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⭕ 冒険者デビュー 2


 なんでオレがシュンシュンと一緒に2人だけで行動しているかと言うと、ちゃんとした()ゆう()が有るんだ。

 ことほったんはシュンシュンが観ていた異世界ファンタジー映画の影響だと思う。

 シュンシュンが「 異世界ファンタジー映画の世界に行ってみたい 」って言い出したんだ。


 ≪ にっぽんこく ≫のような≪ しまぐに ≫は、≪ 大陸 ≫との交流は無い筈なんだけど──、異世界ファンタジー映画の世界観は≪ 大陸 ≫の世界観とるいしている。

 不思議な事も有るもんだ。

 そんな事もあって、オレはセロに相談してみた。


 オレはまいとし、3回だけセロの大陸転移魔法を使って故郷の≪ エルゼシア大陸 ≫へ帰国している。

 3回ちゅう2回は顔も知らない両親のめいにちに墓参りする為、≪ レドアンカ(みやこ) ≫に在る自宅へ帰省している。

 3回ちゅう1回は≪ カルセ(おう)ライル() ≫に在るじっ(エノバラ)(ンティス)の実家──《 バセリナじょう 》へ帰省する。


 《 バセリナじょう 》では()()だけが集まって、盛大なパーティーがひらかれる。

 みんなでオレの誕生日を祝う為の盛大な誕生日パーティーだ。

 オレのじっ(エノバラ)(ンティス)元国王(オレの祖父)前王妃(オレの祖母)とのあいだまれた正真正銘,きっすいの皇子様で正統な跡取りだったけど、前王妃(オレの祖母)みたいにころされないようにと《 バセリナじょう 》からがされて、旅芸人に預けられたらしい。


 旅芸人に預けられたまま、旅芸人のおさになったじっ(エノバラ)(ンティス)は、滞在していた≪ ゴイエンデル(まち) ≫がおおに見舞われて、子供を助ける為にいのちを落としたらしい。

 じっ(エノバラ)(ンティス)は自分が≪ エルゼシア大陸≫を統治するエルゼシア国王のじっだという事実を知らぬまま亡くなってしまったらしいんだ。


 じっ(エノバラ)(ンティス)は≪ レドアンカ(みやこ) ≫を旅だつつ前、じつ(ソフティア)(リーチェ)母親(オレの祖母)の形見を渡していた。

 じつ(ソフティア)(リーチェ)やまいで亡くなったあと母親(オレの祖母)の形見はじつ(ソフティア)(リーチェ)の形見として、幼いオレに手渡されたんだ。


 オレは指輪に紐をとおして首に掛けっぱなしにしてて、エルゼシア前王妃(前妻)の形見のしな── “ 王家の指輪 ” だなんてまったく知らなかった。

 オレの身体からだには元エルゼシア国王(じいちゃん)前エルゼシア王妃(ばあちゃん)まぼろしの皇子となったエノバランティス(父さん)の血が流れていた訳だ。

 セロと出逢って、セロと旅を続ける為に人間である事をめて、人間を捨てた今のオレの身体からだには血なんて流れてないんだけど──。


 そんな訳で──、らいげつは3回ちゅうの2回目の帰国に当たる。

 故郷の≪ エルゼシア大陸 ≫に帰国して、≪ カルセ(おう)ライル() ≫の中に在る《 バセリナじょう 》に帰省しないといけない週がるんだ。

 そのときに、シュンシュンも一緒にオレの故郷(エルゼシア大陸)に連れて行く事になった。


 シュンシュンは異世界ファンタジー映画を観て “ 冒険者 ” に興味を持っていたから、適当な≪ 村 ≫に在る《 冒険者ギルド 》で冒険者登録をして、冒険者としてしばらく過ごさせてあげよう──って事になったんだよな。

 そんな訳で、《 バセリナじょう 》でおこなわれた盛大なオレの誕生日パーティーが終わったじつ──、セロに古代エンシェント魔法マジックで《 冒険者ギルド 》の在る≪ ゼシュカノ(むら) ≫へ転移してもらった。


 ちなみにセロは、《 バセリナじょう 》に残っている。

 オレをんでくれたじつ(ソフティア)(リーチェ)あにであるのアルソリュンドさん,≪ レドアンカ(みやこ) ≫での育ての兄貴にいさんのマーフィ,オレに剣術を教えてくれたラオインダの3人から「 剣術の稽古を付けてほしい 」って頼まれたからだ。

