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☀「 セロ 」もしも、霄囹がマオと一緒に冒険者をしたら……。  作者: 雪*苺
一一日目 【 すてる人・ひろう人 】
24/49

✒ 助っ人 3


──*──*──*── キャンプ地


マオ

「 アベル、プディは呼ぶんだ? 」


アノスベルド

「 普段は僕の影の中に潜んでます。

  くちぶえを吹くと出ててくれます 」


 アノスベルドがくちぶえを吹くと、アノスベルドの影にもんが出来る。

 影の中からあかいろのスライムが出てる。

 鮮血ブラッディと言うよりもに輝くルビーいろている。


マオ

「{ 綺麗な色だな…… }」


アノスベルド

「 ──がとう御座います!!

  セロフィート様とげん様からも “ 綺麗 ” って御褒めの言葉を頂いたんです(////)

  マオ様にも “ 綺麗 ” と言ってもらえて嬉しいです(////)」


 おぉう!?

 どうやら無意識にこえが出ていたみたいだ。


マオ

「 ゼリーみたいにプルプルしてそうだな。

  だんりょくって有るのかな? 」


惷麗

「 【 ◯よ◯よ 】って名前の落ちゲーに登場するスライムみたいだな。

  目は付いてないのか? 」


アノスベルド

「 スライムの目はからだ全体ですよ。

  スライムの凄いのは死角が無い所です 」


マオ

「 えっ?

  そうなのか?

  スライムって死角が無いんだ?? 」


惷麗

「 目が無いのは死角を無くす為なのか──。

  そう言えば、ゲームソフトに依っては目の無いスライムもたな── 」


マオ

「 シュンシュン…… 」


惷麗

なんだよ!

  僕だってTVテレビゲームで遊んだりするさ!

  飽きっぽい()と一緒にするなよ! 」


アノスベルド

「 ──しゅんれいさん!

  主人あるじに向かって “ お前 ” ってなんですか!!

  失礼じゃないですか!! 」


マオ

「 アベル、いんだよ。

  オレはだ〈 コウ 〉じゃないし、今は兄妹きょうだいっていう設定で冒険者をしてるんだ。

  アベルもはいるから兄妹弟きょうだいになるけど── 」


惷麗

「 そうだな!

  マオの事は “ にいさん ” で、僕の事は “ お姉様 ” って呼んでうやまうんだぞぉ 」


マオ

「 シュンシュン……。

  貴族じゃないんだから、“ さま ” はらないだろ 」


アノスベルド

「 おにいさま…………。

  らしいひびきです、マオ様!(////)」


マオ

「 アベル、“ さん ” でいからな。

  “ にいさん ” な? 」


アノスベルド

「 分かりました……。

  マオにぃさん,シュンねぇ…… 」


惷麗

「 おい、コラ!

  なんで僕は “ シュンねぇ ” なんだ?

  ちゃんと “ しゅんれいお姉様 ” って敬意を込めて呼べよ! 」


マオ

「 シュンシュン、弟が可愛いからって!! 」


惷麗

「 はぁっ?!

  可愛くないし!

  僕のほうすうひゃくばいは可愛いし可憐だろうが! 」


マオ

「 対抗しんを向けない!

  御免な、アベル。

  シュンシュンの言う事は聞き流していからな 」


アノスベルド

「 はい、マオにぃさん♥ 」


惷麗

「( チッ──。

   マオの前だからって良い子ブリやがって!!

   気にらないねぇ!!

   マオもマオだ!

   だい親友の僕を優先しろよな! )」


 シュンシュンはムスッとした顔でオレとアノスベルドを見ている。

 どうやらシュンシュンの機嫌を悪くしたみたいだ。

 キャラメルを作って機嫌をなおしてもらうとしようかな。


マオ

「 アベル、プディの戦いりを見せてくれるかな? 」


アノスベルド

「 はい!

  プディ──、今から怪物モンスターほふるよ!

  準備はいかい? 」


プディ

「 ぷてぃ! 」


マオ

「 …………………………は?? 」


惷麗

「 …………………………ん?? 」


マオ

「 気の所為かな?

  今、プディが鳴いた?? 」


惷麗

「 おぃおぃ、馬鹿を言うなよ。

  スライムだぞ。

  せいたいが無いのに鳴くんだよ?

