⭕ ランク昇格
──*──*──*── 3週間後
──*──*──*── ゼシュカノ村
──*──*──*── 冒険者ギルド
──*──*──*── 受付カウンター
受付嬢
「 ──おめでとう御座います!
シュンレイさんはCランクに昇格されました!
Cランク冒険者は《 ダンジョン 》へ入る事が許可されます 」
マオ
「 良かったな、シュンシュン 」
惷麗
「 やっとか。
長い3週間だった 」
マオ
「 シュンシュンは “ 見ぃてぇたぁだぁけぇ~~ ” だけどな! 」
惷麗
「 フフン♪
戦闘中の傍観は召喚術士の特権だからな★ 」
受付嬢
「 アノスベルドさんのランクもCランクに昇格です。
おめでとう御座います! 」
アノスベルド
「 有り難う御座います 」
受付嬢
「 は、はぃ~~(////)
どう致しましてぇ……(////)」
惷麗
「 アノスは女ったらしだな 」
マオ
「 絶世の美形だから仕方無いよ…… 」
惷麗
「{ 腐っても吸血鬼だな。
魅了でも使ってるんじゃないのか? }」
マオ
「{ シュンシュン、言い方ぁ~~。
アベルは腐ってないだろ }
しっかし、何でオレの周りってシュンシュン以外は美形ばっかなんだ…… 」
惷麗
「 コラ、“ シュンシュン以外 ” って何だよ。
僕だって大人の姿になったら超絶絶世の美形男子だぞ! 」
マオ
「 超絶絶世の美形男子ってのは、セロの為に有る様な言葉だぞ。
超絶は却下な 」
アノスベルド
「 これで僕も一緒に《 ダンジョン 》へ入れますね♪ 」
惷麗
「 そのキラキラ笑顔を此方に向けるんじゃない!
眩くて目が腐るだろが! 」
マオ
「 腐らないだろ…… 」
アノスベルドと使い魔のプディが頼もしい助っ人に入ってくれた事もあり、シュンシュンのランク昇格を早める事が出来た。
1000年を生きた吸血鬼は成長の調整が自在に出来る様になるらしく、アノスベルドには17歳の青年に成長した容姿で冒険者登録を済ませてもらった。
とはいえ、成人前の10歳だから成長した姿は24時間分しか維持が出来ないらしい。
そんな訳でアノスベルドには《 冒険者ギルド 》に入る時だけ成長してもらっている。
便利な能力だと思う。
オレも使えたらな……。
マオ
「 さてと──、Cランク冒険者になった事だし、《 ダンジョン 》に行ってみるか? 」
惷麗
「 当然だろ!
その為にCランクになったんだからな! 」
アノスベルド
「 楽しみです!
《 ダンジョン 》は地下何階まで在るんですか? 」
マオ
「 階層の深さは《 ダンジョン 》に依って違うんだよな。
アベル、ちょこちょこ敬語になってるぞ 」
アノスベルド
「 あっ──。
中々直せないですね(////)」
惷麗
「 僕には遠慮無くタメ口なのにな! 」
アノスベルド
「 惷麗は主人じゃないし 」
惷麗
「 生意気な奴! 」
マオ
「 シュンシュン……。
自分を棚上げして言うなよ。
じゃあ、≪ 村 ≫から1番近い《 ダンジョン 》へ行こうか 」
アノスベルド
「 はい! 」
惷麗
「 《 ダンジョン 》で魔物類を倒しても冒険者ランクは上がるんだよな? 」
マオ
「 冒険者ランクを上げるには出来る限り、純度の高い魔石を集める事かな。
純度の高い魔石の重さに比例するんだ。
純度の低い魔石が軽いって訳じゃなくて、“ 純度 ” は《 冒険者ギルド 》に配属されている魔石専門の純度鑑定士の鑑定書を基準にして評価されるんだ 」
惷麗
「 純度だぁ?
初耳だぞ!
高純度の魔石なのか素人には判断が難しいって事かよ? 」
マオ
「 難しいんじゃなくて出来ないんだよ。
魔石専門の純度鑑定士じゃないと判断が出来ないんだ。
魔石専門の純度鑑定士に対する待遇は良いし、給料も良いから賄賂を送ってズルしようとすると逆にチクられて《 冒険者ギルド 》から、マイバイ証を没収されて、1年間の出禁を食らう事になるんだ。
マイバイ証を没収されてる間は冒険者としての活動を一切出来なくなる。
仮に魔石専門の純度鑑定士が賄賂を受け取って不正をしたら──、加担した冒険者パーティ諸とも≪ 王都 ≫に連行されて公開処刑されるんだ。
魔石専門の純度鑑定士は稀少な存在だけど、信頼を裏切る不公平で不誠実な魔石専門の純度鑑定士は必要とされないんだ 」
アノスベルド
「 厳しい処罰ですね…… 」
マオ
「 “ 信頼を裏切る ” ってのは、命を以て償うくらい “ 重罪 ” って事だよ。
魔石には王族が関わってるからな。
王族を騙す事になるし、王族の信頼を裏切る行為だから “ 国家反逆罪 ” になっちゃうんだ。
誕生日プレゼントっていう名目で、最終的にはオレに献上される訳だし。
高純度の魔石を散りばめたオルゴールに使われている魔石に少しでも低純度の魔石が混ざっていたら──── 」
惷麗
「 そりゃ、大事件になるよな。
鑑定した魔石専門の純度鑑定士と冒険者パーティは即死刑だな! 」
マオ
「 簡単に処刑になんてされないよ。
セロが黙って無いからな。
オレに贈られたオルゴールは、セロの抜き打ちチェックを見事に合格したから、オレの手元に有るんだ 」
アノスベルド
「 流石セロフィート様です!
マオ様には本物しか贈られない様になっているんですね! 」
マオ
「 まぁ……そうだな。
ははは………… 」
惷麗
「 いい加減に慣れろよ、皇子様! 」
マオ
「 “ 皇子様 ” は余計だからな!
オレはセロだけの守護衛士のマオ・ユーグナルとして生きていたいんだからさ! 」
惷麗
「 世界一──いや、地球一贅沢な我が儘だな! 」
アノスベルド
「 次元の違う盛大な我が儘ですね♪ 」
マオ
「 ははは…………」
オレ達は一通り喋ったら《 冒険者ギルド 》を出て、正門を目指して移動した。
◎ 訂正しました。
コラ、“ 僕意外 ” って ─→ コラ、“ シュンシュン以外 ” って
高純度の魔石を散りばめられた ─→ 高純度の魔石を散りばめた