 今でもじゅうぶん過ぎるほどつよいってのに、これ以上つよくなってつまりなんだ……。


 セロがてくれないから、オレは冒険者の先輩として1人でシュンシュンの相手をしないといけなくなった。

 そんな訳で、現在は《 冒険者ギルド 》の《 待ち合い室 》の中って事だ。


惷麗

「 ──この茶菓子スイーツ、意外にイケるな♪ 」


マオ

「 シュンシュン……。

 { 自分が “ 女の子 ” って事、忘れてないか~~ }」


惷麗

「{ 忘れてないぞ! }」


マオ

「{ ずは言葉づかいを “ 女の子っぽく ” した方がいんじゃないか }」


 ギルドの従業員スタッフが運んでてくれた紅茶ティーを飲みながら茶菓子スイーツを食べる。

 ほかの冒険者達はつぎ(つぎ)と名前を呼ばれて《 待ち合い室 》を出て行く。



惷麗

「 ──なか(なか)呼ばれないな 」


マオ

「 登録の書き換えってのはぐには出来ないんだ。

  冒険者パーティってのはメンバーのれ替わりが多いんだ。

 ふくすうの冒険者パーティの登録を書き換えもしないといけないから、大変だよな 」


 受付嬢から呼ばれるのを待っているあいだに、ほかの冒険者パーティがはいってる。

 どうやらエイ級冒険者,エス級冒険者が多く所属しているギルドみたいだ。


惷麗

エイ級冒険者,エス級冒険者って、あんまり強く無さそうだな 」


マオ

「{ こら、シュンシュン!

   聞こえる声で言うな!

   冒険者ってのは、無駄に好戦的な奴が多いんだ。

   目を付けられたら厄介なんだぞ }」


惷麗

「 知るかよ。

  弱そうだから “ 弱そう ” って言ってるだけじゃないか。

  “ 弱い ” なんて断言はしてないぞ。

  子供のたわごといち(いち)腹を立てる冒険者なんて、ていが知れてるだろ?

  しんに誇り高いエス級冒険者,エイ級冒険者は子供のたわごとに受けたり、腹を立てたりはしないもんだ。

  仮に腹を立てて文句を言ってる奴がるなら、そいつはものだ。

  エイ級,エス級を名乗るには相応ふさわしくない三流冒険者だろうよ! 」


マオ

「{ シュンシュン……。

   オレにしりぬぐいさせる気かよ? }」


惷麗

「 先輩が後輩のしりぬぐいをするのは立場的に当然だろ?

  可愛い妹を守ってくれよな、にいさん♥ 」


マオ

「 トラブルメーカーな妹を持った覚えは無いけどな!! 」


???

「 随分と楽しそうにお喋りしてるな、子供達! 」


マオ

「{ ほら見ろ!

   シュンシュンが余計な事を喋った所為で目を付けられたじゃないか! }」


惷麗

「 可愛い僕をナンパしたいんだろ? 」

  

マオ

なんでだよ。

  自意識過剰もほど(ほど)にしとかないと、“ 痛い奴 ” って思われて白い目で見られるぞ…… 」


惷麗

「 はぁ?

  自意識過剰でなにが悪い!

  大抵の人間は自意識過剰なんだよ。

  それをおもてに出さずに隠してるだけだ。

  自意識過剰、おおいに結構! 」


マオ

「 胸張って言うことじゃないからな 」


???

「 おぃおぃ、2人で無視シカトしてんじゃねぇよ! 」


マオ

「 子供じゃなくて、成人してるよ。

  《 冒険者ギルド 》は成人しかないと登録が出来ないからな。

  オレは20歳で、妹は15歳な 」


???

くちの悪い可愛い子ちゃんは成人なり立てか! 」


惷麗

「 聞いたか、マオ!

  コイツ、僕の事を “ 可愛い子ちゃん ” って言ったぞ!

  どうだよ、やっぱりエロいナンパ野郎じゃないか! 」


マオ

「 シュンシュン……。

  “ くちの悪い ” を聞き流すなよ。

  今からナンパする奴が相手に “ くちの悪い ” なんて言うか! 」


惷麗

「 ──それもそうか?

