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☀「 セロ 」もしも、霄囹がマオと一緒に冒険者をしたら……。  作者: 雪*苺
一一日目 【 すてる人・ひろう人 】
25/49

⭕ 助っ人 4


 オレの知らないあいだに勝手にオレの眷属となっていた吸血鬼ヴァンパイアのアノスベルドの使い魔──鮮血の(ブラッディ)スライムのプディは、オレ達に絡んでこうわるい冒険者パーティの4にんぐみに体当たりをいた。

 スライムの “ 体当たり ” って全然いたそうに見えないんだよな~~。


 なんかぁ~~見ていて “ 微笑ましい ” って感じだ。

 きっとプディが可愛い所為だな。

 絶対そうに違いない。


 冒険者達もプディから体当たりをらっても平然としてるし、やっぱりたいしたダメージを与える事は出来なさそうだ。

 スライムって軽そうだもんな。

 1度、体重計でプディの重さを測ってみたい。


 プディはなんなんも冒険者達に体当たりをらわせる。

 必死なプディの姿が可愛くて見ているオレは癒されてしまう。

 スライム──いなぁ~~~~、オレも欲しい!!


 そのうち、プディは冒険者達につかまってしまった!

 オレはハラハラしながら「 プディ!! 」って名前を呼んだってのに、シュンシュンとアノスベルドは平然としている。

 シュンシュンは野次馬みたいに面白そうに笑って見ているし──、アノスベルドに関しては左親指を下にして首の前で左側に引く仕草をしている。


 ぶんプディへの合図なんだろうけど、御世辞にもじょうひんな合図とは思えない。

 使い魔に物騒な合図を送るなんて、あなどれない10歳だな。

 最低でも1000年はきてる10歳だけどな~~。


 主人あるじであるアノスベルドからの合図を理解したのかプディのからだいろあかいろから更に濃いあかいろに変わったように見えた。

 その途端、プディのからだからドスぐろ魔法マジカルサークルが浮かび上がった。


マオ

「 あれって── 」


惷麗

「 陰陽陣だな。

  アノスが言ってたろ、げんがプディにやみじゅじゅつほどこした──ってな。

  発動したんだろうよ 」


 シュンシュンはニヤニヤしながら様子を見ている。

 冒険者達は陰陽師を知らないし、陰陽術も陰陽陣も知らない。

 しつの無い〈 ノマ 〉はりきを授からないから、魔法マジカルサークルは見えないんだけど、陰陽陣は見えるから驚いてるみたいだ。


 〈 ノマ 〉にも見えるドスぐろくてヤバな陰陽陣を冒険者達は魔法マジカルサークルだと思っているだろうし、見えているのか分からなくて困惑しているみたいだ。

 原因が分からないんだから顔が恐怖にゆがんでもと思う。


 陰陽陣からはくろすうの手が伸びていて、冒険者達の身体からだを掴んでいる。

 プディが冒険者達から離れると、ドスぐろい陰陽陣が巨大化して黒い手に掴まれた冒険者達が引きり込まれて行く。

 陰陽陣の先がつながっているのか分からないけど──、もしかしたらげんさんの《 実験室 》かも知れない。


マオ

「 ……………………1人残らず陰陽陣に取り込まれちゃったな 」


 4めいの冒険者を取り込んだ陰陽陣は消えてしまって、プディがピョンピョンと上下に飛び跳ねながらプルンプルンとからだを揺らしている。

 なんだろう──、ほんにゼリーに見えてた。

 キャラメルゼリーでも作ろうかな?






マオ

「 それにしても陰陽陣だったな。

  あの黒いすうの手からは逃げられそうにない気がするよ 」


惷麗

「 アノス──。

  マオはセロフィートのだからな。

  くれ(ぐれ)もセロフィートの前で “ 僕の ” なんて絶対に言うなよ。

  〈 (原質)(みなもと) 〉に変換されるぞ 」


アノスベルド

「 あっ──!

  御免なさい、マオ様…… 」


マオ

「 今回だけな。

  でセロが聞いてるか分からないから、今から気を付けたほういよ。

  折角アベルと仲良くなれたのに〈 (原質)(みなもと) 〉に変換されて “ さよなら ” はしたくないからな 」


アノスベルド

「 はい(////)」


惷麗

「( げんの奴──、とんでもない陰陽陣をほどこしやがった。

   やっぱりげんは僕とは次元が違う。

   家族を捨てて人間である事も捨てて迄、大量の妖怪あやかしらい、血を浴びて異形となり人智を超える強さを手にれた僕でも、げんえられない……。

   なにをしてもまれながらのエリートにはかなわないって事なのか── )」


マオ

「 シュンシュン、どうしたんだ? 」


惷麗

なんでもない!

