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TSURITOー繋げた未来  作者: カバの牢獄
第三章 愛の紡ぐ未来
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第三章 15 インドラはアシュラの姉ちゃん

「ホントにインドラはアシュの姉ちゃんね」


 『セツナ』は同じように虹色の翅を生やしたインドラに背を向けて一気に加速して飛んだ。インドラも当然、すぐに加速して追いかけて来た。『セツナ』はその際にお尻から新たな神龍が得ていたシックスセンスを使った。粘着性のある蜘蛛の巣が急速に広がって飛び出した。インドラは咄嗟に止まったが、捕まってしまった。それを流し見しながら後ろを見ていた『セツナ』は回れ右をして、大きく息を吸うと水と雷を融合した咆哮、雷水龍の咆哮を放った。インドラは星を三つずらして重ねた紋様をしている瞳でその方向を反射した。


「私より優位に立とうってならもっと連続攻撃が必要よ」


 インドラは雲の糸をアシュラから吸収していたツリトのオーラで鋭い斬撃を飛ばして斬った。そして、インドラが『セツナ』を追おうとした時、後ろから衝撃が走った。


「うん。インドラなら簡単に対処できると思って何重にも攻撃を仕掛けるよ」


 インドラは目を凝らして小さく見えている『セツナ』を見た。水鏡の中にインドラが反射した『セツナ』の咆哮が入っていた。そうやって、インドラが分析している内も後ろから衝撃を受けていて。だから、インドラは『セツナ』の後ろに瞬間移動をした。そして、眠らせようとした時、後ろを向いたままの雷と炎を纏っている『セツナ』が翅を羽ばたかせてインドラに突進した。インドラは全身に衝撃が走って飛ばされた。


「インドラは瞬間移動をしたら絶対後ろにいるからね。見なくても分かるよ。ところで、『セツナ』が虫のシックスセンスだけ研究していたと思う?」


 『セツナ』は透明になった。カメレオンのシックスセンスだ。このシックスセンスは存在を五感からは完全に感知できなくさせることができる。『セツナ』は大きく息を吸った。今度は一番得意とする炎水龍の咆哮、まずは、氷による物理攻撃だ。インドラは突如消えた『セツナ』の姿に驚きつつ、オーラで知覚できることを冷静に見極めた。そして、ツリトの斬撃を飛ばそうとしたところ、突如、氷の柱が出現してかなりの勢いで飛んで来た。インドラはベクトルを逆にして対応していると徐々に異空間の室温が下がって来た。


「何を企んでいるの?別に寒くなっても私の動きは鈍くならないわよ」


 すると、突如、異空間の室温が急激に上がった。『セツナ』の炎水龍の咆哮は二つの性質を持つ。一つは先ほどの氷による物理攻撃。そして、もう一つが熱風だ。水龍の力により無限に湧き出る水を炎龍の力で急激に燃やす。この、熱風は氷の物理攻撃よりも断然に速くより、目標に到達するスピードが速い。故に、インドラはいきなり、急激な温度上昇を感じたのだ。


「こんな、熱風、大したことなんてないわよ。何を狙っているの?」


 すると、インドラの視界が徐々に悪くなった。濃霧が発生したのだ。濃霧に気を取られていると再び氷の柱が一直線にたくさん飛んで来た。インドラは一発食らってしまったが、それ以降は再びベクトルを逆にして攻撃を防いだ。そして、しばらくすると、また、濃霧が発生した。同じことを何度も繰り返していると、インドラとセツナに異変が訪れた。今度は視界が狭まったのだ。濃霧の影響ではない。所謂、整うのやりすぎ、熱中症だ。急激な温度変化を何度も繰り返したのだ。フラフラにもなる。


「まだまだ」

「地味、だけど、一番効果的ね。今は、耐えるしか、ないかな」

「やり方を変えようかな」


 『セツナ』は炎の性質を変えた。同じように咆哮を放った。氷の柱がインドラに飛んで行く。インドラは同じようにベクトルの向きを変えようとした。だが、止めた。嫌な感じがした。インドラがフラフラな意識の中でただ、それだけを感じた。だから、インドラは敢えて避けた。避け続けた。やがて、氷の柱が異空間の床にぶつかった時、氷は急速に燃えて大量の霧が発生した。


