✒ 惷麗の秘め事 2
???
「 お前さぁ、分かってんのか? 」
???
「 何がですか、先輩 」
先輩
「 すっとぼけた様な顔すんなよ。
相手は女……じゃないんだろ?
アレだろ、アレ── 」
???
「 アレじゃ分かりませんよ…… 」
先輩
「 ほらっ、俺が言いたいのはだな──アレだよ! 」
???
「 だから、何ですか?
何時もみたいにハッキリ言ってくださいよ 」
先輩
「 ………………………………付いてるんだろ。
………………………………付いてる奴なんだろ?
………………………………付いてる──(////)」
???
「 …………何で先輩が顔を赤らめてるんですか!
それ、本当ならオレの方ですからね! 」
先輩
「 だってよぉ~~~~。
手塩に育ててる可愛い後輩がだぞ、『 気になる相手が出来ました 』って言われたら、嬉しいじゃないかよ!
俺はな、同僚達に報告までして酒を奢ったんだぞ!
“ めでたい ” と思ったからだぞ 」
後輩
「 何で勝手に言いふらしてくれてるんですか、先輩!
酒のツマミにしないでくださいよ…… 」
先輩
「 それだけ嬉しかったんだよ!
先輩心を分かれよ。
お前にだって後輩が出来たら、俺の気持ちが解る時が来るさ! 」
後輩
「 ………………オレは同僚に言いふらしたりはしませんけどね 」
先輩
「 根に持つなって。
済んだ事なんだから、笑って許せよ★ 」
後輩
「 …………今後は相談する相手を変えようと思います… 」
先輩
「 ちょ、待てって!
悪かったよ。
この通~~り、謝るから今回だけは大目に見てくれって──な? 」
後輩
「 はぁ…………仕方無い先輩ですね…。
今回こっきりですからね! 」
先輩
「 サンキュー。
それでだ──普通はさ、相手は “ 女だ ” って思うだろ?
なのに何で、お前は──態々付いてる奴なんかを── 」
後輩
「 異性じゃなくて同性なのが気に食わないんですか? 」
先輩
「 だってよぉ──。
お前、女にモテるじゃん 」
後輩
「 ………………そうですね。
有り難い事に、そこそこ……モテますけど…… 」
先輩
「 そうだろ!
異性に──、女にモテるってのにだぞ『 何で男に向かって走るんだよっ!! 』って事を言いたいんだ!
女の何が不安なんだ?
女の方がサイコーだろ!
お前とベッドインしたくて擦り寄って来る女を無視して、何で男に走るんだ!!
女にしとけよ、胸あるし!
太股や尻は柔らかいし、抱き心地も良いし── 」
後輩
「 …………………………パフパフしてもらえるし──ですか? 」
先輩
「 そうだよ!
パフパフだよっ!!
男の浪漫だろ♥
豊満で弾力が有って柔らかい胸や太股に顔を挟ましてくれて、パフパフ癒してくれる天使ちゃんは、女だけなんだよ!!
男の平らな胸板でパフパフは出来ないんだ!
男の柔らかみの無い太股に顔を挟んでパフパフなんて出来ないだろ。
イチモツが頭に当たって気持ち悪いだろ!!
頼むから、目覚めないでくれ!! 」
後輩
「 先輩……落ち着いてくださいよ!
先輩の発言、ギリギリアウトですよ!
恥ずかしいですから、少し声の音量を下げて話しましょうよ… 」
先輩
「 恥ずかしくない!
何も恥ずかしい話しなんてしてないだろ!
俺は男の浪漫について語ってるんだよ 」
後輩
「 ………………先輩……パフパフは素面で語る内容じゃないと思います…… 」
先輩
「 なぁ、女にしとけって。
女には困って無いんだろ?
だったら、女で良いじゃないかよ 」
後輩
「 ………………オレを慕ってもらえるのは嬉しいですよ。
でも……だからと言って…………彼女達に望まない妊娠なんてさせたくないじゃないですか…。
彼女達にだって、大きく羽ばたく可能性が有るんですよ。
身籠ってしまったら……叶えたい夢を諦める事になりますよ!
子育てに追われて、羽ばたく事だって難しくなります…… 」
先輩
「 はぁ??
お前の子供が欲しくて寄って来てるんだぞ。
産ませてやれば良いじゃないか。
結婚しないで嫁と子供の居る冒険者なんて幾らでも── 」
後輩
「 そんな不誠実な関係に女性となるなんて嫌ですよ…… 」
先輩
「 はぁぁぁぁぁあ??
男に目覚める方が、よっぽど不誠実だろうがっ!! 」
後輩
「 僕は目覚める気なんて欠片も無いんですけどね……。
彼は……━━━━さんは、僕の恩人なんですよ。
“ 恩人と親しくなりたい ” って思うのが、そんなに悪い事なんですか?
オレは唯──、━━━━さんと仲良くなって食事をしたり、遊びに出掛けたり──して、楽しい時間を共に過ごしたりして──(////)
こ…恋人とか……そんな深い関係になる事は別に求めてなくて──(////)」
先輩
「 頼むから、目覚めないでくれぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!
俺が義妹に殺されるぅぅぅぅぅぅぅ~~~~!! 」
後輩
「 何で其処で先輩の義妹さんが出て来るんですか!? 」
???
「 ( あの後、先輩を宥めるのに一晩も掛かったんだよな……。
義妹さんにベタ惚れ過保護な先輩って面倒この上なかった── )」
ショウレイ
「 あ、やっと起きた。
少し飲み過ぎたんじゃないか?
そろそろ止めないと明日に響くぞぉ~~ 」
???
「 ━━━━さん??
…………………………オレ、もしかして寝てました?? 」
ショウレイ
「 30分くらいな 」
???
「 ………………………………夢を見てたんだ…… 」
ショウレイ
「 へぇ?
オレが隣に居るのに誰の夢を見てたんだ?
妬けるなぁ~~ 」
???
「 なっ……(////)
からかわないでくださいよ!
………………義妹に過保護な先輩を宥めてた時の夢ですよ… 」
ショウレイ
「 へぇ?
それは詳しく聞きたいな。
先輩とは仲良いのかな? 」
???
「 そんなに仲が良い訳じゃ……(////)
それより、━━━━さんの冒険者話を聞かせてください。
もっと━━━━さんの話を聞きたいです。
………………オレ、━━━━と仲良くなりたい……ですし(////)」
ショウレイ
「 あれ?
仲良しだって思ってたの、オレだけって事?
傷付くなぁ~~。
とっくの昔に “ 友達 ” になってると思ってたのに── 」
???
「 えっ??
それ…………本当ですか?? 」
ショウレイ
「 おいおい──。
嘘を言ったりして、オレに何のメリットが有るんだ?
大分、酔ってるみたいだなぁ~~ 」
ショウレイは悪戯っ子みたいにニカッと笑う。
???
「 ━━━━さん!
その笑い方は狡いですからね!(////)」
ショウレイと向き合う様に座る人物は顔を赤らめながら言う。
どうやらショウレイに気が有るらしい??
ショウレイは満更でもない顔をして、人物をからかうのだった。




