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TSURITOー繋げた未来  作者: カバの牢獄
第二章 カナヤ新興国
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第二章 37 カナとキララの念願

「カナさん今頃会えてるのかなあ」

「ホントに良かったのか、会いに行かなくて?」

「うん。よくよく考えたら私は行ったら目立っちゃう。メイド服は私のアイデンティティーだもん。絶対に脱げない。それに、北部の様子を実際に見たかったし聞きたかったからさ。気にしないで」

「…そうか」




「疾くと御覧あれ」


 カナはツリトの解体ショーを実際に初めて見た。ようやく、ツリトを生で見ることができた。舞い上がった。舞い上がってグッズ販売されているぬいぐるみや等身大フィギアまで買ってしまった。握手会までの時間でたくさん買い物してしまった。


「やってしまった…。ちょっとここから離れないと」


 カナは人気のない屋上に上がって神速のライフルを腰から抜き取った。そして、一発撃ってジャンヌの地下空間の自分の部屋に荷物を飛ばした。


「ホント、カーンのシックスセンスってインドラ様の超劣化版で使いやすい」


 カナは軽く伸びをしてから握手会に向かった。




 空は暗く染まっていた。ショワ宗教国やカナヤ新興国はイキシチ王国やエケセテ帝国の反対側にある。


「まあ、明らかにデコイは現れたんだがあ以前のような黒は生まれていない」

「じゃあ、何で殺さないの?」

「殺したいのは山々なんだがあ、色々と面倒でなあ。一年前の事件以来、反ショワ王国だった奴らがデコイ教に付くようになってしまったんだあ。それにい、最近は前みたいな厄介な行動は取らなくなったからあ、尚更面倒臭あい」

「殺しちゃえば良くない?」

「まあ、国の経済のことを考えても、今の有耶無耶な状態が良いんだろう。それに、ウールフ王はデコイが黒のオーラを纏えるようになるのを期待してるんだろう?」

「ああ。ワンチャン、封印の壺を開けれるかもしれない。まあ、もちろん、シックスセンスの使い方を工夫しているんだが中々、上手く行っていないのは知ってるだろう?」


 ルーフ、シリウス、テリオが封印されている封印の壺はジャンヌの異空間に保管されている。因みに、ルーフたちのことは世間では何も発表されていない。噂では死んだとされていた。


「まあね。じゃあ、どうするの?」

「俺はあ、この後、ツリトに会いに行こうと思ってるう。何かあ、手掛かりが掴めるかもしれなあい。一年前のあの日、ツリトだけが被害を全く受けていなかったあ。その理由を見に行くう」

「ふーん。ウールフも行くんだ」

「では。私たちはこの辺でおさらばしよう。次はジン王に会いに行くんだがついて来るかい?ちょちょいのちょいで行けるよ」

「ああ。宜しく頼むう。実は一度、乗って見たかったんだあ。あの乗り物」




 うわっ。もうすぐだもうすぐだ。ようやく直に触れ合える。うへへ、楽しみだなあ。待ち侘びた瞬間だあ。


 カナは心が緩み切り表情も緩み切っていた。思わず涎が出そうになった。


 おっととと。危ない危ない。でも、それにしても、どんどん空気が綺麗になって来る。


 カナが感じている綺麗な空気、それは、殺意や悪意などで汚れていた雰囲気が真逆になって気持ちが良い雰囲気になっているということだった。


 ツリト君のおかげだよね。何をしたんだろう。ってか、もう、次じゃん。うわっ、緊張して来たあ。ってか、カナは一番最後に並んだはずなのに後ろにいつの間にか誰かいるじゃん。折角ゆっくりツリト君と話そうと思っていたのに。うわっ、前の人が立った。カナの番だ!うわっ、両手で握って来てくれた。カナのことが好きなのかなあ。ヤバい。顔がとろけそう。手汗大丈夫かなあ。やったー。この後も会える。会えちゃう。ん⁉先客?まあ、いいや。女王であることを使って、どっか行って貰おう。もう、手を繋げない。まだまだ、繋ぎたい。放しちゃった。……。嘘っ⁉サルシアとライ。ってことは…。ウールフもいるじゃん⁉折角、先客を無下に扱おうと思ったのにこれじゃあ、できないじゃん。


