⭕ 装備を整えよう 1
──*──*──*── 武器屋
マオ
「 次は武器だな。
召喚術士なら杖かな?
店員さんに聞いてみよう 」
惷麗
「 僕が持ってる魔法のステッキじゃ駄目なのかよ? 」
マオ
「 それって打撃力が無いし、壊れ易いだろ。
武器として使える杖はちゃんと打撃力が有って壊れ難いんだ 」
惷麗
「 パッとしない武器しか無さそうだな…… 」
オレは店員さんに召喚術士専用の武器の場所を教えてもらった。
やっぱり召喚術士専用の武器は値段が張る。
色んな長さの杖が有って、デザインも結構あるから見てるだけでも楽しいんだけど、シュンシュンの目に叶うデザインの杖は無いみたいだ。
惷麗
「 …………………………これにするかな 」
マオ
「 また1番高いのを選んだな 」
惷麗
「 見ろよ、これを!
棒の所を回すと下から鋭い刃が出て来るんだぞ! 」
マオ
「 仕込み杖かよ。
手が込んでるな。
まるで刃を出し入れ出来る槍みたいだ。
うん?
このボッチは何だ? 」
惷麗
「 おい、刃の先に穴が空いてるぞ!
何の穴だよ? 」
マオ
「 レジで店員さんに聞いてみよう。
値段は高いけど、セロから渡された銭袋が有るから余裕で買えるよ 」
惷麗
「 セロフィートはマオに激甘だよな。
僕にも専用の銭袋をくれたら良かったのに!
差別じゃないか? 」
マオ
「 信頼度の問題だろ。
シュンシュンに銭袋を渡したら無駄遣いするだろが。
レジで会計しよう 」
オレはシュンシュンと一緒にレジへ歩く。
1番高額な召喚術士専用の杖を買うから、店員さんに目を丸くして驚かれた。
忘れず仕込まれた刃の先に空いてる穴やボッチの事を聞いたら、丁寧に教えてくれた。
オレは直ぐ様現金で支払いを済ませる。
その時に仕込み杖の中に入れる毒袋を貰った。
ボッチを押すと刃の穴から毒を出す事が出来る杖らしい。
惷麗
「 叩くだけじゃなくて、突き刺す事も出来るのか。
然も刺した敵の体内に毒の注入まで出来るなんて、大した杖だな! 」
マオ
「 戦闘向きの杖を買えて良かったな。
次は装備専用の装飾品を扱う《 装備屋 》だな。
その後に《 道具屋 》だ。
行こう 」
惷麗
「 装飾品なんて要るのか? 」
マオ
「 武器,防具を傷み難くしたり、壊れ難くする補助具だと思えば良いよ。
武器,防具に附与が出来ない代わりに、装飾品には色んな効果を附与する事が出来るんだ 」
惷麗
「 附与だって?
ファンタジー設定で良く有るヤツだな! 」
マオ
「 まぁな…… 」
《 武器屋 》を出たら次の目的地、《 装飾屋 》へ向かって歩く。
──*──*──*── 装飾屋
マオ
「 色んな種類の装飾品が有るから、先ずは着けても邪魔にならない種類の装飾品を探そう。
その後で附与のされている魔鉱石を見よう。
魔鉱石を選んだら、装飾品に埋め込んでもらうんだ 」
惷麗
「 何だよ、装飾品に附与されてる訳じゃないのかよ? 」
マオ
「 昔はそうだったみたいだけど、今は違うみたいだな。
気に入った装飾品に好きな附与のされてる魔鉱石を後から嵌め込んでもらった装飾品を買うのが一般的みたいかな。
その方が選択肢が増えるし、オーダーメイドっぽいだろ 」
惷麗
「 ふぅん?
さて──、どんな装飾品が有るんだ? 」
棚に悩んでいる装飾品は種類別に置かれているみたいだ。
マオ
「 無難なのは腕輪,指輪かな?
首飾りもあるし、足輪も有るな 」
惷麗
「 装飾品は幾つでも良いのか? 」
マオ
「 構わないよ。
気に入った装飾品は、店員さんに言えばキープしてもらえるよ 」
惷麗
「 僕は先に附与のされてる魔鉱石ってのを見てみたいな 」
マオ
「 じゃあ、店員さんに見せてもらう 」
店内に居る店員さんに声を掛けて、先に附与の附与が施されている魔鉱石を見せてもらえないか聞いてみた。
店員さんは魔鉱石の入っている箱を持って来てくれた。
マオ
「 加工済みだから小さいんだ。
どうだよ、まるで宝石みたいで綺麗だろ 」
惷麗
「 確かに綺麗なのは認める。
色んな色が有ってカラフルだな。
宝石より高いのか? 」
マオ
「 附与の種類に依るかな。
魔鉱石もそこそこの値段はするけど、宝石程ではないかな。
どんな附与がされるかで、宝石よりも値段が高くなる場合は有るよ。
因みに宝石には附与が出来ないんだ 」
惷麗
「 ふぅん?
