第三章 43 全細胞が震えるほどの恐怖
ニケが起きたのはミケがアシュラを通して異変を察知して駆け付けたからだった。ミケにより起こされたニケとシューンはアシュラとインドラの様子をずっと見守っていた。近づかなかったのはデストロイと勘違いされてインドラの心を余計に壊したくなかったからだ。だから、ニケはずっと耐え続けて様子を見守っていて最後、二人が相打ちになりそうになった時に、強制的に攻撃を止めさせたのだ。
『生きていたら、何度だって挑戦できる。一回で何とかしようなんて思わなくていいっ!』
アシュラに言った言葉。ニケはその言葉をアシュラに言った。アシュラは前を向けるだろうか?ニケも前を向ける自信が無かった。
インドラはアシュラを傷つけてしまったことをはっきりと覚えていた。デストロイからアシュラを守るために私が頑張らなきゃという強い意志でいっぱい傷つけたことを覚えていた。アシュラを凄く愛しているのに。だから、目が覚めた時、たくさんの涙を流した。そして、隣を見ると
「アシュ・・・」
アシュラを見るとインドラは思わず全身が震えて部屋の隅に毛布を被って小さくなった。音は立てないようにした。誰かが来るといけないから。そうやって、小さくなって暫くした時に、アシュラが目覚めた。
「イ、ンドラ?」
アシュラは部屋を見渡した。そして、インドラが部屋の隅で泣いているのを見つけて慰めようと、立ち上がろうとした時、全身が震えた。
「イン、ドラ?」
アシュラは気付けば大量の涙を流した。だが、頑張って近づこうとした。一歩踏み出せれば、きっと足は動いてくれる。そう信じて。
「ウォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
アシュラは雄叫びを上げた。自分を鼓舞するために。そうやって、頑張って頑張って頑張って震える体を動かそうとーーーー
「悪い。インドラ」
アシュラは瞬間移動をして逃げた。顔をぐちゃぐちゃにして。
丁度入れ替わりで母が入って来た。インドラは母のことなど、どうでも良かった。インドラはアシュラが泣いて、全身を震わせていたのを見て自分がやったことの重大さを認識してどんどんと心が崩壊して行き、そして、都合が良い様に忘れた。だから、母を見た時、憎悪が湧いて来た。インドラは最後に母のシックスセンスで決着が着いたことだけを覚えていたのだ。
ニケはアシュラの叫び声が聞こえて急いでやって来ていた。部屋の隅で泣いているインドラを見て思わず息を呑んだ。意を決してインドラに近づいた。その時に遅れてシューンがやって来た。ニケは恐る恐るインドラに触れた。インドラはニケの手を振り払って睨んだ。ニケはインドラの目を見て思わず手が震えた。だが、抱きしめようとした。インドラはニケの胸を両手で押した。
「アシュに会いたかったらいつでも来てね、インドラ」
ニケはインドラから憎悪を感じて立ち去ることにした。
「シューン。インドラをお願い」
「おっ、おう」
シューンはインドラに背を向けたニケの涙を流した顔を見て言葉が思わず詰まった。シューンはインドラに近づいた。そして、インドラを抱きしめた。インドラは抵抗しなかった。ニケはアシュラの元に瞬間移動をした。
「アシュ」
アシュラは神龍の頭の上に乗っていた。座って震えて泣いていた。ニケはアシュラを後ろから抱きしめてアシュラの悲しみに触れて感情を共有して二人で泣いた。
「ママ。・・・ママ、ママ、ママ」
アシュラは振り返ってニケに抱き着いた。
「アシュ。暫くフロンティアで暮らそうか」
「うん」
ここで、第三章を終わりにします。「愛の紡ぐ未来」の題材に相応しいのはここまでかなと思います。
暫く「TSURITOー繋げた未来」の連載をストップします。次から「TSURITOー繋ぐ未来」を新連載で始めようと思います。正真正銘ツリトの物語です。「TSURITOー繋げた未来」の核となるところが自然と描かれると思います。ブックマークと評価を両方してくれると嬉しいです。宜しくお願いします。
絶対、読んで。話繋がるから。