「やあやあ、これはこれは、カナさんじゃないですか。てっきり閣下に会いに行ってるとばかり思ってましたよ」

「久しぶりですね。僕たち表の黒が全員集まるとは…。これも何かの運命なのかもしれないですね」

「まあ、運命というよりツリト君が引き寄せた徳なのかもしれないわね」

「ですね」「そうですね」




 うわっ。ツリト君とべったりだあ。さっきは勢いでツリト君の腕に抱き着いてしまったけど全然嫌がってないし、…脈あり?


 カナたちは魚肴に来ていた。漁師町の高級有名寿司屋だ。カナは先ほどはウールフが可愛らしい一面を出したがためにプラン無視の行動をしてしまって焦ってしまったのだ。だが、結果としてツリトは嫌がっていなかったため成功した。そして、カナは調子に乗って今、ツリトの隣にぴったりと正座して座っていた。肩はピッタリとくっついていて顔を向けると息が掛かる距離だ。


 こんなの興奮しちゃうっ!ヤバい。ってかツリト君って右利きよね。左手で食べてる。気を遣わしちゃってるのかなあ。でも、今日でツリト君にはカナに興味を持ってもらいたいし。




 驚いたなあ。ツリト君ってここまで色々出来るんだ。斬るための対象の概念の幅が凄く広いんだもん。カナがインドラ様のシックスセンスを使っても勝てるかなあ。っと始まっちゃう。


 五人は向かい合っていた。急に戦い合うことになった。カナとしては全然良かった。寧ろ歓迎していた。ツリトと長い時間一緒にいれるから。それに、カナは地上に来てから張りのある生活を送れていなかった。スリルを全然感じていなかった。だから、大歓迎だった。


 さてと、ツリト君の実力はどんなもんか。


 始まった。全員がサルシアを狙った。カナも神速のライフルを連続撃ちした。ツリトを見た。後ろに下がりながら斬撃を飛ばそうとしていた。早速、ウールフが脱落した。ライがカナのオーラ砲と遅れてやって来たツリトの斬撃を弾きサルシアに向かって走った。カナはイメージ上のツリトより斬撃が遅かったためツリトにオーラ砲を三発撃った。当たる直前で斬られた。カナはツリトの技量に驚嘆した。だが、驚嘆するのは早かったと言わざるを得なかった。ツリトはカナを巻き込まずに広範囲に無数に斬撃を飛ばした。そのどれもが鋭利で砂埃を起こしていた。堪らずサルシアはライを脱落させつつ結界を作って防御した。カナのサルシアの評価は厄介だった。色々できるから本気を出さないと底が見えない相手と定めていた。カナは自身のシックスセンスは地上に来た日以来、人前で使わなかった。それは、サルシアのアイデンティティーを奪うことになり、サキューバス家の上位互換であることを証明してしまうと思っていたからだ。それに、カナ自身余り目立ちたいとは思っていなかったからだ。だから、カナは援護でオーラ砲を高速で一秒五発撃った。


 え⁉サルシアが降参⁉…ってことは!


