✒ 惷麗の秘め事 3
──*──*──*── 翌日
──*──*──*── 宿屋
──*──*──*── 宿泊室
???
「 …………………………………うぅ……………頭が………………痛いぃ~~~~ 」
ショウレイ
「 御早う、ハイデス──。
やっぱり二日酔いになったな 」
ハイデス
「 ………………うぅ゛……………そうみたい………………です…… 」
ショウレイ
「 ほら、二日酔いに効く薬だ。
飲んどけ 」
ハイデス
「 有り難う御座います……。
エバンスさん…(////)」
ショウレイ:エバンス
「 着替えたら朝食に行くぞ 」
ハイデス
「 は…はい…(////)
お…おの…………オレ…………エバンスさんと……寝ちゃった…………んですか?(////)」
ショウレイ:エバンス
「 うん?
──さぁね。
ハイデスの想像にお任せしようか? 」
ハイデス
「 えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?
( “ 否定しない ” って事はもしかして──??
よ…漸く?? )」
ハイデスは嬉しそうに赤らめながら緩めている。
何故ならば、ベットに入って寝ていた自分は寝間着の類いを着ていない状態だし、自分の右側に居るエバンスも寝間着の類いを着ていないからだ。
同じベットの中に想い人と全裸の状態で寝ていた──という現状を見る限り、期待しない者は居ないだろう。
ハイデス
「( …………やっと??
エバンスさんがオレの気持ちに応えてくれた??
でも………………オレ…何も覚えてないっ!!
折角、エバンスさんと繋がれたかも知れないのにぃ~~!! )」
ショウレイ:エバンス
「 ハイデスはキス魔なんだな。
痕を隠さないと何を言われるかだ 」
ショウレイ──エバンスは両手で髪を掻き毟っているハイデスを見ながらニヤリと笑う。
ハイデス
「 ──っ?!
キス魔って──オレ…………エバンスさんにキスしたんですか? 」
ショウレイ:エバンス
「 擽ったかったよ 」
エバンスはクスリと笑うと、赤く染まっている痕を指で差して見せる。
エバンスの首筋,首元,胸には確かに生々しい赤い痕が残っている。
ショウレイ:エバンス
「 誰かさんの熱烈な口付けのお蔭 で内出血してるな~~ 」
ハイデス
「 うぅ…………何か済みません……。
オレ……何も覚えてなくて………… 」
ショウレイ:エバンス
「 だろうな。
二日酔いする程飲んでたんだ。
気にする事は無いさ。
オレも久し振りに人肌を感じれたし── 」
ハイデス
「 久し振りに…………ですか?
えと…………それって……オレ以外とも……有るって事………………ですか? 」
ショウレイ:エバンス
「 はははっ、冒険者だからな! 」
ハイデス
「 エバンスさん──。
…………これからは……オレだけにしてくださいよ……。
他の男となんて……………… 」
ショウレイ:エバンス
「 女相手には出来ないだろ。
避妊薬なんて有って無い様なもんだからな。
孕まれたりでもしても困る。
子宮と卵巣を持ってない男を相手にする方が、間違いも起き難いんだ 」
ハイデス
「 それは……そうですけど………… 」
ショウレイ:エバンス
「 女は恐いぞ、ハイデス。
避妊薬だと嘘を吐いて妊娠薬を飲みやがる女狐が居るんだ。
『 避妊薬を飲むから── 』なんて言葉を信じない方が良いぞ。
気に入った男を逃さない為なら平然と汚ない手も使う逞しい女が多いんだ。
結婚して身を固める覚悟が出来る迄、安易に女で遊ぶのは止めとけ 」
ハイデス
「 …………冒険者の女性って恐いですね…… 」
ショウレイ:エバンス
「 堕胎剤を飲ませて、胎児を堕ろさせる訳にもいかないからな。
腹に命を宿した母親に子殺しなんてさせられないだろ 」
ハイデス
「 そ…そうですよね……。
出すだけなら1人でも出来ますし……。
不幸な目に遭う子供……胎児を増やしたら駄目ですよね! 」
ショウレイ:エバンス
「 男が男を相手にして事を済ませる──って事はだ、望まない妊娠をして人生が一変してしまう不幸な女や望まれないで産まれてくる子供を増やさない事にも繋がるのさ。
望んで産まれた子供ですら、親に虐待されて死んでしまう不幸なケースだって多いんだ。
望まれないで産まれた子供が不幸な目に遭う未来は目に見えてるからな。
逞しく生き残り、幸せを掴める子供は極僅かさ 」
ハイデス
「 そう…ですよね……。
…………オレは……幸運でした……。
《 冒険者ギルド 》で保護してもらえなかったら、どんな人生を送っていた事か…… 」
ショウレイ:エバンス
「 なら、今日も確り《 冒険者ギルド 》から受けた恩に報いないとな!
元気に働くハイデスの姿を励みに頑張れる冒険者,安心する冒険者も居るだろう 」
ハイデス
「 そうですね(////)
年配の冒険者さん達には随分と可愛がってもらいましたからね(////)
冒険者を引退しても態々顔を見に来てくれる方も居ますし── 」
ショウレイ:エバンス
「 さてと、着替えも済んだし[ 食堂 ]に行くか 」
ハイデス
「 はい!
今日も1日、元気に働いて来ます!! 」
ショウレイ:エバンス
「 張り切り過ぎて腰を痛めるなよ 」
ハイデス
「 は…はい(////)」
エバンスはハイデスと共に[ 宿泊室 ]を出ると、廊下を歩いて1階へ続く階段を下りた。




