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TSURITOー繋げた未来  作者: カバの牢獄
第三章 愛の紡ぐ未来
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第三章 25 超人

「ニケ姉、おかえり。どうするの?」


 ニケがアシュラを抱いて河童の村に戻って来た時、キキの姿は既に無かった。ミケはミキとエマ、インドラの寝顔を見ながら酒を飲んでいた。


「うーん。アシュとインドラは今日はここで寝させてもらっていい?」

「うん。アシュのことと占いだね」

「うん。インドラのことも考えられるけど。だから、ちょっと、ゆっくり話そうと思う」

「うん。じゃあ、ゆっくりしておいで」

「ありがとう」


 ニケは瞬間移動をして天空に帰った。




 シューンは今日一日、六人の五歳の龍王相手に一人で遊んでいた。龍王たちは龍のシックスセンスを扱えるようになり、より活発に動くようになったため、シューンはくたくただった。だから、龍王たちが眠った後、神龍の尾を枕に眠っていた。そんな時、頬に衝撃が走った。シューンは目を擦りながら起きると目の前にはニケがいた。


「お疲れさん」

「遅かったじゃないか。てっきり、今日は河童の村に泊っているとばかり」

「その、つもりだったんだけど、今日、あったことを耳に入れておかないとってね」




「そうか。アシュは大丈夫そうなんだよな?」

「うん。怖いのはインドラだよ。誰だってシックスセンスを初めて使う時は暴走してしまう。インドラがアシュほどのシックスセンスを、自分の望みとは違うシックスセンスを手に入れていた時、それを初めて使う時が来たら気を付けないといけない。だって、インドラは普通の赤ちゃんなんだから」

「そりゃそうだろ。アシュが異常なんだ。インドラには常に気を配ろう。一つ、俺様にできることがあるとしたら、インドラがシックスセンスを初めて使う前に誘発させることだ」

「それは、勝手にインドラにシックスセンスを無理やり使わせるってことよね?ニケは反対。だって、インドラのシックスセンスは分からないもの。それに、シックスセンスを使うのが早すぎて死んでしまうことがあったら怖いもん」

「もちろん、俺様たってすぐにとは考えていない。それに、アシュがシックスセンスを十分に使い熟すまで待った方がいいだろう。俺様たちは過去からのメッセージをちゃんと受け取らないといけない」

「メッセージ?」

「そう。誰が何のために、どういう条件でアシュとインドラに予めシックスセンスを与えていたのか?」

「ミケに頼んでみる。遺伝子にそういう仕掛けが可能なのは知ってるから」

「ああ、頼む。それで、今日はどうするんだ?」

「今日は河童の村で皆と一緒に寝る。だから、また、明日もお願い」

「ああ。分かった。アシュと話すのを楽しみにして待ってるよ」

「うん。楽しみにしてて」


 ニケは瞬間移動をして河童の村に戻った。




「早かったね、ニケ姉」

「うん。ニケももうちょっと時間が掛かると思ってたんだけど、意外と早く終わっちゃった」

「そっか。見て」


 ニケとミケは目の前で寝ている赤ちゃんたち四人を見た。ミキ、エマ、インドラ、アシュラと並んでいて皆健やかに眠っていた。ニケはミキの真っ赤な髪を、エマの黒髪を、インドラの緑色の髪を、アシュラの黒髪を順に撫でた。


「ホント、不思議。この見た目であんなに話せるんだから。もしもの時はお願いね、アシュ」




「さて、今日も挨拶回りに行こうと思ったけど、何で来たの、サウルス?」

「暇だったから」


 そういうサウルスは朝から走ってやって来ていた。そして、既にアシュラを抱っこしている。ミケはそんなサウルスに呆れていたが、ニケは違った。含み笑いでニッコリと見ていた。