 振り返った時には長ズボンの裾が斬られていた。カナは完全に負けた。ツリトに底知れなさを感じた。インドラ様と同等以上のものを感じた。


 ツリト君。凄い。カナの理想通り守ってくれる夫になれそう。




 その後、延長戦として二対二の戦いが始まった。五回目を終えた時だ。ウールフが危険なことを言い出した。


「そういえばあ、ツリト。エージソンシリーズのリストバンドを買ってたよなあ」

「ん⁉ですねですね。と言うことはですよ。僕たちはもっと思い切り戦えますね」

「そうだね。ツリト以外は僕が怪我を治すとしたらもっと過激に戦える」

「この野郎ども。ツリト君を殺る気よ」

「カナさあん」


 ツリトは八回目以降からカナとの距離が急速に縮まっていた。理由は簡単だ。六回目、カナは観戦していたのだが酷かった。ツリトとチームを組んでいたのはサルシアだったのだが、ライとウールフがツリトに速攻を仕掛けて来ているのにも関わらずサルシアはツリトを守らずにウールフを攻撃したのだ。ツリトはチーム戦のためサルシアがガードしてくれると思い込み斬撃を飛ばすことだけに集中していた。ところがどっこいサルシアは開始早々瞬間移動してウールフを攻撃しに行ったのだ。ツリトは鳩に豆鉄砲を食らったようになり急いで自身を守るための斬撃をセットした。だから、ライと相打ちになって深手を負ったのだ。ライは雷刀をもった右手に深い傷を負い、ツリトはガードはしていたため、両腕に深手を負った。因みにサルシアはウールフに溝内に剣の柄を食らわせて勝利した。これが、六回目の対戦だった。七回目だ。カナはツリトとチームを組んだ。相手はライとサルシアだった。


「ツリト君。腕大丈夫?」

「うん。リストバンドのおかげで全然大丈夫」

「そっか」「うぐ」


 カナはツリトの頭を胸に押し付けるようにして抱きしめた。


「カナは絶対、あの野郎どもを許さないから安心してね。ツリト君は自分の守りを固めるだけで大丈夫だから」


 始まった。ツリトは言われた通り自分を守るための斬撃をセットした。これでオートで自身を守ってくれる。カナはとにかく上空に上がった。神速のライフルは遠距離ほど速くなる。そして、カナは一秒に五回発砲できる。カナの予想通りにツリトを狙った二人は連携していた。サルシアが瞬間移動でツリトをライの前に移動させるとライは雷刀で居合切りをしようとした。


 やっぱり、ツリト君を傷つける気だったのね。最低だわ。


 カナは神速のライフルの銃身をわずかに長くして回転を加えて発砲した。ライとサルシアは一瞬で体を撃ち抜かれた。これを見た、ツリトは思わず降りて来たカナに抱き着いていた。これにより、二人の距離が急速に縮まった。カナは我慢できずにツリトに血を少量流した。


 やっちゃった。大丈夫…みたいだからいっか。でも、これで、カナとツリト君に深い繋がりができたよね。




 カナはツリトを膝枕しながら少量血を与えた。サルシアの瞬間移動でニューフロンティアに帰った。


「凄くツリト君と良い感じになれちゃった。これは、あと一押し。一ヵ月後の建国記念日に招待できたらそのままゴールインね」


 夕焼けに照らされたカナの顔は白くと言うより、朱色に染まっていた。カナは防壁の上で同じところをグルグル回ってあれこれと想像してはしゃいだ。




 キララは虎視眈々とフリーになるタイミングを見極めていた。今日はツリトのイベントの最終日らしい。白龍王のクリは、白龍王だけではなく、龍王たちはインドラ様たちと一緒に飲んでいるらしい。


「今日しかないよね」


 キララは神龍たちのいる各龍の天空の更に上にある天空に向かった。目的は単純、インドラたちに会いに行くためだ。背中に樽を背負って宙に舞った。


「うわっ、キララ。もしかして、追加の酒を持って来てくれたの?」

「やるじゃない、クリんとこは。クロコクもちゃんと教育すべきだったなあ」

「ナリ、とって来ようか?すぐ、帰って来るよ」

「じゃあ、バリエーションを増やしちゃう?温かいの作ろっか?」

「ウォーは嫌なのです。このまま、炭酸で割るのです」

「セツナもお。もうそろそろで日が昇るしい。それに、インドラにはもっと飲まさないといけないからねえ。冷たいのじゃダメよお」

「待ってよ、皆。もう、私、お腹パンパンだよ」

「これって、凄―く酔えるよ。キララ特性のめっちゃ酔える酒だよ」

「「「イェーイ!」」」


 ここからはキララも入ってドンチャン騒ぎとなった。摘まみ片手に皆ドンドン酒を口に運んだ。やがて、キララ以外眠りに就いた。単純に寝ただけだ。


「ホント。どれだけ酒に強いのよ。待ちくびれちゃった♡」


 キララはようやく、地上に降りてツリトに会えると思うと興奮して来た。だが、まだやることが残っていた。


「シューン様に会いに行かなきゃ」


 キララは神龍が眠っている山のてっぺんに移動した。シューンがいた。シューンは神龍の血を体内に入れて苦しんでいた。元々耐性はあるのだが、神龍の血を濃くすることは疲れるのだろう。


