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TSURITOー繋げた未来  作者: カバの牢獄
第二章 カナヤ新興国
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第二章 35 カナヤ新興国の建国/デコイ教による被害

「アレク。封印の壺は開けれそうか?」

「おそらく、真面な方法では無理だ」


 サルシアとライと別れた後、ウールフはカーンとアレクと一緒に異空間に来ていた。そして、アレクに封印の壺の研究成果を聞きに来た。


「真面な方法が無理い?」

「うん。僕が考えるに、この封印の壺は使った人しか開けることはできないと思うんだ。だから、真面な方法では無理だと言っているんだ」

「何か裏技があるのか?」

「これは、誰に対しても当てはまるんだけど、シックスセンスのルールを変えるだとか、単純に力技で開けるだとか、そんなシックスセンスがあれば開けることはできるんじゃないかな?」

「なるほどお。だが、サルシアは傷一つ付けれなかったみたいじゃないかあ」

「だね。でも、まだ、一人いるかもしれない」

「ツリト君だな」

「うん。彼がどこまで斬ることができるかだね。それによってはもしかしたらがあるかもしれない。もちろん、僕たちも僕たち自身の力で何とかする方法を考えないといけないんだけどね」

「そうかあ。因みにだが、タイムリミットはあるかあ?」

「これも、僕の予想だけど、ない。封印の壺というぐらいだ。封印したものは傷つくことはないんじゃないかな。おそらく、肉体は現状維持になるだろう」

「現状維持か。どうするかね、ウールフ君」

「俺はあ、どうすることもできないから、信じることにするう」

「そうか。では、ウールフ君。私は今から君を王様扱いをする。そこで、ウールフ王。一つ提案があります」




 ウールフとカーンは皇居の跡地に戻っていた。そこにはデコイ教の信者たちを主に収入源にしていた社長たちが部下を引き連れて抗議しに行っていた。ウールフはこいつらは偽物の信者と呼んでいた。ウールフは遠くからため息を何度も吐きながらその様子を見ていた。


「民間人を虐殺したなっ!」

「「「そうだそうだ!」」」

「お前ら黒なら大量虐殺する必用はなかったはずだ!」

「「「そうだそうだ!」」」

「デコイ教の信者に謝れ!」

「「「謝れ!」」」

「私利私欲で人を簡単に殺す奴が王様になっていいのか!」

「「「そうだそうだ!」」」


 奴らは歪んでいる。お金のためになら非人道的なことをしている者たちのために協力する。その歪みを何世代にも渡り継承して当たり前としているのだ。奴らの中にはデコイ教を悪と認識している者は半数ぐらいはいるだろう。否、半数もいないのだ。奴らはそれだけ常識がないのだ。


「はあ。つくづく気持ち悪い」

「全くだ。こんな風にデモに著名人も参加していると一般人は流されてしまいかねない。ホントに気持ち悪い」

「やっぱりい、とことん排除したいなあ」

「それは、ダメだ。この国の経済が衰退してしまうから。少しだけ待っていてくれ。奴らを排除するのは水面下で経済基盤を整えてからだ。そのためにも…」

「今は奴らのしたいようにいやらせろとお?」

「そうだ。ウールフ君。国に絶対必要なことは分かるか?」

「リーダー」

「リーダーとリーダーと同じ考えを持つ過半数を超える者たちだ。過半数というのが大事なんだ。個としての圧倒的実力があるだけではダメなんだ。やはり、賛同者が必要となって来るんだ。それは反撥する者が過剰になるのを防ぐ役割も担ってくれる。現在、ショワ王国ではデコイ教の賛成の数が過半数を超えてしまっている。だから、私はウールフ王にお願いをしたのだ」

