⭕ 続・怪物狩り 2
──*──*──*── フィールド
──*──*──*── キャンプ地
テントへ戻ると何故だかテントの周辺に大勢の武装した冒険者達が倒れていた。
オレが森のへ入って、ザザミカの葉を取りに行ってる間に何が起こっていたんだ?!
マオ
「 シュンシュン!
これは一体どうしたんだよ?
何でオレ達のテントの周辺で冒険者達が寝てるんだ? 」
惷麗
「 遅いぞ!!
マオの方こそ、ザザミカの葉を取って来るだけなのに時間が掛かり過ぎじゃないのか!
おい、後ろで引き摺ってる冒険者は何だよ? 」
マオ
「 いやぁ~~~~。
グマルモンの親子が冒険者達に襲われてたから助けてたんだ。
はははは~~………… 」
惷麗
「 マオ、すっかり人間の敵だな! 」
マオ
「 この状況を作ったシュンシュンには言われたくないんだけどな~~。
それで──、この数の冒険者をシュンシュンが1人で相手にしたのか? 」
惷麗
「 何で、か弱い女の子の僕が冒険者達をノックアウト出来るよ?
鬱陶しいから式神をぶつけてやったのさ! 」
マオ
「 ははは……。
そりゃ冒険者達には “ 御愁傷様 ” だな。
原因は何だろうな?
シュンシュン、怪物狩りの邪魔でもしたのか? 」
惷麗
「 何でだよっ!
僕がやらかしてる体で話すなよ!
テントに着いたら死乃人に狩ったボフラビットを1ヵ所に置かせて、死乃人は封印した。
マオが戻って来るのを寛いで待ってようとしたら、ぞろぞろと現れてだな──。
僕が苦労して狩ったボフラビットを『 寄越せ! 』と言って来やがったんだ。
全く、冒険者が聞いて呆れるよ 」
マオ
「 獲物の横取りか。
そう言えばシュンシュンに教えるのを忘れてたよ。
冒険者の中には、別の冒険者が狩った獲物や素材を力付くで奪う最低な輩も普通に居るんだよな。
楽してして報酬を得ようとする冒険者の風上にも置けない奴等は吐いて捨てる程居るんだ。
今回だけじゃなくて、これからも有ると思っといた方が良いぞ 」
惷麗
「 事が起きた後から聞かされてもな……。
まぁ、コイツ等が不逞な輩だって事は分かったよ。
この冒険者達はどうするんだ? 」
マオ
「 そうだな。
セロなら身ぐるみを剥いで、ペットの〈 合成獣 〉達の餌にするけど──、オレには転移魔法が使えないからな。
先ずは装備品と身ぐるみを回収して、真っ裸にしてから逃げれない様に足首,手首を切れない縄で縛ろう 」
惷麗
「 お前、完全にセロフィートに毒されてるよな…… 」
マオ
「 人聞きの悪い事言うなよ。
毒されて無いからっ!!
ナンパ野郎から小遣い強奪するシュンシュンには言われたくないよ!
──褌は着けなくて良いよ。
フルチンでフィールド放置だな。
腹を空かせた怪物の御飯になってもらおう。
〈 S・G 〉に喧嘩を売るとどんな末路を辿る事なのか思い知らせて、見せ付ける必要が有るからな!
見せしめは大事だろ 」
惷麗
「 僕が言うのも何だが──、やっぱ感化され捲ってるよ。
だが、見せしめには賛成だな!
よし、式隷にやらせよう。
フィールドの何処等辺に放置するんだ?
式神に運ばせるから教えてくれよな 」
マオ
「 考えとくよ。
じゃあ、気絶してる冒険者はシュンシュンの式隷達に任せるとしよう。
オレ達はボフラビットの一角を額から抜いてから、解体に取り掛かろう 」
惷麗
「 ……………………了解…… 」
地面に気絶している冒険者達はシュンシュンの式隷に丸投げ──じゃなくて、任せる事にした。
冒険者達から装備品,所持品,身ぐるみを剥いで真っ裸にして、両手首,両足首を縄で縛り終えたら報告する事をシュンシュンに指示してもらう。
オレは先ず、シュンシュンと一緒にボフラビットの額から一角を引き抜く作業を始めた。
シュンシュンにボフラビットの解体の仕方を教えながら丁寧に捌いていたけど、シュンシュンにはハードルが高かった様だ。
シュンシュンは決して不器用な方じゃない。
ヤバい呪具や呪物の類いを作れるくらい器用なんだから、怪物の解体だって簡単に出来るだろう──って、オレは考えていたんだけど……どうやらそうでもないらしい。
手先が器用なシュンシュンでも怪物の解体は不向きだったみたいだ。
仕方無いから残りの38体のボフラビットを解体して捌く作業はオレがする事になった。
シュンシュンには下処理の仕方も覚えてほしかったけど、不向きだったみたいだ。
シュンシュンには、オレが下処理を施したボフラビットの肉をザザミカの葉に包装してもらう事にした。
くるんで包んで結んで包装するだけだから、シュンシュンにも出来ると思う。
それぐらいは出来てもらわないと困るんだよな~~。
シュンシュンは器用に上手く丁寧にボフラビットの肉をザザミカの葉に包装してくれている。
大したもんだ。
マオ
「 よし──。
下処理、終わりっと!
