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TSURITOー繋げた未来  作者: カバの牢獄
第三章 愛の紡ぐ未来
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第三章 14 神龍の血

 インドラは瞳に星を三つずらした紋様を描いた。目には歌舞伎の隈取のような太い紋様が描かれている。


「悪いけど、あんまり、もたもたできないの。アシュが来る前に母さんを戦わないとだから」


 インドラは全てを燃やす炎を強風に乗せて『セツナ』に放った。『セツナ』は雷を体に纏ってその炎から逃れた。が、強風に乗った炎は進行方向を変えながら勢いを増して『セツナ』を追っていた。


「そう来ると思ってたからね。だから、その、炎と強風はどこまでも、『セツナ』を追うよ」


 『セツナ』は進行方向に水鏡を出現させると入って移動しようとした。しかし、その進行方向、水鏡の方向に、インドラは瞬間移動して塞いだ。挟まれた。


「さて、追加でベクトルを変えるよ」


 インドラは『セツナ』が今掛けているベクトルを真逆に、強風に乗った炎の方向に変えた。『セツナ』は逃げようとして逆方向に、つまり、インドラの方向に移動しようとしたが、逆に、強風に乗った炎に近づいてしまった。


「そういうことねっ!」


 『セツナ』は敢えて、強風に乗った炎の方向に進もうとした。すると、『セツナ』はインドラ方向に進んだ。


「わざわざ、ありがと。近づいてくれて」


 インドラは両手を合掌すると振り上げて『セツナ』の頭に鉄槌を食らわせた。インドラの体は龍鱗を纏っている。その、威力は絶大で、インドラが作った異空間の部屋に穴をどんどんと開けて行くほどに。


「こんなんじゃ、『セツナ』は眠ってくれないんでしょ?」


 インドラは再び瞬間移動をしてセツナに前に現れたが、その瞬間、『セツナ』は水鏡に入って移動していた。


「へえ、やっぱりるなあ。でも、ダメージは絶大だね」


 異空間には血の痕跡が残っていた。先ほどの、インドラの攻撃で頭から血が出たのだろう。


「まだまだ、行くよ」


 インドラは『セツナ』の後ろに瞬間移動をすると、もう一つ、強風に乗せた炎を出現させようとしたところ、セツナは雷撃を全方位に飛ばした。インドラはギリギリ炎で雷を燃やしたが、『セツナ』は鋭く尖った枝を無数に飛ばした。その、枝も、炎は焼き尽くすのだが、問題は燃やした瞬間だった。『セツナ』は枝に毒を融合していた。


「チッ」


 インドラは思わず舌打ちした。異空間は密閉されている。空気の循環はされない。だから、インドラは毒が広がらない内に毒を無効化する大部屋を作って瞬間移動をして大部屋の外に移動をした。『セツナ』はそれを見て雷と炎を融合させてから、水鏡に入って移動した。そして、龍鱗を纏っている体から本来は羽は生えていないのだが薄い、トンボのような翅を生やした。


「一瞬で融合して、また、内側から攻撃する」


 インドラはその頃、強風に乗った炎をたくさん作っていた。それも、時間が経つにつれて、大きくなっていた。その強風に乗った炎を『セツナ』に追いかけるようにした。


「私にはもう触れさせない」


 『セツナ』はインドラが全く近距離で攻めて来ないことに、違和感を感じていた。


「どうして、近距離戦でもっと攻めて来ないの?悔しいけど、力じゃボロ負けなのに」


 インドラは神龍と河童から生まれた子供のため、神龍の力を十分に発揮しやすくそれに応じて、肉体の強度も高いはずなのだ。それなのに、その武器を用いずに戦うインドラに違和感を感じていた。