  それより、プディの強さをたしかめないとだろ 」


マオ

「 あっ、そうだったな。

  次は冒険者じゃなくて怪物モンスターを探さないとだな 」


 という訳で──、オレ達はプディの実力を見る為に怪物モンスターを探す事にした。






マオ

「 ──プディ、強いな。

  進化したスライムってだけは有るよ。

  怪物モンスターの特殊技や能力ちから習得ラーニングして強くなるとか、“ チート ” ってヤツだなシュンシュン! 」


惷麗

「 あぁ、そうだな。

  プディはアノスの言う事しか聞かないから、アノスをまもる必要が有るか。

  アノス、プディみたいなのを増やす事は出来ないのか? 」


アノスベルド

「 1体にプールなみ(なみ)の血液が── 」


マオ

「 シュンシュンのびといんじゃないか?

  まもるのは戦闘ちゅうだけだろ。

  シュンシュンのそばれば安全だろうし 」


惷麗

「 まぁ、それは言えてるが── 」


アノスベルド

「 僕も戦えますよ。

  セロフィート様から護身術を教わりました。

  ナイフ投げなら任せてください!

  セロフィート様に首元を命中させるけつも教わりました! 」


マオ

「 へ、へぇ……セロからじき(じき)に? 」


アノスベルド

「 はい!

  首を跳ねてしまえば大抵の生き物は死ぬので──。

  頭を吹き飛ばしたり、どうを吹き飛ばしたりする方法も伝授してもらえました! 」


マオ

「 そっか~~。

  物騒な戦いかただな…… 」


アノスベルド

「 マオ様の御役に立ちたくて頑張ってモノにしました(////)

  (*⌒∀⌒*)エヘヘ 」


マオ

がとな、アベル……。

  セロはスパルタで鬼畜軍曹みにきびしかっただろ?

  心身しんしんともに大丈夫だったか? 」


アノスベルド

「 鬼畜軍曹??

  セロフィート様からは優しく丁寧に教えて頂けました(////)」


マオ

「 優しくぅ?

  オレのときは超絶スパルタ教育なのにぃ!!

  差別的ぃ!! 」


惷麗

「 なぁ、“ 吹き飛ばす ” って言うけど、どうやって頭やを吹き飛ばす気だよ?

  アノスは武器を持ってないだろ 」


アノスベルド

「 僕の武器は──血液です。

  セロフィート様から頂いた特殊な血液を使って戦います 」


惷麗

「 特殊な血液だぁ? 」


アノスベルド

「 僕にもく分からないけど、セロフィート様とげん様のがっさくらしいです 」


惷麗

「 …………またげんかよ。

  おおかた彼奴アイツが用意した大量の血液にセロフィートがなにかしたんじゃないのかよ? 」


マオ

「 有り得るな。

  セロとげんさんって御互いにヤバい実験するのきだもんな。

  たいめいぶんが有るから放題なんだよな、きっと── 」


惷麗

「 絶対にそうだろ。

  いやだねぇ、節操無い変態実験野郎どもは── 」


マオ

なに言ってんだよ。

  シュンシュンもようなもんだろ 」


惷麗

「 馬鹿言えよ!

  僕はちょうしてるだろうが!

  セロフィートに能力ちからを制限されて無ければ僕だってなぁ── 」


マオ

「 節操無い変態実験野郎の仲間り確定だな! 」


惷麗

「 ぐぬっ── 」


マオ

「 あははっ(////)」


惷麗

「 あんまり笑うな!(////)」


アノスベルド

「 マオ様としゅんれいは仲がいんですね 」


惷麗

「 コラ!

  く僕を呼び捨てにするんじゃない!

  僕のほうが人生の先輩なんだぞ 」


マオ

いじゃないか。

  ≪ エルゼシア大陸 ≫では兄姉弟妹きょうだいが名前を呼び捨てるのは普通だしな。

  オレだって育てのや剣術の師匠の名前は呼び捨てだったし 」


惷麗

「 縦の礼節,横の礼節は、どうなってんだ…… 」


マオ

「( シュンシュンが言うとかぁ~~ )

  たいていりくみんだからなぁ……。

  正式な場面シーン以外ではフレンドリーが当たり前だよ 」

 

アノスベルド

「 礼節と1番無縁そうなしゅんれいから “ 礼節 ” って言葉が出るなんて意外ですよね、マオ様 」


マオ

「 はははっ、そうだな。

  普段のシュンシュンは自己ちゅうぼうじゃくじんだもんな 」


惷麗

「 お前なぁ~~~~ 」


マオ

「 プディの強さも分かったし、今日きょうは切り上げよう。

  明日あしたからシュンシュンの冒険者ランクを上げる為にバリバリ怪物モンスターりするからな! 」


アノスベルド

「 はい! 」


マオ

「 《 キャンプ地 》に戻って夕食ディナーにしよう 」


 オレ達は遭遇した怪物モンスターを倒しながら《 キャンプ地 》へ向かって歩いた。

◎ 訂正しました。

  “ 礼節 ” とは1番無縁そうな ─→ 礼節と1番無縁そうな

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