シュンシュン、ザザミカの葉に包装するの手伝うよ 」
惷麗
「 全く──。
解体したり、捌いたり、下処理したり──忙しいな。
マオは作業が早いよな 」
マオ
「 セロに叩き込まれたからな~~。
スパルタで! 」
惷麗
「 スパルタって── 」
マオ
「 早く包装して《 冒険者ギルド 》に持って行こう 」
惷麗
「 これ……包装、終わるのかよ…… 」
オレはシュンシュンと協力してボフラビットの肉をザザミカの葉にくるんで包んで結んで包装する作業を進める。
とんだ共同作業になったもんだ。
惷麗
「 はぁ~~~~。
やっと終わったぁ~~~~!!
こんなに頑張った自分を褒めてやりたいぐらいだよ 」
マオ
「 シュンシュン、お疲れ!
24個はオレが包装したけどな! 」
惷麗
「 そういう事言うなよ。
僕だって16個も頑張ったんだからな! 」
マオ
「 ははは~~。
オレは罠も作って、解体もして、下処理もして、包装もしてるけどな? 」
惷麗
「 ……………………………仕方無いなだろ!
解体も下処理も合わないんだから!! 」
マオ
「 そう言えば、式隷の方はどうなってるんだ?
全然呼びに来ないけど? 」
惷麗
「 そうだな。
すっかり忘れてたよ 」
ザザミカの葉で包装したボフラビットの肉を魔法の袋の中に入れる。
ボフラビットの一角だけを入れた魔法の袋とボフラビットから剥ぎ取った皮だけを入れた魔法の袋と一緒にポーチの中にへ入れる。
シュンシュンと一緒に式隷の様子を見に行くと、式隷達は作業をサボっていた──なんて事はなくて、ちゃんと真面目に作業を進めていた。
唯、装備品を脱がせるのに手間取っていたのと、冒険者達の数が多過ぎたってのが原因みたいだ。
シュンシュンは死乃人を召喚すると式隷達の手伝いをする様に命じた。
既に真っ裸の状態で縛っている冒険者達に関しては、シュンシュンが式神に命令して怪物の出現率が高く、遭遇率も高い場所へ捨て──ポイしに行った。
マオ
「 マオキノが捕捉してくれたフィールド地図が役に立ったな!
マオキノへの御褒美に、延びてる冒険者を1人だけ連れてくか── 」
惷麗
「 然し──、これじゃあどっちが悪か分からないな! 」
マオ
「 セロよりマシだよ。
ズタズタボロボロ雑巾みたいに散々〈 合成獣 〉の玩具にされた後、生きたままバリボリと喰われるよりもだ──、普通の怪物に普通に餌として喰われた方が幾分もマシさ! 」
惷麗
「 そういうもんなのか? 」
マオ
「 そういうもんだよ!
直に〈 合成獣 〉と遊んだ事の有るオレが言うんだから間違いない!
〈 合成獣 〉は人懐っこい から可愛いんだけど、元気過ぎてるしパワフル過ぎるんだ。
オレが人間だったら確実に死んでるよ。
今のオレでさえ、超絶ハード過ぎて身体がズタボロになるんだからな!!
言葉が通じる御蔭で命拾いしてる感じだ。
シュンシュンも〈 合成獣 〉と遊ぶ時は気を付けろよぉ~~ 」
惷麗
「 どんだけ過酷なんだよ…… 」
マオ
「 残りの冒険者達も式隷,死乃人,式神に任せたままで大丈夫かな? 」
惷麗
「 あぁ、問題無い。
用が済めば、勝手に戻るからな 」
マオ
「 よし!
じゃあ、今から《 冒険者ギルド 》に行こう! 」
惷麗
「 希望数は20体なのに40体も持って行って大丈夫なのか? 」
マオ
「 大丈夫だよ。
受付嬢が他にもボフラビットの依頼書が壁に貼ってあるか確認してくれるんだ。
依頼書が貼られていれば、そっちの依頼書も受理してくれるんだ。
依頼書が無ければ、ボフラビットの肉を欲しがってる《 肉屋 》を紹介してくれるんだ。
《 肉屋 》に紹介書を見せれば、良い値で買い取ってくれるんだ 」
惷麗
「 《 冒険者ギルド 》は其処迄してくれるのかよ? 」
マオ
「 ま……まぁな~~。
何処の《 冒険者ギルド 》でもしてる訳じゃないけどな? 」
なぁ~~んてな★
実は──≪ ゼシュカノ ≫に在る《 冒険者ギルド 》のギルド長
だからって訳じゃないけど、今回は≪ ゼシュカノ
これもシュンシュンには内緒だ。
オレ達の《 キャンプ地 》に侵入者が入
これなら《 キャンプ地 》を離れても大丈夫そうだ。
マオ
「 有
惷麗
「 これぐらいなら御安い御用さ。
苦労して張ったテントを荒らされたら困るからな! 」
マオ
「 シュンシュンのテントを張ったのも仕上げたのもオレだけどな! 」
惷麗
「 一
マオ
「 本
シュンシュンには1人でテントを張れる様
惷麗
「 勘弁してくれよ…… 」
オレとシュンシュンは一緒に≪ ゼシュカノ
◎ 変更しました。
冒険者達には “ 御臨終 ” だな。─→ 冒険者達には “ 御




