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TSURITOー繋げた未来  作者: カバの牢獄
第三章 愛の紡ぐ未来
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第三章 35 ヒント

「俺は・・・」

「悪いが問答無用だ。このゼウスとアシュラの攻撃は世界に干渉しない」

「シャキッとね。アシュ。ママはサウルスを連れて上で見てるから」

「ちょっ⁉」


 ニケはサウルスを抱えて浮遊した。


「俺は、全力で挑む。力を付与されたんだ。それに、ゼウスに勝ったら、インドラのことをきっと、どうにかできるんだって、信じてるから!」


 アシュラは全身に刺青のようなラインを体に刻んだ。


「どっからでも、掛かって来い」


 ゼウスは十本ある腕の内、一番上の両腕だけ広げて残りはお腹の前で腕を組んだ。


「あんまり、舐めない方が良いぞ」


 アシュラは体を膨らませて背中の後ろで手の甲を合わせた。


「飛べ」


 ゼウスがアシュラの真後ろに瞬間移動をして、両手を握った。そして、ゼウスはアシュラの腰に上から五番目の右腕で寸勁を放った。アシュラは咄嗟に腰にオーラを集中させたが、吹き飛ばされた。それほどまでに、ゼウスの攻撃は凄まじかった。


「ぐはっ⁉」


 アシュラは血を吐き腰に手をやった。穴が空いていると思ったからだ。実際、青黒い痣ができている。オーラ量では間違いなく刻印の効果があるため、アシュラの方が上だ。それなのに、だ。この事実は、若干舐めていたゼウスの評価を改めて最強と認めざるを得なかった。


「飛べ」


 アシュラが飛ばされていた進行方向をゼウスが塞いだ。アシュラはすぐに瞬間移動をしようとした。だが、一瞬、遅かった。一歩踏み出したゼウスはアシュラと距離を詰めて上から五番目の腕でジャブを打った。アシュラは顔面にジャブを食らってから瞬間移動をして木の陰に隠れた。顔面は青紫に腫れて鼻血が出た。


 ヤバすぎ。手加減って言うのを知らないのかよ。クソッたれ。あそこで、ジャブかよ。どんだけ冷徹なんだ。


 ジャブは当てるだけのパンチ。だが、その速度はどの攻撃よりも速い。


 アシュラは回復のシックスセンスで怪我を急速に回復させた。だが、そのタイミングを見計らっていたのか、ゼウスは瞬間移動をして目の前の現れた。アシュラは全身が震えた。だから、次の一手がワンテンポ遅れた。ゼウスはアシュラの両腕を上から五番目の両手で掴んだ。


「何もできぬか?」


 ゼウスは両手に力を入れた。アシュラの両腕は潰れた。だが、アシュラはゼウスに掴まれていた両手を細分化、分解した。アシュラは瞬間移動をして逃げた。


「ふむ。この二つか。アシュラが与えられた力は。座敷童は恐ろしい。だが、ホームズの使い方をできていないな。アシュラ。生えろ」


 ゼウスは今しがた失った上から五番目の両手を生やした。


「どれほど、このゼウスに手札を切らせれるか?飛べ」


 ゼウスが瞬間移動をすると目の前には印が刻まれた木のアシュラのレプリカが置かれていた。


「呼び寄せても構わんがアシュラの作戦に乗ってやろう。アシュラに引き付けろ」


 ゼウスは木をすり抜けてアシュラがいる方向に引き付けられた。やがて、アシュラの姿が見えた。アシュラは木の棘に囲まれていた。


「これなら、殴れんだろ?」

「別に、殴る以外でも対処できるんだが?」

「知ってる。だから、水龍と雷龍の力を使う」


 アシュラはゼウスが木の棘に当たる前に水と雷を融合したものを全方位に放った。


「耐えろ」


 ゼウスは一番上の右手で手刀を放ち目の前の雷を纏った水を木の棘ごと斬った。アシュラは対処されることを見越して準備していた。地面から影の蔓を伸ばしてゼウスの足元に巻き付けた。だが、この蔓は簡単にゼウスが力を入れると千切れた。


「こんなも・・・」

「分かってる。だから、気絶してくれ」


 アシュラは地面を濡らしている水を燃やした。視界に靄が掛かり頭がクラクラしそうなほどの高温だ。体が焼かれるほどの熱さだ。アシュラの適応がなければ。だが、ゼウスはそれを耐えた。