「まあ、サウルスの心の扉が開いたんだからいいじゃん。じゃあ、超人に会いに行くよ」


 ミケはエマを抱っこして後ろにミキを背負うと瞬間移動をした。ニケはインドラを抱っこするとサウルスも瞬間移動をさせて超人の村に移動をした。




「ははっ、相変わらずここは凄い。楽しい」


 ニケは超人の村に上陸してすぐに楽しくなった。ヤバい植物の匂いがするとかではない。その土地の弾力性にだ。


「初めて来たけど、ここまでとは」

「だから、超人の村を最後に回したんだよ」


 サウルスとミケもぴょんぴょん跳んで楽しんでいた。そうして、楽しんでいると奥から超人の村の長であるルイが現れた。


「楽しんでくれてなによりです。どうですか、この土地食い植物は?」


 土地食い植物。それは、超人の村を囲っている植物だ。その土地食い植物を説明する前に、先に超人について語ろう。超人。人を超えたものと書いて超人だ。超人は見た目は人だ。そこらへんは、河童や鬼、竜、龍などと全然変わらない。では、超人が超人と言われる所以は何なのか?


「あらら、無視ですか。そこにいるのは竜人のサウルスさんか。確か、ここに来たのは初めてだったかな」


 ルイは足の筋肉を収縮させた。そして、サウルスの前に跳んで、腕をバレーのレシーブのようにピンと伸ばした。


「サウルスさん。乗って思い切り踏んで見てください」


 ルイとサウルスはオーラを軽く纏った。そして、サウルスがルイの腕に両足を踏み込むとズンッと沈み、まるで、トランプリンのように腕がしなって飛んだ。雲を突き破り、十時ごろの太陽の位置より遥かに高く宙に上がっていた。


「凄い。さっきの植物より、弾力性が桁違いだ。ねえ、アシュ」

「ああ。この感覚は癖になりそう」


 すると、ニケとミケも同じように跳び上がって来た。


 超人が超人と言われる所以がこれなのだ。体の柔軟性と筋肉の超弾力、そして、強固な骨。この強靭な人間離れした体故に超人なのだ。では、超人の起源に遡ろう。超人はフロンティアに住む生物と融合したのだ。跳び貝。強固な貝殻で身を守り、歯で髪切ることのできないほどの弾力性を持った貝。これを人間の体と融合したのが超人の始まりだ。これにより、現在の超人のスタイルをほとんど手に入れた。が、超人たちはまだ諦めなかった。更なる強靭な体を求めたのだ。そこで、目を付けたのはフロンティアで生き抜いているネズミだった。ネズミは誰よりも、どの生物よりも速く走ることでフロンティアを生き抜いていた。その秘密はネズミの筋肉にあった。緊密度が異常に高いために生き抜いて来れたのだ。その筋肉を手に入れるためネズミも融合したのだ。この二つの生物を融合して現在の超人が成り立ったのだ。融合は欲しい特徴だけを融合した。もちろん、超人の誕生の過程にはたくさんの犠牲者が出た。だが、一度超人が誕生すると、遺伝して死者はいなくなった。その超人の子孫にして現在の長がルイなのだ。ルイは長だけあって当然、他の超人よりも強靭な肉体を持っている。


「相変わらず、ルイは楽しませてくれるね、ミケ」

「うん。この感覚は凄く楽しいよね」


 ニケはインドラが楽しんでいるのを見て嬉しそうにしながら、ミケは背中で腕で暴れてい楽しそうにしているミキとエマを見て嬉しそうにしながら、笑っていた。先に自由落下していたサウルスはアシュラのキラキラした目に目を奪われながらそれぞれが楽しんでいた。




「さて、来てくれて嬉しいです。どうぞ、ルシファーとルカの顔を見てやってください」

「その間にルンたちはアシュラ君とインドラちゃんとミキ君とエマちゃんを楽しんでいい?」


 ルン、ルイの奥さんはムチムチボディーで胸は普通ぐらいの大きさで顔は黒色の目がとても大きくクリッっとしていた。


「もちろんいいよ。でも、ニケ。久しぶりに先に楽しみたいんだけど・・・」


 ニケとミケは赤ちゃんを布団の上に置くと両手をグーパーして瞳に怪しい光を宿した。サウルスもアシュラを布団の上に置くとその二人の様子に怖いものを感じながら尋ねられているルンを見た。ルンは咄嗟に胸に手をやっていた。