「元々、北部と南部で国家を分立する案はあった。だが、圧倒的リーダーがいなかったんだ。だから、カーン。頑張ってくれよ」

「もちろんだ、ウールフ王。いずれ、全てを解決して見せる」


 カーンはポケットからスマホを取り出した。スマホにはアレクが映っていた。


「準備はできたか?」

「うん。ようやく、僕たちの国ができる」


 カーンは右手に持っていた拡声器を手に取った。この拡声器は意識を声に向けることができるアレクの発明品だ。アレクがインターネットをジャックした。


「さてさて、皆さま。私はショワ王国南部のデコイ教を一ヵ月で完全に一掃します。そして、建国します。私に賛同する者は一ヵ月後に南部に集まって来て下さい」

「「「ふざけるなっ!」」」「「「言うだけなら誰でもできるんだ」」」「兄ちゃん、酔っぱらってんのか?」………。

「凄い罵倒だなあ。変わってくれえ」

「北部はショワ宗教国にしてやる。せいぜい俺に躍らせていろ」


 ウールフは大量の黒のオーラを纏って国民を威圧した。デモ隊はビビッて震えていた。


「だから、デコイ教が嫌いな良民は南部に移動してくれ」


 今度はオーラを纏わずに頭を下げてお願いした。月明りに照らされたウールフはには優しさが満ちていた。


 この二人の演説はデコイにとってかなり、面倒なこととなった。





「ねえ、どうして、北部を宗教国にさせたの?」


 パクッ。パク。パク。…ズズズッー。……。


「それはだな。デコイはまだ生きているからだ。今のままでは必ずデコイは暗躍する。だから、無理やり表舞台に立たせようというわけだ」


 ズズズッー。パク。パクパクパク。ズズズッー。……。


「そう。ただあ、デコイが現れない限り、デコイ教は立て直すことはあできない。もし、勢力が落ち続けたらあ、すぐにい、偽物の信者はあ減る」

「なるほど。中々良い作戦ね」


 パクッ。むしゃむしゃむしゃ。ガブリ。


「それで、アレク。やっぱり無理なの?」

「今の僕たちじゃ無理だ。いずれ、ツリト君に頼ってみよう」

「「じゃあ、会いに行こう!」」


 カナとジャンヌの声が重なった。カナは目覚めてから次々と料理を平らげて行った。四人が真面目な話をしている間も食事に夢中だった。誰もがカナはこの話に興味はないと思っていたところでこれだ。三人は思った。


 この子、ジャンヌと同じだ!


 ジャンヌはと言うと、女の勘が確信に変わった瞬間だった。ジャンヌはカナを睨み付けた。三人は思わず笑った。ウールフは心から笑った。この瞬間だけは両親とシリウスのことを忘れることができた。


「残念だが、二人には先に建国の準備を手伝って貰う」

「「何でよっ!」」

「その様子じゃあ、ツリトと会わせたら帰ろうとしないだろう。混ぜるな危険だ」

「「何でよっ!」」




「ねえ、アナたち完全に出遅れてない?」

「リナもそう思ってるから必死に地上の情報を搔き集めてるんじゃない」

「モナ、戻りたくないよ」

「ツリト君に会いたいなあ、セナ」

「ダメだよ、セナ姉。ユナの推測は当たってるっぽいんだから」

「でもさ、ユナ姉。そしたら、カナも自分でツリト君に会いに行くんじゃない?」

「サナ姉の言う通りだよ。ナナもツリト君と一緒にカナを待ったらいいと思うの」

「ハナたちはじゃあ、カナに謝りに行く?」

「「「ないな」」」

「リナ」「「「リナ姉」」」


 八人はフロンティアで晩御飯を取りながらリナに暫く頑張ってもらうことに決めた。




「母さん。父さんは?」

「ダメみたい。やっぱり、サニーに頼んでみる?」

「その必要はない。僕が必ず解放して見せる。それに、ウールフ王からも情報を貰った。死ぬことはないと推測している。とね」

「そう。じゃあ、サルシア。頑張りなさい」

「はい」


 二人はベッドで寝転んでいるぼさぼさの青髪ロングの胸の大きい女の子、サルシアの姉のサニーがベッドで寝転んでいるのをモニター越しに見ていた。




 デコイ教の一件から一ヵ月後。カナは着物を着せられて大勢の子供とたくさんの大人たちを見下ろしていた。更地に一本の長い塔、ロンギヌスの中からその様子を見ていた。


「ねえ。ツリト君にいつになったら会わせてもらえるの?」


 カナはまだツリトと会ったことがないためツリトのところに瞬間移動して会いに行けていないのだ。また、ジャンヌの地下空間から行く方法があるのだが、ジャンヌに悉く邪魔をされて行くことができなかった。