「これで、終わりか?」

「化け物め」


 アシュラは瞬間移動をしてすぐに、大量の水を出現させた。当然ゼウスはすぐにやって来た。だが、水はかなり出現していてゼウスの顔は余裕で浸かるほどあった。


 フン。得意分野を使ったか。


「二歳児の攻撃を避けてくれるなよ」


 アシュラは神龍の鱗を纏って水龍の咆哮を放った。水龍の咆哮は水の中ほど威力を発揮する。アシュラはこの咆哮に少しアレンジした。水龍の咆哮は螺旋回転をしながら放たれる。自身の体が耐えれるように適応させて、意識認識の拡大をしたのだ。


 ゼウスは少し口角を上げた。


 体に星の紋様を刻むと一番上の右手の一閃の手刀で水龍の咆哮を斬って魅せた。だが、手刀を放った右腕の皮膚は破れていた。だが、その一閃は簡易的な海を真っ二つに斬っていた。アシュラは辛うじて一閃を避けたがゼウスのその攻撃のインパクトに衝撃を受けていて次の手が遅れた。だから、一歩踏み出して距離を詰めたゼウスの一番下の右腕の五指で辛うじてガードしていたアシュラの両腕の筋肉は龍鱗さえも貫いて抉られた。そして、上から三番目の右腕で追撃のジャブを当てられてアシュラは飛ばされた。


 大人気ない。手加減ってものが分からんのか⁉


 アシュラは愚痴を零す暇なく急いで回復して神龍の力で地面に三メートルほどある草を広範囲に生やした。だが、そんなものは意に介さなかった。


「飛べ」


 瞬間移動をしてアシュラの進行方向を塞ぐと一番上の右手に左手を覆い大きく振り被った。


 舐めやがって。


「咲け。毒花!」


 ゼウスの四方八方に大きな花が咲いた。その花からは毒を持つ花粉が噴出された。


 ゼウスは笑った。


「見事。このゼウスにもう一枚カードを切らした」


 ゼウスは上から三番目の両腕で拳を合わせた。すると、毒花は粉々になって吹き飛んだ。アシュラは次善策を取らなければいけないが、頭に強烈に?が浮かんだ。ゼウスは一番上の両腕を振り下ろしてアシュラの頭に殴った。アシュラは地面に埋まるほど、強烈に叩きつけられた。


「やり過ぎたか」


 ゼウスはハートの紋様をアシュラの体に刻んだ。すると、アシュラの体の傷は無くなった。


「立て。続きだ」

「待て。シックスセンスは何個持っているんだ。河童でも龍でも竜でもないのに」

「フン。このゼウス、両腕が五本ある。それが、答えだ」

「そういうことかよ、クソッたれ。次だ」


 アシュラは瞬間移動をして仕切り直した。木龍の力でとにかく高い木の壁を四方八方に出現させた。そして、瞬間移動をした。ゼウスが瞬間移動をしてやって来た。


「ふむ。どこからでも掛かって来い」


 ゼウスは腕を組んで直立したまま静止した。だから、アシュラは遠慮なく攻撃することにした。四方八方に囲まれている気を棘のように細く分解すると、ゼウスの真上から雷を落としてから、全ての棘を放った。ゼウスは上から三番目の両腕の拳を合わせた。すると、全ての棘と雷は反射された。


「まあ、そうなるわな。だから、意識認識を拡大させたんだ」


 反射されてベクトルが変わっていた雷と木の棘は爆発した。だが、その爆発も弾かれてゼウスに傷一つ付けることができなかった。


「これで、終わりか?」

「否。俺はずっと待っていたんだ。この瞬間を」


 龍鱗を纏ったアシュラは木の枝から上空に浮遊した。ゼウスが顔を上げてアシュラを見た時、アシュラの顔が見えなかった。太陽と重なり見えなかったのだ。


「フン」


 ゼウスは目を瞑った。ゼウスを照らすようにしか光が届いていなかったからだ。あとは、空が暗く染まっていた。その光もアシュラに吸い込まれて行った。そして、世界は完全に真っ暗に染まった。アシュラは白龍と黒龍力を同時に使った咆哮をゼウスに放った。