「この様子じゃあ、キララを止められないね」


 キララは空を舞って天空から降りた。天空を脱出した。


 キララの計画はカナのせいでより慎重になっていた。カナたち姉妹が地上に脱出して以来、インドラの天空を囲む結界はより厳重なものとなっていた。そのため、当初、インドラを欺いて一発食らわして逃げようとしていたが、作戦を変えざるを得なかった。キララは一年掛けてインドラの結界の効果を欺いたのだ。具体的にはクリを通してインドラたちと会い仲良くなる。何故、仲良くなる必要があったのか?それは、龍王たちは外に出る権利を与えられていたからだ。だが、誰も出るつもりはないためあってないような権利なのである。キララはこの権利を自分にも付与させるためにインドラに近づいたのだ。結果は大成功に終わった。




「うーん。あのピエロのようにただ、ショーをやっても人気が出ない。むむむむむ」


 キララは地上に降りて大金をゲットしサルシアに会った後、ピエロが他人に囲まれていたのを見て旅に出たツリトが自分から会ってくれるようにするために真似をすることに決めた。そして、そっくりそのまま、試しでやって見たのだが、中々美味いこと観客が集まらなかった。キララは一人ホテルのベッドで寝転んでテレビを見ていた。テレビにはツリトの最後のショーの映像が映し出されていた。


「ますます、ツリトに会いたくなって来た」


 キララはこの時、初めてツリトの顔を見た。目付きは悪いが顔は整っていた。タイプの顔だった。キララの兄のスターによって上げられていたハードルを軽々と超える実力があることも斬撃を見ただけで分かった。キララはある閃きが生まれた。




「キララに足りなかったもの、それは、魅せる意識。昨日はちょっと失敗しちゃったけど今日は絶対目立てる」


 キララは客が求めていることと自分が魅せたいことが違うことに気付いたのだ。昨日のツリトの解体ショーの映像。注目は魚が次々に斬り分けられるところだろう。ここで、意識の差が出る。普通の人は斬り分けられた魚に意識が行く。当然だ。斬撃は目に見えないのだから。だが、キララなど、野生で生きて来た人たちは斬撃に目が行く。何故、キララがこの違いに気付いたか。それは、カメラの映像にあった。カメラは魚の様子を映して全体を映す引きの映像は少なかったのだ。キララはこの違和感で気付いたのだ。だから、キララは両取りをすることにした。


「キララが魅せたいのは偽りのマジック。でも、皆が求めているのはキララの可愛さを生かしたショー。だったら、両方やれば自ずとうまく行くはずなの」


 キララは詳しい設定も考えた。あとは作戦通りにやるだけだった。キララの自惚れが入ってるかもしれない。だが、結果大成功を収めて怪しい大人も現れてしまった。




 約一ヵ月後、その時が来た。この日もいつものように準備していた。キララは今日、ようやく、目撃情報を掴んだ。


「まさか、初日の近衛騎士の人と仲が良かったとは…。失敗したあ。でも、絶対、明日は来てくれるはずっ!」


 と意気込んで広場に来ていた。だから、マジック中にツリトを見つけた時、舞い上がった。表に出ないように隠すのに必死だった。




 ツリトと一緒に昼ご飯に行けた。とんかつだ。凄く美味しい。でも、そんなことより、ツリトと一緒にいれることが嬉しかった。


 わあ、なんやかんや言いつつもずっと一緒にいてくれる。脈ありかなあ。このまま一緒にいたいなあ。絶対いたいなあ。強引でも許してくれそうだなあ。決めた。ツリトとキララの子供を作るっ!




