ? 」
マオ
「 セロの作る液体回復薬ポーションにランクとかは無かった筈だけど? 」
マオキノ
「 冒険者用の回復薬ポーションは《 冒険者ギルド 》で販売されていますエリ。
ランクに依って値段が違いますエリ 」
春舂霄囹
「 《 冒険者ギルド 》で買えるのかよ?
気き付づかなかったな。
どんな種類の回復薬ポーションが有るんだ?
気になるぞ、マオ! 」
マオ
「 それなら──、《 冒険者ギルド 》を紹介してるパンフレットに載ってるぞ。
ほら──、これが《 冒険者ギルド 》で貰えるパンフレットだよ 」
オレはポーチの中からパンフレットを取り出してシュンシュンに見せてやる。
春舂霄囹
「 パンフレットなんて有るんだな。
何どれ何どれ── 」
どうやらシュンシュンは《 冒険者ギルド 》の紹介が詳しく書かれているパンフレットに興味津しん々しんみたいだ。
パンフレットに夢中なシュンシュンは横に置いといて、オレはマオ本キノ体と一緒に作業を進めた。
◎ 訂正しました。
オレが暮らしてたら実家 ─→ オレが暮らしてた実家
職人技 ─→ 職人技わざ
序ついでにエリ ─→ 序ついでに、エリ
魔法マジックの鞄バッグ ─→ 魔法マジックの鞄バッグ
有あり難がとな~~。─→ 有あり難がとな。
との事エリ 」─→ との事ですエリ 」