  そらみみだろ 」


マオ

「 そ…そうだよな!

  オレも鳴くスライムがるなんて聞いた事無いし 」


プディ

「 ぷてぃ? 」


マオ

「 ………………………… 」


惷麗

「 ………………………… 」


 オレとシュンシュンは言葉を失ったまま、アノスベルドの使い魔(プディ)を見た。

 鮮血の(ブラッディ)スライムはプルプルとからだを揺らしている。


アノスベルド

「 あの……進化したスライムはせいたいが無くても鳴けますよ?

  プディは知能が高くて、理解りょくも有りますから── 」


プディ

「 ぷてぃぷてぃ 」


マオ

「 進化したスライム──凄いな!! 」


 セロめぇ!

 一体どんな無属性スライムをアノスベルドに渡したんだか!

 会ったときに問いただしてやるんだからな!!


惷麗

「 鳴くスライムなんて知られたら、実験台モルモット確定だぞ。

  ひとまえで絶対に鳴かせるなよ。

  セロフィートとげんは知ってるのか? 」


アノスベルド

「 知ってるけど?

  げん様は、プディが連れ去られないようやみじゅじゅつほどこしてくれたよ 」


マオ

「 へぇ?

  げんさんが──。

  どんなやみじゅじゅつなんだろう?? 」


惷麗

「 試してみたらいだろ。

  明らかにこうの悪い冒険者のまえコイツ(プディ)ほうり出すんだ。

  見た目の珍しいスライムだ。

  新種のスライムだと思ってつかまえようとする筈だ。

  鳴けばなおさらな 」


マオ

わざと連れ去らせるつもりかよ 」


惷麗

「 掃除だよ、掃除。

  冒険者の信頼や評価を故意に下げる厄介者達をかたけるだけさ 」


マオ

まったくさ……。

  分かったよ。

  心当たりの有る冒険者パーティがるから、そいつで試そう。

  アベル,プディ──、いかな? 」


プディ

「 ぷってぃ~ 」


アノスベルド

「 大丈夫です!

  プディもやみじゅじゅつほどこしてもらえたのか気になるみたいです 」


惷麗

「 決まりだな!

  よし、早速たしかめようじゃないか! 」


マオ

「 シュンシュン、楽しそうだな~~ 」


 という訳で──、オレ達はフィールドでぼうじゃくじんに振る舞っている迷惑きわまりない冒険者パーティを探す事にした。


──*──*──*── フィールド


 新米冒険者達にちかいては、じょげんするフリをして騙そうとする悪徳冒険者はぐに見付かった。

 りにって自分からオレ達のパーティにこえを掛けてるなんて、運の無いパーティだな。


冒険者者:男A

「 おぃおぃ、フィールドはから子供が駆け回ってもい安全な場所になったんだぁ~~? 」

 

冒険者:男B

「 ボクちゃん達ぃ~~、危ないから≪ ゼシュカノ ≫に戻れよ。

  連れて行ってやるから、所持ひんは寄越すんだぜぇ 」


アノスベルド

なんひんの欠片も無いゲスい人間なの。

  顔が悪いと頭も悪いのかな? 」


惷麗

「 言うなぁ、アノス。

  コイツは冒険者の中でもザコちゅうのザコだから、頭も顔もすこぶる悪いんだ!

  “ 冒険者のつらよごし ” って言うやつだから相手にするな~~ 」


マオ

「 コラ!

  なんで2人揃って相手に屈辱して、神経をさかでするような事を言うかな~~ 」


プディ

「 ぷてぃぷてぃ~~ 」


アノスベルド

「 プディも『 失せろゴミクズども! 』って言ってるよ 」


惷麗

「 どんだけくちわるいスライムだよ……。

  さすは進化したスライムだな! 」


アノスベルド

「 (* ̄ ^  ̄*)当然だよ!

  プディは世界に1体しか存在しないしょう鮮血の(ブラッディ)スライムだもん!

  鳴くスライムなんてエルゼシアちゅうを探したって見付からないよ!! 」


 シュンシュンとアノスベルドはとばかりに冒険者パーティを刺激しては、プディをしょう価値の高いスライムだと褒めちぎりまくる。

 一寸ちょっとやり過ぎじゃないかな?