「これじゃあ、布面積が大きいよねえ。もっと小さいのにしよっかなあ」


 ツリトが条件を出して来た。正直勝ちゲーだ。勝利は約束されている。問題はその後、ゴールすることだ。


「でも、ツリト。優しいな」


 だって、キララから逃げようと思ったらその気になればすぐできるだろうに。


 キララは自然と頬が緩んで可愛い下着選びを再開した。




 カナがその知らせ、キララという女は白龍であること。そして、ツリトに迫って来ていること、を聞いた時、主に二つの感情が生まれた。一つは


「ツリト君を盗られたくない」


もう一つは


「カナたちを連れ戻して来た?」


 カナは地上に降りている姉たちに、今はどこにいるのか分からない、伝えたいと思った。だが、それ以上に龍として女として負けたくないという気持ちが勝った。だから、ジャンヌがさっきからドアをドンドンと言わせているジャンヌに許可を得たい。


「今日は昼から公務で地方に行かなければならない。でも、そんなことより、ツリト君に会って子供を作らないといけないもの」


 カナはドアを開けた。ジャンヌが顔を真っ赤にして鼻息を荒くして入って来た。実はツリトとの電話で起床時間が三十分ほど過ぎていた。ツリトとの約束ではツリトが泊っているホテルに贈り物を届けるだ。なるべく早く行きたい。


「いい加減にしなさいよっ、カナ!朝から準備がたくさんあるって言ったでしょっ!」

「ジャンヌ。ツリト君に会いたい」

「寝ぼけてないで来なさいっ!」

「ジャンヌ。ツリト君に会いたい」

「ふう。寝ぼけてはいないみたいね。でも、ダメよっ!六日後に招待することに決まったじゃないのっ!建国記念日に会えるんだからいいじゃないっ!」

「それを今から口頭で伝えるの」

「まだ、言っていなかったの!でも、そんなのはスマホで十分よっ。カナ、スマホを出しなさい!」

「やだっ!会いたい会いたい会いたい会いたい!」


 カナは地面に寝転がって全身を使って抵抗した。さすがにジャンヌも引いていた。


「ダメなものはダメよっ!我慢なさい!」


 それに、カナは建国記念日で女王の座から降りて貰うらしいし。


「むう、ケチ。ジャンヌが譲らないならジャンヌの秘密をカーンとアレクに言っちゃうからね。いいの?」

「私に秘密なんてないよっ!」


 カナは地べた這ってジャンヌのに近づくと足首から順に触って行った。ジャンヌは力づくでどかそうとするがカナは動かなかった。そして、カナがジャンヌのロングスカートの中でパンツに触れた。


「カナは見てしまったんだあ。ジャンヌが一人毎晩夜な夜なしてること♡」

「何のこと?」


 ジャンヌは辛うじてカナの質問に答えることができた。でも、言い逃れをするのは厳しくて汗を掻いて来た。


「もちろん、してる途中は見れなかったよ。でも、ジャンヌにあんな趣味があったなんてねえ。カナ、びっくりしちゃった」


 カナはパンツの中に手を入れた。ジャンヌは思わず体をピクッとさせた。


「ジャンヌ。お願い」

「私に頼んだって意味ないですよ。だって、二人ともアレクのには乗れないじゃない。それに、カナさんなら独りでやろうと思えばできるでしょ?」

「でも、ちゃんとジャンヌに便宜を図って貰いたいから」

「カナさん。ツリトさんに会って何をしようとしているんですか?」

「いや、別に何も考えてないよー」

「むう。とにかく準備をしに行きますよ」

「ジャンヌの秘密、他にも知ってるよ。実はツリト君に贈り物を送ってるよねえ?」

「送ってないよ。どうして、そんなこと言うの?」

「カナの目を舐めて貰っちゃ困るよ。ジャンヌが着ているそのメイド服の生地。ツリト君とおんなじだったんだけど」

「なっ⁉あの時ね!」


 ジャンヌはツリトに会うのをデコイ教を消滅させるまで我慢することに確かに決めた。だが、その時にはもう、ジャンヌの移動手段は整っていた。配送の部屋。これにより、時間は掛かるが簡単に移動することができる。ジャンヌは同じ生地の服をツリトの無人島の家に一度試しに送っていた。


