⭕ ダンジョン攻略 3
──*──*──*── ダンジョン
惷麗
「 おぉ~~!
これがリアルな《 ダンジョン 》の中なんだな! 」
アノスベルド
「 へぇ~~。
意外と綺麗なんですね 」
プディ
「 ぷてぃ~~!
ぷてぃぷてぃ♪ 」
惷麗
「 おい、見ろよ!
これって結晶じゃないのか?
くっはぁ~~~~。
綺麗じゃないかよ!
下に転がってるキラキラしてるのは宝石か? 」
マオ
「 初っぱなから《 ダンジョン 》の巧妙な策略に引っ掛かってるしぃ~~ 」
アノスベルド
「 どういう事なの、マオ兄さん 」
マオ
「 結晶も宝石も《 ダンジョン 》を出ると塵と化すんだ。
持ち出せないから、欲張って取らない様にな──って、言ってる傍から取ってるしぃ~~ 」
アノスベルド
「 “ 持ち出せない ” って事は、現金に出来ないって事なんだ?
じゃあ、集めるだけ無駄なんだね 」
アベルは冷ややかな目で、結晶や小粒の宝石を拾っているシュンシュンを見詰めている。
惷麗
「 良いだろ、別にぃ!!
懐に入れたい男の浪漫なんだよ! 」
アノスベルド
「 今は女だよね…… 」
マオ
「 余計な荷物を増やさない!
本物は重たいからな!
下に置いて先に進むぞ 」
惷麗
「 分かったよ。
さよなら、お宝ちゃん達── 」
マオ
「 シュンシュン……ポケットに入れたのも出せよ 」
惷麗
「 ……………………分かってるよ… 」
シュンシュンは舌打ちしながら、拾った結晶や宝石を地面に落とす。
バラバラと大量の結晶と宝石が地面に戻された。
全くもぅ、どんだけ拾ってんだか──。
マオ
「 魔物は地下1階から出現するんだ。
1階は最初の安全地帯だから、地下へ下りる前に準備の最終チェックをしよう 」
惷麗
「 必要ないだろ 」
マオ
「 シュンシュン、最終チェックは大事だぞ。
地下へ下りたら1階に通じる階段は消える。
自力で地下5階へ下りないと此処へは戻れないんだ 」
アノスベルド
「 そうなんですね。
他にも安全地帯は在るんですか? 」
マオ
「 敬語になってるぞ、アベル。
安全地帯は5階毎に用意されてるんだ。
階層の全てが安全地帯になってる訳じゃなくて、1部だけが安全地帯なんだ。
5階層毎に中ボスが居て、中ボスを倒さないと安全地帯を利用する事は出来ない。
此処に戻る魔法陣も安全地帯に在るんだぞ 」
アノスベルド
「 えぇ~~~~。
中ボスを倒さないと駄目なんだ…… 」
惷麗
「 鬼畜な《 ダンジョン 》だな 」
マオ
「 中ボスを倒さないと利用が出来ない安全地帯しか無いから、一休みする場所を探すのも一苦労で── 」
惷麗
「 そんなの僕達には不要だろ。
式神や死乃人に番をさせれば良いんだからさ 」
マオ
「 まぁな~~ 」
そんな訳で、他愛無い雑談をしながら荷物の最終確認を終えたオレ達は地下1階へ下りる事にした。
──*──*──*── 地下1階
先に進んでいると魔物と遭遇する。
次々と遭遇する色んな魔物を倒しながら、地下を目指して進む。
シュンシュンとアベルに対して魔物は楽勝みたいだ。
頼もしい限りだけど、地下へ下りる程、遭遇する魔物は強くなって行く。
≪ エルゼシア大陸 ≫には、ゲームの世界みたいなLVは無いし、ステータスなんてのも無いから、魔物の強さを見れないのは不便だよな。
シュンシュンは召喚した死乃人に魔物を倒せているから、暢気に欠伸なんかして余裕綽々だ。
その余裕が何時まで続くやらだ。
◎ 訂正しました。
地下へ下りる前─→ 地下へ下りる前




