⭕ 再びダンジョン 2
──*──*──*── 安全地帯
オレ達は順調に《 ダンジョン 》の地下5階に在る安全地帯に到着した。
階層ボスは1度倒しているから、2度目からは倒さなくて良い様になっている。
より多くの冒険者達を地下へ誘う為に考案した “ 大陸の意志 ” による配慮なんだろう。
毎回、階層ボスを倒さないと安全地帯を使えないなんて、精神的にも身体的にも堪えるし、心が折れて《 ダンジョン 》から遠ざかり兼ねないもんな。
賢いよな、この《 ダンジョン 》!
流石、人類の数を減らす為に誕生した《 ダンジョン 》なだけ有ると思う。
マオ
「 そろそろ、地下6階へ下りようか 」
惷麗
「 いや、今日は此処でキャンプしよう。
地下6階へは明日で良いだろ 」
マオ
「 未だ昼食を済ませたばっかりだぞ。
夕食する前には地下10階に着けるって 」
惷麗
「 チッ(・ε・`)
融通の利かない奴め!
良いから、出発は明日にしろ。
今日はテントを張って休むんだ! 」
マオ
「 シュンシュン──。
急に消極的になってどうしたんだよ? 」
アノスベルド
「 ………………マオ兄さん、物凄く不本意だけど──僕も惷麗に賛成だよ。
僕にも何でか……分からないんだけど…………今日は安全地帯から出ない方が良い気がするんだ…… 」
プディ
「 ぷてぃ?? 」
ベレティナ
「 あの……私もキャンプした方が良いと思います……。
精霊魔法が弱まっている気がして………… 」
マオ
「 精霊魔法が弱まる?
そんな事が有るのか? 」
ベレティナ
「 いえ……初めての事です…。
他のエルフは分かりませんけど…… 」
マオ
「 …………まぁ、急ぐ訳じゃないしな。
3人が言うなら、今日は此処迄にしよう。
テントを出すから張るのを手伝ってくれるか? 」
アノスベルド
「 うん、任せて! 」
惷麗
「 死乃人にも手伝わせる 」
マオ
「 えっ、テント張りが出来るのか? 」
惷麗
「 フフン!
呪靈より使えるだろう。
幻夢の呪靈は知能が低いからな 」
マオ
「 特級呪靈は知能が高いだろ 」
惷麗
「 特級呪靈と比べるな 」
シュンシュンの命令を受けて、2体の死乃人がテント張りの作業を手伝ってくれる。
手際が良い事に驚きを隠せない。
どうやって仕込んだんだか──。
その日は、安全地帯でテントを張ってキャンプをする事になった。
夕食まで時間が有るから、ベレティナに護身術の稽古を付ける事にした。
──*──*──*── 夕食
夕食の料理を作り終えて、皆で食べていると大きな地震が起きた。
≪ ダンジョン ≫の中で地震が起きるなんて初めてじゃないか?!
マオ
「 かなりデカい地震だったな。
皆、大丈夫か? 」
惷麗
「 どうって事ないぞ 」
アノスベルド
「 僕も大丈夫だよ 」
プディ
「 ぷってぃ 」
ベレティナ
「 私も大丈夫です…… 」
惷麗
「 作った料理が台無しだな 」
マオ
「 料理は作れば良いよ。
皆が無事で良かった 」
アノスベルド
「 安全地帯で良かったですね。
≪ ダンジョン ≫の中でも地震って起きるんだね 」
マオ
「 オレも≪ ダンジョン ≫の中で地震に遭うのは初めてなんだ。
明日は十分に準備を整えてから地下6階へ下りよう 」
アノスベルド
「 はい! 」
惷麗
「 なら、式隷に様子を見て来させるとしよう。
こういう時に式隷を使わないとな 」
マオ
「 シュンシュン、有り難う。
頼むよ 」
シュンシュンは式隷を呼び出すと地下6階へ向かわせてくれる。
プディ
「 ぷてぃ!
ぷてぃぷてぃ 」
アノスベルド
「 マオ兄さん、プディも分裂させた分身に様子を見に行きたいって 」
マオ
「 プディも行ってくれるのか? 」
プディ
「 ぷてぃ 」
マオ
「 プディが行きたいなら、頼もうかな。
無理だけはしないようにな?
でもさ、分身に何か有った時、本体のプディに危険は無いのか? 」
アノスベルド
「 それは大丈夫だよ。
本体のプディが無事なら分身が危険な目に遭っても平気だよ 」
マオ
「 それなら良いんだけど──。
プディ、呉々も気を付けてな 」
プディ
「 ぷてぃ♪ 」
体を大きくしたプディは分裂する。
2体目のプディが、沢山の小さいプディに変わる。
小さいプディ達は階段を下りて、地下6階へ向かってくれた。
マオ
「 オレ達は式隷達とプディ達の連絡を待ちつつ、明日に備えよう。
オレは手軽に食べれる料理を作って増やしとくよ 」
アノスベルド
「 僕も手伝うよ兄さん 」
ベレティナ
「 私は周囲の片付けをします……。
精霊魔法で綺麗に出来ますから…… 」
マオ
「 有り難な、ベレティナ。
頼むよ 」
惷麗
「 僕は使える御札を増やしとく。
形代も用意しとくか──。
赤字だな 」
マオ
「 シュンシュン、道具は持ってるのか?
≪ エルゼシア大陸 ≫は≪ 日本国 ≫と違うから材料とかどうするんだ? 」
惷麗
「 おぃおぃ、僕はプロだぞ。
有る物を代用するのさ。
臨機応変に対応の出来ない陰陽師は三流以下だからな!
その辺の石ころや布切れを上手く扱えないと “ プロ ” とは名乗れないな 」
マオ
「 御札に頼る召喚術師ってなぁ…… 」
惷麗
「 言ってろ。
御札セットを用意するから持ってろ。
備え有ればだ 」
マオ
「 シュンシュン!
有り難な 」
惷麗
「 マオに何か有って、≪ キノコンタウン ≫行きになるのは御免だからな! 」
マオ
「 そうだな~~。
それでも有り難な 」
オレはアベルに手伝ってもらって、手軽に食べれる料理を作る。
アベルは料理に慣れているのか、手際が良くて助かる。
マオ
「 アベルは包丁の扱いが上手いな。
綺麗に切れてるし、丁寧に切ってくれるから助かるよ 」
アノスベルド
「 キノコンに教わったんだよ。
味付けは分からないけど、野菜を切るくらいなら出来る様になったんだ(////)
マオ兄さんの役に立てれて嬉しいな(////)」
マオ
「 これからは2人で調理しようか。
オレに分かる範囲の事なら教えれるし 」
アノスベルド
「 うん!
マオ兄さんと一緒に調理するよ!
( やったぁ(////)
マオ様と一緒に調理──、共同作業だ(////)
嬉しいな♥️ )」
アベルが手伝ってくれた事も有り、調理は予想以上に捗った。
調理を切り上げた頃には、ベレティナが後片付けを終わらせてくれていた。
シュンシュンは未だテントの中で御札や形代を作っているみたいだ。
地震で台無しになってしまった料理の代わりに、肉を挟んで作ったサンドイッチを皆で分けて食べてから、明日に備えて就寝した。
◎ 訂正しました。
≪ ダンジョン ≫中 ─→ ≪ ダンジョン ≫の中
皆が無事で良かったよ 」─→ 皆が無事で良かった 」
“ プロ ” とはいえ名乗れないな 」─→ “ プロ ” とは名乗れないな 」