 セツナはたくさんの水鏡を出現させた。そして、その水鏡に炎を纏わせた雷撃を飛ばした。


 インドラは突如、現れた自身の目の前にある水鏡を見て、瞬間移動をして、『セツナ』のところに逃げた、つもりだった。水鏡も一緒について来ていることに気付くまでは。


「『セツナ』もそりゃあ、工夫するよ」


 インドラは炎を纏った雷撃を受けて大爆発に見舞われた。




「ねえ、皆、もし、次、私がどうしようもないほど、暴走した時は遠慮なく殺すつもりで向かって来て」


 アシュラがツリトになった翌日、インドラは十歳でセツナたちは十五歳だ、涙の跡が残っている顔に無理やり笑みを浮かべていきなり話した。インドラは悟っていた。これから、アシュラや母と交流ができなくなるため、また、悪い方向に行ってしまうと。だから、どうしようもなくなってしまった時、今度は成長しているため危険度を増しているから、殺してでも止めてくれる人を探していた。


「父さんは、きっと躊躇ってしまう。だから、私を止めれるのはセツナたちだと思うの」

「待って。インドラがシューン様より強くなるとは限らないじゃない。それに、セツナたちのインドラへの愛情を侮らないで」

「なのです」「そうだよ」「「うん」」「うむ」

「でも、こんなことはセツナたちにしか頼めない。フロンティアからの助け、母さんは来れないからきっと無理。父さんは私を力づくで抑えることは最後の最後で躊躇ってしまうと思うの。だから、お願い」

「インドラの気持ちは分かるのです。でも、まだ、第三の可能性がありますよ」

「第三の可能性?」

「アシュが、ツリト君が自力でアシュに戻る可能性です。そしたら、フロンティアの外にいるアシュならインドラを止めに来てくれるのです」

「でも、あのフロンティアの王のゼウスの封印を解くってことだよ。さすがに、記憶もないアシュが自力で解くなんてそんなのできるはず・・・」

「この話はできるできないの話じゃないのです。ツリト君が気付き解こうとするかしないかの話なのです。アシュは何でもできる男の子です。だから、第三の可能性のことも頭に入れていてください」

「うんっ!・・・でも、でもね、次善策としてもちゃんと考えていて欲しいの。私が頼れるのはセツナたちだけだからさ」

「分かりました。でも、インドラ。そんな後ろ向きな考え方を常にはしてはいけませんよ。こんな話は今回限りにしてください。でも、忘れないでくださいね。私たちは間違いなく、誰にも負けないぐらいインドラにちゃんと愛情はありますから」


 龍王たちは自信があると言わんばかりに大きく胸を張って笑って頷いた。


「皆、ありがと」


 ウォーはインドラを抱きしめた。それに呼応して龍王たちも囲んで抱きしめた。インドラは声を上げて泣いていた。





 煙が徐々に無くなり、視界が良好になった。そして、見えたのが無傷のインドラだった。


「やっぱり、こんなんじゃ、眠ってくれないよね」

「今のは危なかったなあ。間一髪で何とか吸収したよ」


 インドラの四方八方の空間は歪んでいた。


「じゃあ、今度は私からだね」


 インドラの後ろからは強風に乗せられた炎がいくつも、既に凄く大きくなっている、が飛んで来た。


「っとに、タフねえでも、今回ばかりは有利に働くかも」


 龍鱗の上に雷と炎を纏っている『セツナ』は背中の翅を羽ばたかせて、インドラを一瞬で抱いてそのまま、異空間の壁を突き破り続けた。その間、抱き着いている時に、炎と雷の攻撃を食らわしている。


 何⁉一瞬で詰め寄って来た。シックスセンス?んん、違う。あの翅。私の知らない神龍の力ね。どうする?このままじゃあ、精神をまた攻撃される。反転?でも、オーラに干渉はできない。即興だね。


 インドラは左目の瞳で自身の体を著しく小さくすると、右目の瞳で瞬間移動をして『セツナ』の後ろに回ると体を元に戻し、神龍の咆哮、今回は闇の咆哮を放った。『セツナ』はすぐに後ろを向いてインドラに向き合うと神龍の咆哮、今回は光を集めた咆哮、インドラが闇を集めていたために光がセツナの方に集まっていたから、を放った。二人の咆哮を同程度で大爆発が起きた。『セツナ』は真後ろに水鏡を出現させたが、少しだけ、爆発を食らってしまった。『セツナ』が水鏡で移動した先には運悪く、インドラの強風に乗った炎が合体して異空間を燃やし大きくなり続けていた。それは竜巻だった。