「簡易領域」


 ゼウスの頭上に影ができてそこから、大きな十本の腕が出て来た。その手の上には大きな星の紋様が描かれていた。


「何を⁉」


 大量のオーラを纏った五本の両腕は同時に一回手を叩いた。練度の高いオーラが星の紋様を通り倍増してアシュラが放った黒龍を弾きアシュラの体内のオーラを強烈に揺らした。アシュラはそのまま、ゼウスの腕の中に落ちた。


 ゼウスはアシュラにハートの紋様を刻んだ。すると、アシュラは目を覚ました。


「この世界の光を一ヵ所に集めたその力量、恐るべし。だが、アシュラ。貴様の本来の戦い方は近接戦。故に、恐怖で体が震えるなどは、貴様は絶対にしてはならん」




「さあ、アシュ。恐怖は上書きされたかな?」


 ゼウスは戦いが終わるとすぐにニケとサウルスの元へ瞬間移動をしてアシュラを渡した。サウルスはアシュラの体を隈なくチェックした。傷一つ無かったのを確認して一安心して胸を撫で下ろした。ニケはアシュラが怪我がないことの確認を終えてニコニコして話しかけて来た。


「刻印のおかげでオーラ量は間違いなくアシュの方が上だった。シックスセンスも間違いなくアシュはゼウスに負けないぐらいいいものを待っている。ゼウスの厚くて高い壁を感じた?」

「おう。俺が感じていたインドラへの漠然とした恐怖より、目の前のゼウスの方が断然怖い。こんなもんに近づこうなんてできなかった。体が震えるから」

「うんうん。こんなもんに近づこうなんて体が震えるよね。インドラとゼウスだったら、どっちに近づきたい?」

「断然、インドラ」

「フフフ」


 ニケはアシュラの頭を滅茶苦茶に掻いた。そして、満足すると、ゼウスに相対した。


「次、ニケとやろうよ」

「ふむ。サウルス。まずは、貴様からだ。このゼウス相手に善戦してみせよ」

「「何で⁉」」

「貴様はアシュラに依存し過ぎだ。そのアシュラが将来危険な目に遭いそうになった時、アシュラをアシュラの魂を守りたいとは思わぬか?」

「僕は、このままでは、アシュを守ることができないって言うの?」

「では、言い方を変えるか。次にデストロイが来た時、貴様はアシュラのために何ができる?足手纏いになってまた、寝取られるのか?」

「「ゼウス!」」

「ニケ。僕も一回ゼウスとやる。今の言葉を覆させる」


 サウルスはアシュラを力任せにニケに渡した。いつもなら、アシュラのことを大切に扱うサウルスがそこまで気を回せなかった。それほどまでに、今の言葉は、サウルスの心の傷を折角アシュラが縫ってくれた傷を広げるものだった。


 僕は、アシュラのために、前の自分から変わるためにちゃんとこの二年間、今も努力をしているんだ。


「では、はじ・・・」


 アシュラが浮遊してサウルスにキスをした。そして、自分とサウルスの唇を少し噛んだ。血が流れた。サウルスはマズイと思ってアシュラを離そうとした。


 僕の血を吸ったら、いくら、アシュの適応があっても体にガタが来る。神龍と神竜の力よ。テラノとシャーンのフィジカル。そして、ミケの助けがあって何とか、シャランとキュウは血に耐えれたのに。アシュは一体何を企んでいるの⁉


 フン。血の特性に気付いてはいるか。案外、早く解決できるか?


「アシュ。何をしているの?」

「神竜の血に眠るシックスセンスを整理整頓しているのだろう。今まで手に入れたもの全てを」


 アシュラは適応して意識認識の拡大をして龍と竜の血に眠るシックスセンスを整理整頓していた。


 お互いの血はお互いに体に害はない。なら、お互いの血を全部混ぜるか。


「この経験はかなり有益かもしれぬな」


 やがて、顔をお互いに真っ赤にしたアシュラとサウルスはキスを止めた。唾が糸を引いて離れた。


「おまけをした。河童の構造はさすがに無理だったけど、竜と龍は基本はおんなじ構造だから、問題なく使えると思う。頑張れ」

「アシュが、僕の中に・・・。僕の一部に。負けられない。僕は絶対、ゼウスを一発ぶん殴る」

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