「ジャンヌ。自分の気持ちに素直になりなよ。ホントはツリ」

「分かった!カナをツリト君に会わせてあげる。ただし、昼までには戻って来て」


 ジャンヌは黙ってカナの腕を引いて異空間を少し歩いたところにある部屋に連れて行った。


「スマホを出してください」

「うっ、うん」

「格好はそれで良いんですか?」

「うーん。構わない。そんなことより、ジャンヌ!一緒に行こう」

「無理です。私の欲は満たされていますから。カナさん楽しんで来てください。その代わり、二人だけの秘密にしてくださいね」

「ジャンヌ。自分にもっと正直になって。一緒に行こう」


 その後も、何度も何度も平行線の話をした。かなり時間が経ってしまった。今から行ったとしても一時間ぐらいしかゆっくりできない。


「カナさん時間がありません。私に構わず行って来てください。私は大丈夫ですから」


 ジャンヌはエージソンシリーズの封印の壺を開けてカナを封印した。


「ごめんなさい。私はホントにツリトさんと同じぐらいこの国が好きなんです。私は安全が確信できるまでツリトさんに会わないと決めたのです」


 ジャンヌは人が余裕で入れるぐらいの大きさの箱に蓋を外して封印の壺ごと入れた。そして、封印の壺の蓋を開けて箱の蓋を閉めた。


「五分ぐらいで着きますよ」


 ジャンヌは涙を流してカナを送り出した。カナはジャンヌを素直に仕切れなかったことを悔しく思った。


「「何で、泣いてるのよ」」


 二人は別々の思いを抱えながらも同じ言葉を発した。


 カナは五分後下着姿でツリトの前に現れた。キララがツリトとしようとしていたのを見てカナはジャンヌのことは一旦、考えるのを止めるようにユナのシックスセンスで心を操った。


 それはそれ。これはこれ、よね。


 カナはすぐに幸福感に包まれた。




 カナは下着姿のままボーとして新興国に戻って来た。一時間ほどツリトと楽しんだみたいだ。


「カナさんお帰りなさい。どうでした、楽しめましたか?」


 ジャンヌは箱の蓋を開けて出迎えた。男の人の匂いが感じた。箱の中を覗くと顔を赤く染めているカナの姿があった。


 ああ、私はツリトさんと結ばれることはないんだ。絶対に泣くな、私。


「とりあえず、シャワーを浴びてください」


 ジャンヌはカーンのオーラが使われている小型拳銃でカナを風呂場に飛ばした。


「ふう。そっかあ。カーンとアレクに会ってなかったらツリトさんと結ばれていたのかなあ。いや、無いな。私はきっとずっと一人だったわ」


 ジャンヌは大粒の涙がまた溢れてしまった。


 カナはシャワーを浴びる前に無理やり闇を操ることで刺激して受精させた。


「やっぱり、ジャンヌも連れて行くべきだった。全然、悲しそうな顔を隠せてないじゃないのよ」




「カナが遂にツリト君と関係を持ったわ。正直、一ヵ月前に会いに行くことはできたけどあのキララが現れたとなると行けなかったのよね」

「でも、白龍の天才児のキララのシックスセンスが嘘だったとなると話は別ね。相性が悪いアナたちでも勝てるわ」

「じゃあ、早速モナが瞬間移動してツリト君に会いに」

「待って。これは、しっかり策を練った方がいいわ。だって、場合によると、カナとキララとツリト君が共闘する可能性があるんだから」

「確かに、セナ姉の言う通りねえ。皆、落ち着こう」

「サナの分身で全部行うのはどう?」

「それだったら、ナナのシックスセンスの方が確実じゃない?」

「ナナ姉のシックスセンスを使うのは勿体ないよ。ハナはセナ姉の言う通りにしっかり作戦を練った方がいいと思うの」

「じゃあ、決まりね。ツリト君をこの部屋に連れて来てあんなことやこんなことを邪魔されずにカナが来るまで楽しむ。カナが来たら成り行きで謝る。さあ、皆、考えなさい」

「「「アナ姉!」」」


 アナの考えるのをしない宣言に呆れつつもようやく自分たちの目的を叶えることができると八人はウキウキしていた。

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