 ここに書いていることを覚えたら行かせてあげるわ。


 カナはジャンヌのこの言葉を信じて従っていたが嘘だと分かって以降、一切従わなくなった。否、一瞬でリナのシックスセンスを使って脳内に記憶させているのだが、一瞬過ぎて記憶してないと思われている。そのため、すぐに会いに行こうとするとジャンヌに止められるのだ。何度もジャンヌの監視は振り切れるのだが、リニアに乗っても一向に進まないのだ。そのため、カナはジャンヌに邪魔されていると感じている。しかし、実際はリニアはアレクが作っているものなのでカナの勘違いも含まれている。


「私が聞きたいわよ、そんなこと。でも、今から作る国が安定したら会わせて貰えるんじゃない」

「じゃあ、何でカナはこんなことになってるの?」

「それは、多分、カナの映像が出回ったからね」


 カナが神速のライフルを持ったデコイ教信者を倒した映像が世に出回ってしまった。カナが急に現れて宙に浮いたまま信者を倒す映像は見たものを熱狂させたのだ。ここで、カナのシックスセンスについての世間の推測がある。二つに絞られていた。一つは浮遊。もう一つは瞬間移動だ。浮遊が濃厚になっていた。サルシアがショワ王国に来ていたことから浮遊が濃厚になっていた。そのため、普通の交通機関でもツリトに会いに行くことができなくなっていた。


「はあ。ジャンヌの方が可愛いのに」

「女王様に可愛さは関係ないわよ」

「何でこうなっちゃったんだろう」


 ロンギヌスが花を咲かせた。花弁が広がっていくようにしてロンギヌスが変形した。そして、カナがその更に上から舞い降りた。花弁にはウールフとカーンがいた。


「ただいまより、カナヤ新興国の建国式を始めさせていただきます」


 国民が沸いた。これより始まる新たな期待を胸に抱いて。




「では、これより、我がカナヤ新興国による街作りを御覧ください」


 建国式が終わったすぐ後に、カーンがいきなり発言した。皆、頭に?マークを浮かべただろう。急に国民が静まり返った。それは遠くから、他国から映像を見ていた誰もが思ったことだ。だが、その疑問はすぐに解消されて静まりの質が変わった。東西南北、四方八方にロンギヌスが浮かび上がった。まず、それが一番に目に付いた。次にたくさんのビルや、学校、一軒家、マンションなどが次々と乱立していった。困惑で起こっていた静まりが、呆気に取られての静まりに変わった。


「これは、ほんの始まりです。まだまだ、カナヤ新興国は進化します。楽しみにしていてください」




 さらに一ヵ月が経った。


「新興国としての基盤は整った。政治体制、街作り、商業、農業、マスメディア、学校、その他諸々全部。と言うことは、いよいよ、外交ね。出発の準備よ、ジャンヌ!」

「残念ですがまだまだ、基盤はできていません。今日はこの後から会食が五件ほどありますから頑張ってください」

「今の時代、自由気ままに動く女王にも魅力があると思うの。しかも、カナの場合、ちゃんと実力があることは皆知ってるし。二人で抜け出せたら何とかなるよ」

「残念ですが、今のカナさんは自由気ままに移動することはできません。私の地下空間で移動するのもそうですが、地上の交通機関を使うことはできません」


 私だって会いに行きたいけど、勝手に抜け出すと怖い仕打ちが待ってるぞとカーンに脅されてるのよっ!うぐっ。




「ねえ、ツリト君に会いに行こう。これじゃあ、地上に来た意味がないよっ」


 アナたち八人は地上に降りてフロンティアで過ごしていた。天空より少し過酷な環境で過ごしていた。


「だって、一ヵ月も経ってるじゃん。カナだって文句はいえないよっ」

「アナ姉、もう、話し合ったでしょ。ツリト君に会うならカナが会ってからだって。それに、リナたちも準備をしてるんだから」

「そうだよ。ちょっとずつ、皆で情報を仕入れてるんだから。アナ姉が狩りに行っている間に外に行ってるんだから。モナたちがどれだけ気疲れしてるか」

「どういうこと?」

「情報が多すぎるの。セナたちは毎日、カナの国に行ってるんだけど、行くたびに見たことないものがいっぱいでハナはもちろんなんだけど、ユナがいないと落ち着いて外の仕組みを理解できないの」