宝石は一般人向け,魔鉱石は冒険者向けって感じなのか? 」
マオ
「 そうだな。
附与された魔鉱石を欲しがる一般人なんて、先ず居ないからな。
怪物狩りもしないのに、魔鉱石を欲しがる一般人が居たら、“ 変わり者だ ” って指を差されて笑い者だろうな 」
惷麗
「 ふぅん──。
魔鉱石ってのは世俗には出回らないのか……。
…………………………………………迷うな。
武器,防具を傷み難くしたり、壊れ難く出来る附与が有るんだよな? 」
マオ
「 それなら武器強化の附与と防具強化の附与だな。
強化させると丈夫になって耐久性も上げる事が出来るから、長持ちするんだ。
人気が有って重宝される代表的な附与だな。
後は──、重量軽減の附与も欲しいな。
それと── 」
惷麗
「 お前が1番楽しんでるな……。
此方はマオに任せる!
僕には分からないから 」
マオ
「 防御力上昇の附与,攻撃力上昇の附与,素早さ上昇の附与,歩数上昇の附与,体力回復上昇の附与,疲労回復上昇の附与,状態異常軽減の附与,物理ダメージ軽減の附与,魔法ダメージ軽減の附与── 」
惷麗
「 おい、マオ──。
一体幾つの魔鉱石を選ぶつもりだよ? 」
マオ
「 う~~ん…………。
まぁ、取り敢えずはこんなもんかな?
よし、装飾品を選ぼう!
武器強化の附与,防具強化の附与,重量軽減の附与で1つ。
防御力上昇の附与,攻撃力上昇の附与で1つ。
素早さ上昇の附与,歩数上昇の附与で1つ。
体力回復上昇の附与,疲労回復上昇の附与,状態異常軽減の附与で1つ。
物理ダメージ軽減の附与,魔法ダメージ軽減の附与で1つ。
装飾品は5つだな!
シュンシュン、5つで良いかな? 」
惷麗
「 好きにしてくれ…… 」
マオ
「 そうか?
じゃあ──、武器強化の附与,防具強化の附与,重量軽減の附与を嵌め込むのは腕輪だな。
体力回復上昇の附与,疲労回復上昇の附与,状態異常軽減の附与を嵌め込むのも腕輪にしよう。
防御力上昇の附与,攻撃力上昇の附与を嵌め込むのは指輪かな。
物理ダメージ軽減の附与,魔法ダメージ軽減の附与を嵌め込むのも指輪にしよう。
素早さ上昇の附与,歩数上昇の附与を嵌め込むのは足輪だな。
腕輪は2つだから、左右に分けて着けよう。
指輪も2つ有るから、左右に分けて着けようか 」
惷麗
「 マオに任せるよ 」
マオ
「 そうか?
じゃあ──、武器強化の附与,防具強化の附与,重量軽減の附与を嵌め込んだ腕輪は右腕。
体力回復上昇の附与,疲労回復上昇の附与,状態異常軽減の附与を嵌め込んだ腕輪は左腕。
防御力上昇の附与,攻撃力上昇の附与を嵌め込んだ指輪は右指。
物理ダメージ軽減の附与,魔法ダメージ軽減の附与を嵌め込んだ指輪は左指にしよう。
シュンシュン、腕輪2つ,指輪2つ,足輪1つを選んでくれるか?
シュンシュンの好きなデザインで良いよ 」
惷麗
「( まるで貢ぐ君だな……。
1番の無駄遣い野郎は明らかにマオだろう! )」
マオ
「 シュンシュン、早く選べよ 」
惷麗
「 分かった分かった。
選んでやるから待ってろ 」
シュンシュンは色んな種類の装飾品から気に入るデザインの装飾品を探してくれている。
その間にオレは店員さんに選んだ魔鉱石の合計金額を算出してもらう。
附与された魔鉱石の値段に装飾品の値段を足した金額が、支払う額になる様だ。
装飾品に附与された魔鉱石を嵌め込むのはサービスでしてもらえるみたいだから有り難いな。
惷麗
「 マオ──、選んできたぞ。
腕輪2つ,指輪2つ,足輪1つだったよな。
何処を見ても嵌め込む穴が見当たらないが──良いのか? 」
マオ
「 装飾品に魔鉱石を嵌め込む作業は職人さんの仕事なんだ。
職人さんのセンスに “ お任せ ” でも良いし、何処に嵌め込みたいか希望が有るならデザイン用紙に印をするんだ。
希望が有る場合はデザイン用紙代も加算されるんだ。
シュンシュンは希望とか有るか? 」
惷麗
「 初めての事ばかりなんだぞ。
希望を出せとか言われてもな…… 」
マオ
「 シュンシュンが身に付ける装飾品だから、魔鉱石の色を見ながら考えてみたらどうだ?
こういう経験も冒険者の醍醐味だぞ 」
惷麗
「 分かったよ、そうプッシュするなよ。
そうなると使うデザイン用紙は5枚だよな?
支払いは大丈夫なのかよ? 」
マオ
「 シュンシュンは心配しなくて良いよ。
大事な仲間の必要な買い物なんだから、ケチる訳にはいかないだろ。
兄さんに、ドドンと任せとけ! 」
惷麗
「 とんだカモネギに化けたもんだな!
なら、遠慮しないぞ?
兄さん♥ 」
店員さんが、5枚のデザイン用紙を出してくれる。
シュンシュンが選んだ腕輪,指輪,足輪と同じデザイン用紙がテーブルの上に出された。
◎ 訂正しました。
店員さんは目を丸くして ─→ 店員さんに目を丸くして
仕込み杖の中に入れる ─→ 仕込み杖の中に入れる
然も ─→ 然も
箱を持ってきてくれた。─→ 箱を持って来てくれた。
まるで貢ぐ君─→ まるで貢ぐ君
値段を足した金額が、─→ 値段を足した金額が、