「ダメッ!」


 ニケとミケはルンの返事を聞くよりも速く動いていた。ルンの胸に手を伸ばして揉み始めていた。


「筋肉が張っちゃったらどうするのっ!」

「ミケたちは知ってるんだよ。超人は小さい時に筋肉を緩める訓練をしてることを。こんなことで、張るわけないじゃん」

「止めてえぇぇ!」


 ニケとミケは無言でルンの胸を揉み続けていた。サウルスはだんだんと気になり始めて自然と足が運ばれて手を伸ばしていた。後ろから抱き着くようにして両胸を軽く握って見た。張りが違った。


「これは・・・楽しみたくなる」


 サウルスもルンの体を楽しみ出してしまい、ルンが限界を迎えるまで没頭してしまった。




「わあ、ルシファーとルカのも弾力がある」


 サウルス、ニケ、ミケは超人の赤ちゃんの頬をツンツンと弾いていた。軽く頬を押すとすぐに突いた指を弾いてくれる弾力性が既にあった。三人はその感触が忘れられずに何度も何度も突いていた。


「鬼と河童の子も中々に力強いわね。指をしっかり握ってくれる」

「俺もビックリ。でも、超人じゃない体もいいなあ」

「ねえ」


 ルイとルンは次はアシュラとインドラの前に移動した。インドラは笑っていたがアシュラは笑っていなかったため、不機嫌そうに見えた。


「ニケの子なのにアシュは笑ってないねえ」

「だね。俺はインドラちゃんの方を楽しむよ」

「ちょっ、ズルいよ」


 アシュラはちょっと嫌な気持ちになったためオーラを纏って浮遊してルンの胸に飛び込んだ。少しだけ弾かれてしまった。


「とっ、飛んだっ!」


 ルンは思わず叫んだがすぐにアシュラをキャッチして抱っこした。


「すげえ、また、違った感覚。こういう感覚だったのか」

「しゃっ、しゃっ、喋ったあぁぁぁぁ!」


 ルイはその様子を見て驚きの余り声が出ず、抱っこしていたインドラのことを一瞬忘れていた。だから、鳩尾を軽く殴られてインドラを抱っこしていたことを思い出した。その光景をサウルスとニケとミケはクスクスと見て笑っていた。


「ニケ!喋ったよ、喋ったよ!もしかして、初めてなんじゃないっ!ねえ、ねえ!」

「いや、サウルスに話したのが一番最初かな」

「かっ、かっ、会話してるぅぅぅ!」


 ルイもルンもアシュラが喋るのに馴れるのに時間がかなり掛かった。ルンとルイはアシュラを布団の上に座らせて目線を合わせて話し始めた。


「まだ、生まれて一週間ぐらいよね。いつから話し始めたの?」

「昨日。一週間ぐらい様子見て初めて話すタイミングを伺ってたんだけど、サウルスに俺が話せることがバレてしまったからさ」

「へえ。凄いなあ。シックスセンスの影響かい?」


 こくり。アシュラは頷いた。オーラを纏って無理して話しているが顔は自然と笑みを浮かべてウキウキして楽しそうだった。


「何の、シックスセンスなの?」

「適応と意識認識の拡大」

「へえ。この一週間で目覚めたのかい?」

「違う。お腹の中」

「「っ⁉」」


 二人は思わずニケを見た。ニケたちはルシファーには興味を無くしルカに夢中になっていた。


「マジのマジ。大マジよ」


「まあ、そうでないとおかしいよね。うん。信じるよ。でも、何と言うか、その姿でバンバン喋ってるのって違和感が凄い」

「だね。アシュラ君は大人びている。そして、才能に満ちている。とても早くにその才能が現れている。きっと、誰かからの作為があるのだろう。だとしたら、俺から言えることは一つだけだ。この先、必ず大変なことが起こるだろう。強く生きるんだよ」


 ルイは根拠はないが、アシュラが背負った運命をなにか感じたのだろう。アシュラの目を真正面から真っ直ぐ合わせて真剣に語った。ルンは思わず、ルイを睨んだ。まだ、生まれて一週間ほどの赤ちゃんに、いくら、精神的に成長しているからと言って、未来を不安にさせることを真正面から言うなんて、と。だが、ルンのそんな心配をよそにアシュラは力強く頷いた。


「元よりそのつもりだ。やれやれ、厄介この上ない」


 ルイとルンはアシュラの精神の成熟の早さにただただ舌を巻くしかなかった。

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