「ホントに、面倒臭い」


 『セツナ』は大きな、水鏡を作って異空間の壁の真横に移動させた。が、後ろからインドラが瞬間移動してやって来て、翅をもいだ。


「その、翅は厄介だったわ。でも、もう私の勝ちよ」


 インドラが合掌して腕を振り上げた。そして、振り下ろそうとした瞬間、『セツナ』の体が繭で守られた。


「なっ⁉」

「私は、神龍が本来使うオーソドックスな咆哮を特別には鍛えて来なかった。やっぱり、インドラには劣るし、アシュの適応が効かなくなったのもあるけど。だから、セツナのシックスセンスを上手く利用する方法を考えたの。そこで、考えたのが神龍の成り立ち。神龍はあらゆるシックスセンスが使えると考えられてる。ただ、選択肢が多すぎて普段使うシックスセンスを絞っていたと考えられている。セツナはそこで、考えたの。マイナーなものでも強力なものはきっといくらでもあるはずだって。そこからは皆と協力してセツナは己の神龍の血に向き合った。セツナたちは選択肢が多すぎるから虫に注目したの。一つ一つのシックスセンスを見つけるのにはウォーをいっぱい頼って、そして、実践利用は皆にいっぱい助けてもらった。だから、魅せてあげるよ、インドラ。とりあえず、眠ってね」


 インドラは話している間も繭に攻撃を仕掛けて来ていたが、その攻撃は全て繭の中にいる『セツナ』の成長の手助けとなっていた。そして、繭が壊れた。『セツナ』の背中に虹色の翅が生えた。その翅から出たオーラの粉が強風に乗った炎に掛かった。消えた。


「インドラ、魅せてあげる。『セツナ』なりの神龍をね」

「どんなに、神龍の力を使い熟そうと私のシックスセンスには敵うはずないわ」


 『セツナ』は一瞬で飛んだ。雷と炎を纏っている状態からさらに速く、先ほどの翅を生やした状態よりも速く、飛んだ。インドラは前回の反省から瞬間移動をしようとした。しかし、先んじて飛ばされていたオーラの粉がそれを妨げた。インドラはなす術なく『セツナ』の突進を受け入れるしかなかった。インドラは異空間に穴を開けながら攻撃を食らい続けた。


 どうしよう。このままじゃあ、母さんを殺しに行けない。そろそろ、アシュも終わりそうだし、どうすれば・・・。一撃、一瞬だけでも隙を何とか作りたい。もう、これしかないっ!


 インドラはその後も突進を受け続けた。受け続けて受け続けて受け続けてやがて、『セツナ』が苦しみ出した。


「どう、私の神龍の血の濃度には勝てないでしょ?」

「気絶、して、くれなかった、か。でも、セツナが、神龍の力を研究、し、インドラと戦うのに、皆と融合したのはこのためにあったの」


 『セツナ』の体には虹色の翅から出るオーラの粉が纏われていた。そして、苦しみに歪んでいた顔が徐々に余裕の笑みを浮かべるようになっていた。


「正直、インドラが追い詰められたら、『セツナ』に神龍の血を入れて来ると思ってたの。だって、それが一番効率がいいからさ。だから、それようの対策として編み出していたの。まだ、隠し玉を持っているんでしょう。隠さないで使いなさい」

「あるよ。でも、私は『セツナ』相手には使わない。その代わり、私のタフさを証明してあげる」


 インドラは触れていた『セツナ』の体内の血を己に流した。流して流して神龍の血、『セツナ』の記憶が含まれた血を得ると、同じように虹色の翅を生やした。


「なんだ、簡単じゃん。こんなので、マウントを取らないでよ」

「『セツナ』が用意しているのはこれだけじゃないわ」

☆☆☆☆☆を★★★★★へお願いします。五つじゃなくても構いません。ブックマークが欲しいです。

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