 目の前の冒険者パーティと戦闘になったら気だよ……。


マオ

「 2人とも迄にしとけよ。

  明らかにオレ達より先輩の冒険者パーティだぞ。

  あの──、妹と弟が失礼な事を言って御免なさい…… 」


 オレは気弱でよわごしあにっぽく見えるように、オドオドしながら話し掛けてみた。


冒険者:男C

「 随分と威勢のれいせんばん妹弟きょうだいだなぁ~~。

  あには頼りねぇ──ってのによぉ~~。

  優しい先輩の俺達が後輩の礼儀ってのを教えてやろう 」


惷麗

「 はぁ?

  お前なんて御呼びじゃないんだよ!

  蠅は蠅らしく怪物モンスターフンにでもたかってろ!

  ぶつばえさん達ぃ~~ 」


アノスベルド

怪物モンスターの死骸に群がってるうじむし以下でしょ。

  御呼びじゃないから消えてよ 」


プディ

「 ぷてぃぷてぃ! 」


 うわぁ~~~~。

 冒険者達の血管が浮き出てピクピクしてるよ……。

 今にも血管が切れそうだ。

 いくら計画だとしても言い過ぎじゃないかな??


マオ

「 コ…コラぁ~~2人ともぉ~~。

  ぶつばえとかうじむし以下とか言ったら失礼だろ? 」


惷麗

「 失礼なもんか。

  事実を言ってるだけだろ 」


アノスベルド

「 そうだよ、マオにぃさん。

  弱い冒険者をカモまくる事しか脳の無いゴミでしょ。

  謝る必要無いよ。

  むしろ謝るのはゴミクズ達のほうだし 」


 演技だからって、ノリノリだな……。

 冒険者達にプディを連れ去らせる計画を忘れてるんじゃないのか~~?

 どう収拾するつもりだよ……。


冒険者:男D

「 チッ──。

  くちわるいガキどもだぜ! 」


マオ

「 うわっ!! 」


 オレは冒険者の1人から押されて、地面に尻餅を付いた。

 もちろんこれも演技なんだけど──、セロがたら、この冒険者達は完全に詰んでた。

 セロには「 演技だから! 」って言ってもつうじないからな~~。


惷麗

「 マオ!

  大丈夫かよ! 」


 シュンシュン、めっちゃ棒読みだな。

 ついさっき迄は完全にノリノリだったのに棒読みって……。

 どうやらシュンシュンには演技りょくの期待は出来ないみたいだ。


アノスベルド

エサの分際で僕のマオ様に手を上げたな──。

  コロス── 」


 あれぇ~~~~??

 アノスベルドは演技を忘れて本気でキレてる??

 さっき迄の可愛い子兎なアノスベルドはにぃ~~~~??


マオ

吸血鬼ヴァンパイアって子供でもキレるとヤバイのかよ…… 」


惷麗

「 穏便が吹き飛んだな~~ 」


マオ

「 穏便ねぇ?

  そんな気、さら(さら)無かっただろ? 」


プディ

「 ぷてぃ!! 」


 なにかプディまで怒ってる??

 でも、可愛いなぁ~~(////)

 スライムは怒っても可愛いのか??


アノスベルド

「 プディ──、れ── 」


プディ

「 ぷてぃ! 」


マオ

「 アベル、落ち着け!

  演技だよ、演技!!

  3人で話し合ったじゃないかな!

  忘れちゃったのか?? 」


アノスベルド

「 もう遅い── 」


 アノスベルドは顔に似合わないドスの効いたこえで言う。


マオ

「 どっから物騒なこえが出てるんだよ!?

  アベルはだ10歳だろぉ~~?? 」

 

惷麗

「 あぁ~~そう言えば、吸血鬼ヴァンパイアの1年って人間の100年じゃなかったか?

  10歳って事は、少なくとも1000年はきてるって事になるよな。

  ハッハッハッ、わかづくりのジジイだな! 」


マオ

「 笑いごとかよ!!

  プディをめないと── 」


 オレは慌てて地面から立ち上がった。

 プディをめようと動いたけど、どうやら手遅れだったみたいだ。

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