「やっぱり。そろそろ、私も反撃を始めよっか」


 インドラは大きく息を吸うと白龍の咆哮、光を集めて放つ咆哮を放った。これにより、一瞬だけ異空間が暗闇に染まり、そして、急激に明るい光に包まれた。『セツナ』は無視して咆哮を放ち続けた。インドラの白龍の咆哮は『セツナ』の炎水龍の咆哮と相打ちになったが霧はじゃっかん晴れた。そして、インドラは正確に『セツナ』の位置を霧の違和感で視界に入れると瞬間移動をして違和感に合掌して一撃を食らわせた。『セツナ』のカメレオンのシックスセンスは解けてしまった。


「はあ。はあ。もう、諦めてくれるかなあ?」


 インドラは呼吸を整えて目元にオーラを集中させた。先ほどの戦いでオーラの残滓が飛び交っているため大量にオーラが溜まった。隈取は異空間ではこのような使い方でしか使い熟せない。『セツナ』も息を整えながらインドラの様子を見ていた。『セツナ』はずっと違和感を感じていた。インドラならもっと簡単に先ほどの攻撃はしのげれるはずなのにギリギリまで効果的な攻撃は仕掛けて来なかったことに。『セツナ』はその違和感を一度棚上げして、今はただ、目元にオーラを集中させているインドラから逃れることを優先することにした。セツナは目の前に大きな水鏡を二枚重ねて出現させた。インドラは当然、真後ろに瞬間移動をして来るだろう。だから、手前の水鏡に入って移動をしようとしたところ、インドラは真下に瞬間移動をしていた。


「なっ⁉」

「やっぱり、重ねてた」


 インドラは『セツナ』の両足を掴んだ。『セツナ』は足を掴まれたと同時に、雷と炎を纏って虹色の翅を羽ばたかせると一瞬で水鏡の中に入った。『セツナ』は光速で飛び回ってインドラを振り落とそうとしたが中々落ちてくれなかった。ただ、インドラも自身のシックスセンスを使う余裕がなく、目元に相変わらずオーラが集中しているが両手にもオーラが集中していて必死に掴んでいた。


「しつこいなあ」


 『セツナ』はインドラに掴まれている足からたくさんの吸盤が付いた足を出現させた。これも、神龍の吸収していたシックスセンスの一つである。


「っ⁉」


 『セツナ』は吸盤が付いている足を切り離すとインドラも一緒に離れることとなり、『セツナ』は更にスピードを上げて飛んで行った。インドラはすぐに追いかけようとして翅を羽ばたかせようとした。が、できなかった。吸盤が翅を広げる邪魔をしたのだ。


「鬱陶しい」


 インドラはツリトの鋭い斬撃を飛ばして吸盤の足を斬ると翅を更に大きくして広げた。


「ちょっと、少しだけ意地悪しようか」


 インドラは木龍の力を使って自身と同じ姿の五人の分身を眼にオーラを集中させて出現させた。


「それぞれ、炎、水、雷、光、闇の咆哮のみに集中しなさい」


 『セツナ』はこの均衡を崩したかった。


「一見、私の方が優勢だけど、インドラの底がまだ見えない。今は、ニケさんだけを憎んでいるからいいけど、このままじゃあ、いつ、あの危険状態になるか。っ⁉分身もインドラの眼が使えるの⁉」


 『セツナ』はインドラの眼にオーラを集中させているのを見て感じてそう考えた。だから、大きな氷を出現させてインドラの分身の視界に入らないようしした。すると、分身のインドラは基本の炎、水、雷、闇、光の咆哮を放って次々と氷を砕いて行った。


「っ!このままじゃジリ貧ね水鏡を使って移動するしか・・・」

「どこに移動するって?後ろが疎かだよ『セツナ』」


 いつの間にか、真後ろにいたインドラは合掌して振り被っていて後頭部の龍鱗をも砕く勢いで振り下ろされた。『セツナ』は真下に急落下した。


「そろそろ、眠ってもらうよ、『セツナ』」


 インドラは眼に溜めていたオーラを使って眠らせようとした時、『セツナ』が脱皮した。


「は?・・・あの繭の中にいた時のシックスセンスね」


 脱皮した『セツナ』の体にはより輝いた龍鱗を纏っていた。それだけではない。オーラの量も練度も上がっていた。纏っている炎と雷の輝き、温度も明らかに違っていた。翅を少しだけ動かした。消えた。少なくともインドラにはそう見えた。インドラは気付いた時にはお腹に衝撃を受けて異空間の壁を突き破っていた。