  おい、コラ!

  れいしつけな冴えないほうきあたま野郎!

  くも可愛い僕に向かって、“ くちの悪い ” なんてわるぐちを言ってくれたな!

  誠心誠意、ごころを込めて僕に謝罪しろ! 」


マオ

「 コラ、シュンシュン!

  相手に喧嘩を売るんじゃない! 」


惷麗

「 僕はコイツに侮辱されたんだぞ。

  は怒ってい筈だろ。

  マオも可愛い妹がけなされたんだから、ちゃんと怒れよ 」


マオ

「 どのくちが言うかな…… 」


???

きみ達──、先輩冒険者に対して随分な態度ね。

  失礼じゃないかな? 」


惷麗

「 くっ──、無駄にデカい胸を揺らしながらくちを挟むんじゃない!

  あっちへ行ってろ! 」


マオ

「 だから、シュンシュン!!

  ──世間知らずで礼儀知らずな妹で御免なさい!

  おとこ兄弟に囲まれて育ったから調ちょうが乱暴で──。

  これから躾ていくから、今回はおおに見てください! 」


胸のデカい女

「 ですって──。

  どうするの、ゲイルト 」


ゲイルトと呼ばれた男

「 妹のしりぬぐいはあにがしなければな。

  妹のわりに殴られる覚悟は有るか? 」


マオ

「 ……………………シュンシュン、殴られてやれ 」


惷麗

「 はぁ?

  なんで僕が殴られないといけないんだ!

  だいたい、殴るってなんだよ。

  冒険者ってのは暴力で解決させるのが好きなのか? 」


マオ

「 “ 好戦的な奴が多い ” って言ったろ。

  オレを殴るのは構わないけど──、明日あしたの朝は怪物モンスターの巣窟で目を覚ます事になるけどいの? 」


ゲイルトと呼ばれた男

「 どういう事だ? 」


???

怪物モンスターの巣窟だって?

  なに言ってんだ、コイツは? 」


マオ

「 オレの所属してる冒険者パーティの名前は〈 サムシンググレート 〉なんだ。

  リーダーはマギタ(魔法使い)で転移魔法を使える。

  オレはつねに監視されていて、プライバシーってもんが無いも同然なんだ。

  どんな理由であれ、オレが “ 殴られた ” って事をリーダーが知ったら──、明日あしたがアンタめいにちになるって事だよ 」


ゲイルトと呼ばれた男

全身白ずくめのマギタ(魔法使い)がリーダーの〈 サムシンググレート 〉だと?!

  ──ガオス,ホベアク,ケリナー、ヤツには関わるな! 」


ガオス

「 はぁ?

  なんで急に? 」


ホベアク

「 おぃおぃ、こんな子供の言う事をに受けるのかよ? 」


ケリナー

「〈 サムシンググレート 〉のマギタ(魔法使い)ってたしか──、“ 超越の(トランセンド)魔法使い(マギタ) ” って言われてなかったかしら?

  マギタ(魔法使い)あいだでは、“ 絶対に関わったら駄目 ” って言われてる危険人物よ!! 」


マオ

マギタ(魔法使い)には危険視されてるのか……。

  いろ(いろ)もんな……。

  妹が一方的に悪いんだけど、リーダーにめんじて今回はおおに見てくれないかな? 」


ゲイルトと呼ばれた男

「 ……………………いだろう。

  今回の事は無かった事にしてやろう。

  めいにちになるのは御免だからな 」


マオ

りがう──。

  ほら、シュンシュンも謝れよ 」


惷麗

「 ………………………………………………悪かった…………フン! 」


マオ

「 シュンシュン!

  態度が悪いぞ。

  はぁ……………… 」


 ゴーイングマイウェイなシュンシュンの態度に頭を悩ましていたら、受付嬢から呼ばれた。

◎ 変更しました。

  旅芸人のおさにまったじっ(エノバラ)(ンティス)は、─→ 旅芸人のおさになったじっ(エノバラ)(ンティス)は、

  らいげつのは3回ちゅうの2回目 ─→ らいげつは3回ちゅうの2回目

  無駄に好意的な奴が多い ─→ 無駄に好戦的な奴が多い

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