「ユナも困惑を抑えるのに精いっぱい」

「でも、困惑してるのはサナたちだけじゃなくて、国民もらしいけど」

「ナナはカナヤ新興国も気疲れするけど、ショワ宗教国の方が嫌」

「ハナも。血生臭い。すっごく」

「その困惑って何なの?」

「見たことも聞いたこともないものだらけ。ある意味、フロンティアみたいな感じ。だから、特に進んでいる中心都市をニューフロンティアと名付けられているの。リナたちはその知らないことを知るので精一杯なの」

「ねえ、それってここにいる意味はないよね?」

「どういうこと?」

「単純な話だよ。一ヵ月間も困惑が続くなら絶対今後も困惑が続く。だったら、アナたちはその中でカナの様子を見守ったらいいのよ。馴れてからっていつまでもビビってたらダメよ。だから、カナに黙ってツリト君に会いに行きましょう」

「アナ姉、分かってる?カナヤ新興国、カナを一番見ることができそうなニューフロンティアは凄くお金が掛かるの。だから、困惑しながらも抜け道的なものを探してるの。それに、カナに会ってからか、カナがツリト君に会ってからじゃないとリナたちがツリト君に会いに行くのはダメ」

「うん。なるほど。リナたちはビビってるのね。抜け道なんか何事もないよ。それと、お金の問題だけど、別に正攻法に拘らなくても良いんじゃない?」




「まさか、こんなにあっさりいくなんて…」


 アナたちはニューフロンティアで一番のタワマンの最上階に八人で住んでいた。アナが提案したこと、それは密告だった。アナはカナヤ新興国にいる国民のデコイ教と繋がっている者をカナヤ新興国の建国者カーンに密告することだった。もちろん、密告する人は影響力がある人を優先とした。カーンへの報告方法は議会中にリナが情報を飛ばした。そして、見返りとして生活の補助を要求した。軽く五十人程度密告したため、好待遇をして貰えたのだ。


「リナたちは考えすぎだったのよ。ここで、ゆっくり、カナがツリト君に会うのを待ちましょう」


 部屋はとにかく広かった。特注して作ってもらったからだ。アナたちのために最上階の部屋を繋げたのだ。設備は整っていた。トレーニングルーム、天然温泉を使ったお風呂、マッサージチェア、などなどの設備も完璧に整っていた。




「ねえ、カーン。どうしたんだ?」

「いや、水面下で確実にデコイ教復活への道が作られているなあと思ってな」

「裏が取れたからね。そう何もかも上手くはいかないさ」

「だな。だが、一体誰なのか」

「だね。ジャンヌの情報収集の部屋よりも早く情報を入手し、密告者の情報は手に入らない。デコイ教じゃなければいいけどね。それで、カナとジャンヌのことだけど、どうしよっか?」

「そうだなあ。布石は打ってあるさ。今のアレクの計画が完成したら辞めさせるつもりだよ。ジャンヌはどう出るかちょっと予想できんな。どうやら、恋バナはしていないみたいだから」

「それなんだよ。ジャンヌはどうして、カナの前だとツリト君に興味なさげにしてるんだろうか?僕たちもカナの前ではからかいにくくなってる」

「だよなあ。カナの前だと本性を隠してる。ったく、いつまでも、面倒を掛ける。最悪、勘当するしかないか」

「そうだね」




「サルシア。サニーに頼って見るのはどうだい?」


 サルシアは父が封印の壺に封印されたから二ヵ月、何の成果も出せずにいた。そこで、ジン王はサルシアと話し合うこととなった。


「ジン王。この二ヵ月間で僕に内緒でサニーを頼っていないことからも危険を感じているのですよね」

「ああ。確かに感じている。だが、サニーニョはサニーの悪影響を受けても生きることができるとも確信している」

「やはり、ダメです。僕が対処しないと」

「そうか。一応、怪我を負って退団したことになっているがその内に世間は気付くかもしれない。頑張るんだよ、サルシア」


 ジン王たちの懸念は無駄に終わった。サニーニョが姿を見せないのはフロンティアで武者修行をしているという噂が流れたためだ。アレクがカーンの指示でネットで広めたからだった。

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