「ぐはっ」


 インドラの口から血が零れた。急いで回復のシックスセンスで体を回復させた。だが、その間に、『セツナ』は大きく息を吸っていた。


 来る。


 『セツナ』は白龍の咆哮を放った。一瞬視界が黒く染まってからの眩しい閃光の咆哮が放たれた。インドラは急いで瞬間移動をして『セツナ』のいない場所に移動をした。


「ちょっと、まだ、掛かりそうなのよね。どう対応しようかしら」


 水鏡が現れた。『セツナ』が出て来た。『セツナ』は胸や局部に蜘蛛の糸を巻いていた。脱皮した時に服が脱げていたのだ。


「どう?ちゃんと隠せてる?」

「さあ、眠ってくれない?」

「インドラの夢の中で眠ってあげるよ」


 『セツナ』は翅を少しだけ羽ばたかせてインドラに突っ込んだ。インドラの顎を殴ろうとした時、逆に顎を殴られていた。


「どんなに速くて見えなくても視線でどこに来るかはある程度予測できる。そしたら、その予測ポイントに先に拳を置いていたら必ず当たるよね。威力はあくまで予測だからそんなに出ないんだけど」

「さすがは、アシュの姉ちゃんだわ。もう、対応できてる」


 『セツナ』は少し飛ばされた先で脳の揺れを感じながら何とか、喋ると一度大きく深呼吸してから、大きく翅を羽ばたかせて風を起こした。その風はオーラの粉を運んでいたため、インドラは『セツナ』の後ろに瞬間移動をした。『セツナ』はそれを確認すると反転してまた、インドラの方に向かって大きく翅を羽ばたかせて風を起こした。当然、オーラの粉も運んでいる。インドラはまた、瞬間移動をして逃げた。これを続けているとインドラは違和感に気付いた。真下にオーラの粉が堆積していることに。それに気付いた時、インドラの視界が白く染まった。これは『セツナ』が直接インドラに攻撃したためではない。間接的に攻撃をしたためだ。『セツナ』が飛んでインドラと距離を詰めた。後ろから抱き着いて首を絞めようとした時、インドラの瞳の紋様がハートに変わっていたことに気付いた。


「とりあえず、移動しようか」


 インドラは『セツナ』と一緒に瞬間移動をした。そして、インドラはもう一度瞬間移動をして、『セツナ』に触れると『セツナ』の手の甲にハートの紋様を描いた。


「そろそろ、終わりにしよっか」

「その状態だと、私に勝つのは無理でしょう?」


 インドラは『セツナ』のオーラを手の甲に刻まれたハートの紋様から吸収していた。


「どうやら、私のもう一つの奥義は使わないで良かったみたい」


 『セツナ』は大きく翅を羽ばたかせてインドラに突進しようとした。できなかった。オーラの流れが乱れたのだ。


「だから、無理だって。諦めて大人しくしてね。『セツナ』の新技はしっかり利用させてもらうよ。参考になったからさ」

「なんか、勝ちムーブを出してるけど、『セツナ』は負けないよ。アシュにインドラを止める役割を担わせるわけには行かないから。それに、もう、戻れないから。だから、簡単に諦めてなんかあげない」


 『セツナ』はわざとオーラの流れを強く乱した。『セツナ』のオーラを吸収していたインドラは突然のオーラの乱れに釣られて自分のオーラの流れが乱れてしまった。絶好のチャンスだ。『セツナ』は一瞬でインドラに詰め寄るとインドラを吸収するようにして融合した。


「さあ、インドラ。ニケさんを殺そうとするなら、『セツナ』はセツナたちはインドラの心に触れてあげる。その負の思考回路に新しい価値観をぶち込んで、また昔みたいにアシュも加えて楽しく暮らそう」

「ですです」「うん」「「だね」」「ふむ」

「私はアシュの記憶を消したっていう母さんをどうしても許せない」


 やはり、記憶が混濁して精神が不安定のインドラは耐えきれないトラウマを忘れて自己を守っていた。そんなインドラにどう、トラウマを乗り越えさせようかと六人は静かに考えた。

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